サカバと言う男とは
冬の冷たさがなくなり、春の暖かさが顔中に強く風が靡く。
「果二君、早く果二君のうちでサメの映。画観ようよう」
酒国果二は自分の右手を掴んでいる果二の彼女瀬戸内雪は果二の家に急いで彼の右手を引く。果二は学生の時の友達からゲームの酒場に出てきそうな顔だし、苗字が酒ついているし、お前は今日からサカバだなとあだ名をつけられた。妙に果二はあだ名であるサカバが妙に気に入って社会人になってからもあだ名と使用している。
サカバは立ち止まり雪の手をおもいっきり払いのける。
「雪、だからもう俺は雪と付き合えないよ。」
「なんで、そんなこと言うの、嫌だ、あたしは絶対に別れないよ」
雪はサカバの洋服を掴む、泣きながら絶対に別れないとだけ言う。サカバ自身も変な女に好かれたと思ってしまった。
「お前の、メンヘラ気質には疲れた、だから雪別れて欲しい」
「嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ」
サカバから離れた雪は右手首を掻きむしり血が出てきていた、サカバは雪を止めようと雪の掻きむしっている右手を掴み雪を抱き寄せた。その時サカバのは首に違和感を覚えた。
「やっぱり果二君は優しいね、一緒にねなろうね。今私が打った薬でね」
サカバは意識を朦朧としているなか、雪が何か言っているのものかろうじて聞こえたが、もう遅かった。
それから数ヶ月経つ、サカバは病院で目覚め医者からは過労ですねと言われた、そして雪とデートした日から雪とは会ってないし連絡がつかない、そしてサカバは歯が異常に鋭くなった、元カノが変な薬を入れた液体を注射で体に注入された日からサカバは普通の男ではなくなった。サカバは自分自身の顔が変わってないか、自室の置き型の鏡で顔をチェックする。
「変わってないな」
サカバは安堵した。変わったのは嗅覚と歯だけであって、泳ぎも普通の人と変わらない。口を開きギザギザの歯をで右手で優しくなぞる。歯がギザギザになってからマスクが手放せなくなった。
「外、出たくないな」
最近は血の匂いに敏感になってしまった、そのせいで女性の月一のものに反応してしまう。血の匂いが濃いと吐きそうになる。血以外の匂いは普通の人とかわらかがギザギザの歯のせいでスプーンとか箸とか毎日壊してしまう。壊さないように訓練をしたが気を抜くと壊す。今の仕事在宅で出来るように会社に話そうかな、俺の仕事って企画に沿ってイラストを描くだけだし。
サカバそう思いながら、仕事に行く身支度を進めた。
サカバは会社に着き、自分の机に置いてある資料をパラパラと眺める。
「ちわーす、サカバちゃん今日も元気ないね」
「河野さん、月曜日なのに相変わらず元気いっぱいですね」
上司の河野に肩をバシバシ叩かれた箇所を資料を持たない右手で払いのける。
「河野さんでしょう、この企画」
「そうそう、サメ男の日常を題材にしんたよ」
満面の笑顔で、サメ男の企画について語りかけてくる河野さんに苛立ちを感じるが、感情に負けて怒鳴りつけるなど態度で表したら負けだと自分自身の中で語りかける。
「河野さん、昨日俺に泣きながら電話してきたじゃないですか。」
サカバは急な血の匂いを察知してしまった。今このフロアには、サカバと女性である河野の二人っきりである。
「河野さん、スカートに血がついてますよ」
河野の耳元で囁く、河野は顔を赤らめてまた後で話さすとだけ言ってフロアから出ていった。
「1週間、俺絶対吐き気との戦いじゃん」
サカバは自分の机に頭を預け頭をかいた。
トイレから帰ってきた河野さんに近寄られたけど、血の匂いが濃厚過ぎて今にも吐き出そうな気持ちで一杯になる。
「河野さん、今すぐ在宅に切り替えませんか、じゃなければ俺が在宅したいです」
「私が今から帰宅して在宅に切り替える、その貴方に時間があれば通話したいの」
「別に構いませんよ自分は」
河野はPCをカバンの中にしまい、サカバは自分の今日のやる仕事を確認している中数名の社員がフロアに入って来きた。
基本このフロアの人は在宅で仕事している人が多いが、俺はまだ在宅は上司からの許可は得てない。先月この会社に入ってから日が浅いからだ。それにしても今日のタスク溜まり過ぎだろう俺。
カタカタとリズムをとりながらキーボードを打つ、右手でペットボトルを探しながらキャップを緩めマスクをずり落とし飲み物に口をづけ喉を潤す。
「お前の歯、凄く尖ってないかサカバちゃん」
サカバは口を咄嗟に隠す、横には同僚の櫻井和彦がジロジロとサカバの口を眺めていた。
「櫻井、見えた」
「おもいっきりな、すげーもっと見たい」
櫻井は子供のようにサカバをジロジロと眺める、サカバは眉間にシワを寄せながら唸って考える素振りをしている。
こいつに見せてもいいのか、だけどなこいつ純粋だしな、誰にも言わない約束と生まれた時からの設定にしようと思う。
「いいけど、さすがにここでは嫌なので今日俺の家に来てくれるならこの歯見ても構わないが」
「いいのか、仕事終わらせてお前の家に行く必ず行く。」
「おう、また後でな」
サカバはまた、仕事に戻った。そして今日の晩御飯刺身にしようと心に刻んだのだった。
2話は来週あげる予定です。