悲しき再会5
志桜里は凛の祖父の病院でもある西條総合病院にきていた 病院の面会受付で名前を記入し志桜里は病棟に向かった
エレベーターで9階で降りたった志桜里は看護師から伝えられた部屋へと歩いていた そのとき前方からもうスピードで走りくるストレッチャーが志桜里の目に飛び込んできた 志桜里は壁に体を擦りよせるようにしてそのストレッチャーが通りすぎるのを待ち佐々木がいる病室へ急いだ
佐々木の名札を見た志桜里はドアをノックした 何度ノックしても全く返答がないので志桜里は恐る恐るドアをあけた 柔らかな陽が射す個室のベッドに佐々木の姿はなかった
ドアの前で佇む志桜里に通りかかった看護師が声をかけた
「ご親族のかたですか」
「いいえ お見舞にきたのですが」
「あいにく患者さんは先程処置室の方に移りましたので今日は面会出来ませんよ」
「そうですか わかりました」
「みませんが貴方は患者さんの家族といま連絡を取ることはできますか」
「すみません 私は…できません」
「こちらこそすみません なかなか連絡がつかないものですから失礼しました」
「あのぅ…佐々木さんとお会いできるのはいつでしたら可能でしょうか」
「私は担当じゃないので分かりかねますがしばらくは処置室かと」
「お引き留めしてすみません ありがとうございました」
志桜里は頭を垂れながらエレベーターへとひき返していた
待っていたエレベーターの扉が開くと血相を変えた女性が飛び出してきた
その女性は近くにいた看護師の腕を掴み声を震わせ尋ねていた
「いま連絡頂いたのですが主人は 夫は…」
「落ちついて下さい ご主人のお名前は」
「わたし佐々木の妻ですがあの人は」
「連絡とれて良かった佐々木さんの奥さまですね 私とナースステーションの方にどうぞ」
取り乱した女性と看護師の光景を目の当たりにした志桜里は呆然と立ちすくんでいた




