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ロード・レゾナンス  作者: 暁月
6/6

黒の王の再誕 伍

 夜空side


 俺が家に帰って晩飯や風呂を終わらせ皿洗いなどをしていると急にスマホから着信が鳴った。俺は、一度皿洗いを中断してスマホをとった。


「誰からだ?」


 スマホを見るとそこには、マスターと書かれていた。俺は、どうしたんだ?と思いながらスマホを、耳に当てると。


「夜空君!!」


「はい!どうしたんですか?マスター。落ち着いてください。」


「これが落ち着いてられないよ!ソフィアちゃんが帰ってこないんだ!!」


 マスターの焦っている言葉に俺は。


「ソフィアが帰ってきてないって、どう言う事ですか?」


「言葉通りだよ!?コンビニにデザートを買ってくるって言ったまま一時間経っても帰ってこなくて!!それで、夜空君に電話したんだよ!」


「一時間もですか?」


「そうなんだよ!それで今、探してるんだけど見つからなくて!」


「わかりました。俺も探します。見つけたら連絡します。」


「お願い!」


 と言い。マスターは、電話を切った。そして俺は、家の電気などを切って家の鍵を閉めてソフィアを探し始めた。


 夜空がソフィアを探し始めた頃、とある廃工場に二つの人影があった。


「何故!!お前がここに居る!!」


 と言った。その人影の内の一人は、ソフィアであった。ソフィアは、もう一つの人影に向かって叫んだ。


「なんだ?俺様がこの国に居るのがそんなにおかしいか。」


 もう一人は、金髪赤目の男。その男は、ソフィアに向かってそう言った。


「答えろ!!アレクシア家の裏切り者、ロイド・アレクシア!!」


「答えろね〜。お前が思ってる通りだよ。俺様が、この国にいるのはお前が理由だよ。なぁ、半端者、ソフィア・アレクシア。」



 その男、ロイドは、ソフィアの質問にそう言って答えた。ソフィアはロイドの答えを聞いても怒りの表情を浮かべながらロイドを睨んでいた。


「やはり、狙いは私の抹殺か。」


「まぁ、当然だな。アレクシア家は、人魔大戦の時に闇の一族の家系でありながら白の王を裏切り黒の王に味方したんだからよぅ。その家系の生き残りであるお前を本家が放っておくはずがない。」


「お前が、その情報を本家に知らせなければ!!」


「お前の母親に下等生物の父親は死ななかった。アレクシア家は、滅びなかった。とでも言いたいのか?」


「その通りだ!何故、本家にその情報をバラした!?」


「簡単だよ。半端者であるお前が、俺様を差し置いて次期当主に任命されたからだよ!!」


 ロイドは、怒りの表情を浮かべながらソフィアの質問に叫びながら答えた。

 その答えにソフィアは、唖然としながら。


「…そんな…理由で、アレクシア家を本家に売ったのか。」


「ああ、その通りだ!だが安心しろよ。半端者。」


「何だと?」


「アレクシア家に伝わる当主だけが持つ事を許された黒の王の遺産「黒の秘宝」については、本家にも話しては無い。」


「「黒の秘宝」!本家に話しては無いと言う事は、最初からそれが狙いかロイド!!」


「当然だろ。俺様たちの本家が崇拝する白の王を追い詰めたあの黒の王の遺産、欲しく無いはずが無いだろ。」


 その後に続いてロイドは、ソフィアに向かって。


「後は、お前だよ。半端…いや、ソフィア・アレクシア。」


「どう言う意味だ。お前は、本家の命令で私を抹殺しに来たのだろう。」


「俺様はな、お前が欲しいんだよ。確かにお前は、半端者だがお前のその美貌にお前の白の王と同じ「構築」の異能。もしお前が、俺様の物になって「血の契約」をするなら俺様が本家に頼んでお前の命が助かるように言ってやる。」



 ロイドは、ソフィアに向かって言った。その言葉を聞いたソフィアは、ロイドを見て。


「断るよ。」


「…はぁ?」


「聞こえなかったのかい、断ると言ったんだよ。少なくとも父と母が死んだ根本的な原因になったお前に母から託された「黒の秘宝」を渡すつもりは無い。そして私の「血の契約者」は、私自身が決めるお前の物になるつもりは無い。」


 ソフィアは、ロイドに向かってはっきりとそう言った。ソフィアは、言葉を口にした後に自身の母との話を思い出していた。


 三ヶ月前


「母さん、今、大丈夫?」


「大丈夫だけど、どうしたのソフィア。」


 ソフィアは、十人中十人は振り返るであろう美人な女性、自身の母であるレイラ・アレクシアに聞きたい事があり探していた。

 レイラは、ソフィアが聞きたい事があるとわかって疑問に思いながらも自室に誘った。自室に着いて中にある椅子に座らせた。  

 

 するとソフィアは、レイラに向かって。


「母さんは、どうして父さんを選んだか聞きたくて。」


「私が、海斗を選んだ理由?」


「うん。だって父さんは、人間で母さんは、吸血鬼だよ。それに私たち闇の一族は、人間の事を食糧だとしか考えてるからどうして母さんが父さんを選んだのか聞きたくて。」


 その質問にレイラは。


「成程ね。」 


 と言いその後にソフィアに笑顔を向けながら。


「そうね、私が人間である海斗を、選んだ理由は。」


 ソフィアは母であるレイラの言葉に耳を傾けながら。


「選んだ理由は?」  


 娘であるソフィアのその様子にレイラは笑いながら。 


「私と海斗の秘密♪」  


 とウィンクしながら言った。 

 その言葉を、聞いたソフィアは目を見開かせながら母に向かって。


「それは、無いんじゃないかな。教えてくれたっていいじゃないか。」


 それを聞いたレイラは、慈愛を浮かべる顔で大切な娘の頭を撫でながら言った。


「ソフィアにもわかるわ。私が海斗と出会ったように、いつかあなたの前にもあなたを、守ってくれる人が現れるわ。」 


 と言いレイラは、ソフィアに向かって。


「ほら、もう遅いから学生は、早く寝なさい。」 


 と母の言葉を聞いたソフィアは、返事をしながら部屋を出ていった。自分の部屋に戻っている途中にソフィアは、母であるレイラが言った言葉を頭の中で思い出していた。 

 

「(ソフィアにもわかるわ。私が海斗と出会ったように、いつかあなたの前にもあなたを、守ってくれる人が現れるわ。)」




「(母さんがどうして私に、そんな言葉を言ったのかわからない。結局、母さんが父さんを選んだ理由もはぐらかされたし。多分だけど父さんに聞いても同じ答えが返ってくるだろうしね。)」


 と思いながら自分の部屋に戻って行った。この時、ソフィアは思ってもいなかった。その二ヶ月後にアレクシア家から裏切り者が現れる事、そしてその裏切り者に、よって母であるソフィアと父である海斗が殺される事、父の親友である西狐野六輔に救われる事、そして、日本と呼ばれる地で母の言った言葉を理解し――で―――な人が出来ると言う事を今のソフィアは、知るよしも無かった。



 




 




 









 








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