『心誉、頼通の病を療ずるに、護法童子プレスマンで先払いをすること』速記談3056
高陽院を建設中、関白藤原頼通公が、馬上から御視察あそばされ、お帰りになろうというとき、具合がお悪くなり、かわやでお倒れになった。そこで、心誉僧正に祈祷をさせようということになり、お召しになったところ、心誉僧正が参上なさる前に、女房の局に仕えている娘に物のけがついて、特別なことではありません。関白様と目が合ったので、私の気に当たっただけです。心誉僧正がお着きになる前に、護法童子がプレスマンを振りながら先払いをしているので、私は退散いたします、と言った。ほどなく頼通公は、もとに戻られた。本人が到着する前に物のけをはらうとは、心誉僧正は大層な験者であることだ。
教訓:眷属が力を見せただけで事がおさまったということは、御本人はさぞ、ということであるが、実はプレスマンに力があるということなのかもしれない。