思い出がそこに
置いてかれたリュウとハリーはアレックスを探そうとするも、村中の皆が集まる祭りの中でそう簡単に見つかる訳も無く、リュウはため息をついて、ハリーはそんなリュウをなだめている。
「仕方ねぇハリー、俺ら二人で祭り楽しもうぜ」
「え、でもアレックスは……」
「気付いたら後ろにいるとかあっから、大丈夫だよ」
髪の毛をかきながら遠くの方を見るリュウは、大丈夫と言葉と共にハリーを見て安心させた。
マントを深く被せて、はぐれぬようにリュウの服の裾を引っ張る様指示するとハリーは素直に応じで裾を軽く掴み、二人は歩き始めた。
何度も花火は上がり、人も増え始めた十九時。綿あめを食べながら建物の壁に寄りかかっている二人を、アレックスは大量の食べ物を抱えながらやってきた。
リュウはそんなアレックスの頭を拳で殴り、反省している様子を見せるアレックスに容赦無く怒り続ける。ハリーはマント越しでさえも分かるくらい笑っていた。
「さっきおっちゃん達に聞いたんだけどよ!! もう少しででっけえ花火が上がるらしいぜ!」
「へーでかい花火か」
「でもここじゃあまり見れなさそうだよ……」
三人がいるのは路地裏で、上を見上げればあんなに広い空が小さく見えてしまっている。花火がしっかりと見れる条件としては、高い所であり、空がよく見える所。
三人の身長も考えれば今この近くにその条件に合う場所は丘くらいしか浮かばなかった。普段ならバレぬよう建物の中に入って屋上や二階から見るのだが、今日は人も多くそれは不可能。
時間も迫ってきているこの現状、三人共頭を傾げて考えている。
「あ、あんじゃん!! 良いとこ!!」
「見つけたの?」
「おう!! こっち!!」
アレックスは目を見開きながら二人に伝えると走って人混みの中へと紛れ込んでしまった。
リュウは「おい!」と声を上げ、ハリーがはぐれぬよう手首を掴んでアレックスの後ろを追いかける。幸いアレックスが思いついた場所は遠くなく、人混みの中を走って一分、広場の中央にある噴水に着いた。
その噴水の真ん中にはハリーの父、エドワード・カリオスの像が建っており、高さは約6.5m、二階建ての建物と同じ高さと同等の高さになり、きっとアレックスはこの像のてっぺんに登る気なんだろう。
リュウとハリーは像を見上げた後、ゆっくりとアレックスのを見ると目をキラキラと輝かせて鼻息を荒くさせたアレックスがそこにはいた。
「なあハリー、アレックスの奴が何考えてるか今なら分かるよな」
「五歳の頃から一緒にいると、こういうのは直ぐに分かっちゃうね」
アレックスは二人の手首を掴み、村の子の中で一番力があると言われている実力を見せるように二人を引っ張れば噴水の中に足を踏み入れた。




