河野サチについて_02
河野サチとアスカと川島の三人が二十三時になる十分前に集合する。
「今回は天使もどきって情報が出ってるす河野さん」
「戦うぞサチ」
男性にしては少しだけ小柄な川島と大柄な女性アスカが同時に言う。
「待って、あんたら毎回同時に言わないで」
河野は右ポケットから薬を取り出し二粒取り出し口に含む。口の中に妙に血の味が広がるのを感じた。
「慣れないな、この薬、口の中に血の味が残る」
「だけどそうでもしないと自分達が死んでしまいますよ」
「ごちゃごちゃ言うな、天使もどきを殺すぞ」
三人は右手の付けているブレスレットに自分達の血を付ける、血がブレスレットに染み込み三人のブレスレットから武器に変更していた。河野は短剣に、アスカはメリケンサックに、川島は小さな拳銃となった。
「二十三時丁度になったわ、作戦はいつもの通り天使もどきの抹殺です。抹殺の成功のあかつきには報酬が振り込まれます。ではいつもの如く勝ちましょう」
「了解」
河野の発言と共に二人はそれぞれ自分の位置に動くアスカと川島達だった。
夜の公園には誰もいないのを会社員の男は知っていた、いつものごとく公園のベンチに座り独り言をぶつぶつと言う。
「どいつもこいつも、俺をバカにしやがって、人が食いたい、人が食いたい、人が食いたい、人が食いたい、人が食いたい、人が食いたい、人が食いたい」
男は顔からヨダレが口から溢れ、ポタポタと洋服が濡れていく。
「今日も疲れた、マジあの上司使えない」
男の目の前を会社帰りの女が誰か通話しながらずかずかと通り過ぎる。
美味しそうな女が俺の前を歩いている、女の肉はとても旨い、そうそう子供の肉も柔らかくて甘くて美味しいから俺は好きだ。家いる女は生まれた赤ちゃんを守りながら俺の名前を散々呼んでいたがをおいしく頂いた。人間の肉を食べた後から俺は週一で公園に行き人間を殺す。今日も今日って女が俺のご飯が歩いている。
男は女の後ろにゆっくりとつけ、男の姿からバケモノの姿に変化しバケモノの右手には鋭利な刃に変わり後ろから女を刺そうをとした時に、バケモノの右腹には短剣が刺しておりそこから赤く広がっていく。
「いてえええええ」
バケモノは呻き声が公園中に広がるが右腹の傷が段々と癒えてきてる。
「あちゃ、浅かったかな」
「今日はアタシが相手するってサチ」
「え、アスカが前回もアスカだったような」
「そうか、いいじゃんかアタシが殺すから、川島と楽しくお喋りしとけって」
河野は頬を膨らませながら、川島の横腹を弱く殴る。
「痛いですよ河野さん、別にいいじゃないですか結局はお金は入るんですし」
「そうだけど」
「ほら見てくださいよ、アスカさんめちゃくちゃ楽しんで戦っているじゃないですか」
本当に楽しそうに戦っていると私も思っているわ、天使もどきは人より遅いから殺しやすいし、上位の化け物達といずれは戦うのかしらね。
「弱いな、本当に弱いな、お前らは本当に弱い」
天使もどきにまたがりながら殴り続けるアスカ、頬には天使もどきの血がベッタリと付いている。
普通の人間には猛毒な天使もどきの血。私たちには聞かない。動物と天使もどきの血を薬にし、その薬を飲むそれに適性があるかどうかで変わる。適合してないと死ぬのが確定だと製薬会社の人に言われたのは覚えている。
「河野さん天使もどきの生命が消えたのが確認できましたよ」
「あ、本当、製薬会社に連絡した」
「しました」
河野と川島は天使もどきの生命が消えたことの確認とその報告を製薬会社に連絡をする。
「私の奢りでいいから、ご飯食べに行こう」
アスカ顔中に付いている血を拭きながら、川島スマホを触りながら二人は即答で行くと返事が返ってきて、三人は残りの業務を製薬会社に引き継ぎを行い公園を後にした。