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WOMAN  作者: 佳穏
34/35

悲しき再会10

「ママ、どうかした」



「ううん何でもないのよ 私も最近知り合いを 亡くしたばかりだったから」



「ママもそうだったのね どんなお別れも辛いけど 父親を亡くした彼の姿を私は見ていられかった」



「そうね…黄泉の世界へ旅立つ大切な人とお別れはつらすぎるわ」



寿里の話から彼の父親が昔愛した佐々木勝之なのではないかと志桜里は内心穏やかでいられなくなっていた



寿里がお付き合いしている彼があの人の息子さんだとしたら…



不思議な縁に志桜里は顔を強ばらせ困惑していた。



志桜里はこれは序の口でまだまだ予測不能な出来事が寿里や凛までをも巻き込んで起こりくるような気がして体を身震いさせた 



アイスティーを飲みながら愉しげに携帯を見ている寿里に不穏な何かが起きそうな気がして心配でならない志桜里の脈拍数はどんどん上がり始めた。



ねえママ見てと彼とのツーショット写メをかざす寿里のその笑顔が消えないようにと願わずにはいられなかった。



9月に入っても夏の暑さはおさまる気配もなく誰もが秋の到来を待ち望んでいたそんなある日、耳に突き刺すような大きな声で顔を見せたのは凛だった



「ママただいま~」



志桜里はカウンターから飛び出し凛と抱き合った



「凛ちゃんお帰りなさい 凛ちゃん見ない間に随分大人びたわね」



「エエ~そうかな 凛はなんにも変わってないと思うけど」



「親元を離れて一人立ちした子供はたくましくなるって聞いたけど本当にそうなのね 凛ちゃんがたくましく見えて嬉しいわ」



「たくましくなったなんて男性に云う褒め言葉だわ 凛は見目麗しき大人女子になったって言われた方が嬉しいな」



「勿論凛ちゃんは魅力が倍増して素敵になったわ たくましいというのは人として成長したってことよ」   



「そうなのね ありがとうママ」



「立ち話はこのくらいにして座わりましょう いつものカウンター席でいい」



「ママわたしレモン汁たっぷりのレモンスカッシュが飲みたいわ」



「わかった急いで作るから待っててね」



志桜里が冷蔵庫からレモンを取り出したとき凛の携帯が鳴り出した










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