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色彩女王シリーズ

白と黒の戦い、災害が通りすぎた後には何も残さない

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/07/20



 黒の女王は微笑んだ。


 白の女王も微笑んだ。


 二つの存在は、似て非なるもの。


 互いが敵で、互いが同志。


 けれど、その道は決して交わる事がない。


 一時的に道が交わったとしても、過去という時間の存在が、一つになって歩む事を許さない。





 黒の女王は、世界を守りたかった。


 自分が生まれ育った世界を何が何でも守りたかった。


 ユートピア。


 何でも願いが叶う素晴らしい町。


 ユートピアは、黒の女王の生命力で動いていた。いつか女王の命がつきるまでの楽園。


 黒の女王は、なによりもその世界を愛していた。


 だから、襲い来る者達から民達を守り、必死で戦った。


 しかしある時にやってきた存在、白の女王が全てを壊した。


 黒の女王は白の女王を憎み、どこまでも追いかけた。


 いつかその心臓を壊すまで。


 黒の女王は死ねないし、死ぬことを許さない。





 白の女王は、世界を壊したかった。


 自分を利用し、裏切った世界。


 内に秘めた壮絶な破壊の力は、存在するだけでエネルギーを生み出すから。


 多くの人を富ませていた。


 しかし白の女王はそれが許せなかった。


 全てを壊し、そして旅立つ。


 その宇宙のどこかに、故郷と似て非なる世界が存在すると知って、求め続けた。


 いくつもの可能性が分岐した、違う世界。


 見つけた白の女王は憎む、それすらも許せない。


 だから壊して、壊して、ずっと壊しまわっていた。


 その途中でやりあった黒の女王とは、力が拮抗していたため、決着がつかない。


 二者は、何度も出会い別れる事になった。






 黒の女王、白の女王。


 二つの存在は敵だけれども、同志であった。


 誰にもその戦いを邪魔させたりはしない。


 二人はいつもそう思っている。


 だからいつか、それが二つの女王の存在目的となった。


 やがて、いくつもの世界が壊れて、再生した頃、まったく知らない存在が住み着いた。


 邪悪なる影。


 黒の女王は影を倒そうとして、白の女王も影を倒そうとしたが、どちらも倒しきる事はできなかった。


 二人の女王は、互い以上の力である影に苦戦を強いられる。


 だから、手を組むことにした。


 敵であり、同志である二つ。


 二人の女王は力を合わせてこれを撃退。


 邪悪なる影は別の場所、遠くへとおいやられた。


 邪魔者がいなくなった女王たちは、互いに最後の力を出して、勝敗を決める。


 白の女王が、白き息吹で全てを凍らせ、黒の女王は黒の嵐で全ての時を止めさせる。


 二つの王の力が縦横無尽に炸裂し、その結果いくつもの世界が巻き添えをくらい、大破壊が起きた。


 たくさんの生命が、消え、命の火を消していった。


 そこにはもはやかつての白の女王の目的も、黒の女王の目的も存在しない。


 やがて、最後に立っていたのは、どちらでもなかった。


 大破壊をまねいた女王は、どちらも互いの心臓を破壊していた。


 彼女達は消えていく。


 破壊尽くされた世界の中で、何を残す事もなく。


 ただ、互いの満足だけを胸に刻んで。



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