悩み多き年頃10
凜子は子供のように素直に喜びを表現できる女性だった。可愛らしい笑みで喜んでいる凛子の姿が想像できた 男たちは要求された訳でもないのに凛子の望みを叶えてやりたいと心から思い、凛子のその喜ぶ姿を目にすることが快感なのだろうとそんな男たちの心理がわからないでもない志桜里だった
「いいか悪いかは当事者間の事だから何とも言えないけど・・でもあのとき自分で買っていればなんて事態が起きたら凛ちゃんどうする だからね白黒とまでは言わないけど何でもほどほどが一番じゃないかしら」
「凛のまわりにいる会社の人も大学の友人先輩みんな信頼できるいい人よ」
「もしもよ自分の欲求をすべて吞んでくれる信頼出来る男の人がいるとしてその男性に下心が全くないと言い切れるかしら」
「う~ん、考えたらちょっと怖い」
「怖がらなくていいわ 凛ちゃんは借りたお金をちゃんと返そうとしたんだもの。でも凛ちゃんに好きな人ができたら他の人の好意に甘えるのは」
「はいわかってます ママの言いたいのはほどほどにでしょ」
「ほどほどじゃなく出来れば止めにした方がいいと言おうとしたのよ」
「凜は欲しいものがあると何が何でも手に入れたくなって理性が働かなくなってしまうときがあるの。だから理性に負けて人の好意に甘えてしまうのね。いつまでたっても凛は子どものままねって今朝もママに言われたけど凛もそう思う わかってるけれどそう簡単には変われないみたい」
「凛ちゃんは自分の事をちゃんと自覚しているから心配なさそうね わかっていてもその通りに生きられないことってあるわ でも大丈夫、みんな失敗したり傷ついたりして痛みを知って少しずつ自分を律し正しい道を邁進していけるようになるんじゃないかしら」