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少年達の冒険記  作者:
1/11

ここはドムス村

 鷲が一匹、空を飛んでいる。鋭い瞳を光らせ、優雅に飛んでいるかのように見せかけて獲物をじっくり探しているようだ。

 鷲は瞳の中心に獲物を捕らえ、一直線に向かえば見事刃のような口先で獲物を挟んだ。


「す、すっげぇ〜!!」


 そんな自然界の食物連鎖を草むらに隠れて観察していた少年、アレックスは瞳をキラキラと輝かせ鷲に気付かれぬ様に感激していた。


 鷲は獲物を口先で挟んだまま大きな翼を広げてどこかへと飛び去り、それに続いてアレックスは草むらから飛び出して空へと高く飛ぶ鷲をただ見上げている。


「アレックスはまた森ん中にいっちまったのか?」

「あぁ、また動物でも観察してんだろ」


 人間以外を見るのなんて当たり前。むしろ、人間を当たり前だと思っている方が不思議だと言われてしまうこの世界。広い海に広い大地に広い空、世界地図なんて書こうものなら生涯を全うするだろうと言われる程広い世界。


 空にも海にも地の中にも生きている者達がおり、町や村がある。そんな広い広い世界のどこかの人口たった五百人のドムス村では、今夜祭りが開かれる。

 全体の半分が老人であるこの村は、残りの三割が大人、残りの二割が子供と非常に偏った比率となっている。


 そんな中、村の住人の口から名が上がったアレックスという男、男と言うよりも、男の子と言う方が正しいだろう。

 アレックスは村にいる子供の中で一番体が大きく、力がある子だ。母親と二人、五歳の頃に村に引っ越してきたアレックスは、母親の手を掴むのに背伸びが必要だったのにも関わらず、現十二歳にして160cmを超えた。

 肌は黒く、髪は短髪で金色、瞳は世にも珍しい橙色をしている。


 先ほど述べた通り、この村の半分は老人である為に子供ながらも力がある子は本来大人がやる様な事でもやらなければいけない。アレックスはその中でも一番頼りにされている子だ。


「アレックス! どこ行ってたの!」

「いって! 森に遊びに行ってたんだよ! 叩く事ねえじゃん!」

「村の皆さんがお祭りの準備してるってのにあんたったら……早く手伝いに行きなさい!」

「うわっ! はい!」


 鷲を見上げていた少年、正しく彼がアレックスだ。村から少し外れた家に住むアレックスは、先程見た鷲の話を母親にしようとウキウキで帰ってきたものの、祭りの手伝いをせずに森に行ってしまった事を酷く怒っておりアレックスは頭を叩かれ急いで広場へと向かった。


 年に一度の祭り、道端でぐーたら寝ている小太りの男も、常に夫の愚痴をこぼしている主婦達も、祭りの準備の時にはウキウキと笑顔を見せながら動いている。

 広場に着いたアレックスは周りの大人達に混ざる前に広場を見渡し、建物の影に隠れて広場に背を向ける一人の少年を見つければ、少年に見つからぬ様そーっと近付いた。

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