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ロード・レゾナンス  作者: 暁月
5/6

黒の王の再誕 肆

 ゴブリンに襲われた翌日。夜空は正義と灯の2人と一緒に登校していた。


(昨日の出来事は、やっぱり夢じゃないよな。)


「お…、夜…?」 


(実際にアレクシアが、昨日してくれた手当ての跡もある。)


「お〜…、く…峰君?」


(アレクシアが吸血鬼と人のハーフである事もそうだか、架空の生き物が存在している事とか。頭がパンクしそうだ。)


(今日は、マスターの所に行くか。マスターには、今日のバイトを休めって言われているけど客としてなら行ってもいいだろう。実際、マスターにはまだ聞き…「おい、夜空!!」た…いこと…が。)



 夜空は昨日の事を考えており正義と灯が名前を読んでいる事に気付かなかった。正義が、大声で夜空の名前を呼んでようやく夜空は気がついた。


「どうしたんだ、夜空? 名前を呼んでも全く返事が無かったぞ?」


「えっ、あぁ…すまん。すこし考え事をしてて名前を呼んでいる事に気付かなかった。」


「体調でも悪いの、黒峰君?」




 正義に、気付か無かった事を言った。その後に灯が夜空の体調の心配をした。


「いや、大丈夫だ。気にするな。」


「まぁ、夜空が大丈夫ってなら気にしないが。調子が悪いなら言えよ。」


「正義の言う通りだよ、黒峰君。」


「分かってる。正義も宮下も心配しすぎなんだよ。」


 夜空の言葉に正義と灯は渋々納得した。その後は、他愛のない話をしながら学園に向かった。


 学園に着いた夜空たちは、教室に向かった。教室に入った後、夜空はソフィアがすでに登校していることに気付いて自分の席に着いた後、夜空はソフィアに向かって。


「よぅ、アレクシア。おはよう。」


「どうしたんだい、黒峰君?」


「どうしたって、おはようの挨拶をしただけだろ。」


「あぁ、そうか。おはよう、黒峰君。」


「おう。」


 夜空がソフィアに挨拶をした後にソフィアは、疑問に思っていたが夜空に向かって言った。その後に夜空の言葉を聞いたソフィアは、納得して夜空に挨拶を返した。


 するとそれを見ていた、正義と灯が夜空に向かい。


「どうしたんだ、夜空?」


「正義の言う通りだよ、黒峰君。本当に大丈夫?」


「おい。どう言う意味だよ?正義、宮下。俺が、アレクシアに挨拶した事がそんなに異常か?」


「だって、夜空。お前が昨日、屋上でアレクシアとは必要最低限の言葉でいいって言ってただろ。それにお前、挨拶って言ってもアレクシアに挨拶してなかっただろ。」


「そうだよ。少なくともこの一週間、アレクシアさんに朝の挨拶もしてなかったよ、黒峰君。」


 その言葉に夜空は。


「ま…まぁ、お前らの言う通り。今までは、挨拶してなかったが流石にバイト先のマスターの世話になってるアレクシアに挨拶しない訳にもいかないだろ。」


「えっ!!アレクシアさんってマスターの知り合いだったの!!」


「成程な、お世話になってるマスターの知り合いなら、夜空が挨拶してもおかしくないな。」


 夜空の言葉に灯は驚き、正義は納得したように言った。その後に灯はある事に疑問を持ちソフィアに向かい。


「あれ?でもアレクシアさんは、何でマスターにお世話になってるの?」


「確かに。アレクシアは、家の事情で日本に移住してきたんだろ。何でマスターの世話になってるんだ?」


 その2人の疑問に夜空も疑問に思っていたが、今まで話を聞いていたソフィアがその疑問に答えた。


「日本に、移住する前に両親が事故で亡くなってね。その後に父上の遺言に日本にいる自分の親友を頼れと書いてあってね。その人が、黒峰君のバイト先の店主でもある狐西野六輔って人なのさ。」


 その答えに3人は。


「ごめんさい、アレクシアさん。何も知らないで聞いちゃって。」


「すまなかった、アレクシア。流石に失礼だった。」


「悪りぃ、アレクシア。辛い事を言わせてすまねぇ。」


 ソフィアは、3人の謝罪を聞いて。


「いや、気にするな必要は無い。私も両親が亡くなった時は、悲しんだがいつまでも悲しんではいられない。」


「なぁ、アレクシア。もしかしてマスターが2週間も、店を休店してたのはお前を、迎えに行くためか?」


「あぁ、黒峰君の言う通りさ。後、一つ黒峰君たちにお願いがある?」


「何だ?アレクシア。」


「私の事は、ソフィアでいい。アレクシアは長いような気がしてね。君たちには、名前で呼んでほしい。」


 と言うソフィアのお願いに3人は。


「いいぞ、それじゃあ俺の事は夜空でいい。これからよろしく頼むソフィア。」


「俺も構わないぞ。それなら俺の事も正義と呼んでくれ、ソフィア。」


「私もいいよ。私の事は、灯って呼んでねソフィアちゃん。」


 3人の言葉にソフィアは、嬉しそう顔をして。


「あぁ、これからよろしく頼むよ。夜空君、正義君、灯ちゃん」


 ソフィアのそう言った時にホームルームの鐘が鳴った。後ろを向いていた正義と灯は、前を向いた。ホームルームが終わり授業が始まると夜空は、ソフィアにノートである事を聞いた。


  

 「(なぁ、ソフィア。お前が昨日、俺に手当てした時に使った塗り薬って何かあるのか?今日、包帯をとったら傷が治りかけていたんだが。)」


 ノートを見たソフィアは。


「(あぁ、あの塗り薬は、六輔さんが言うには日本にいる魔人族の「河童族カッパ」が作る薬らしい。河童族は、薬作りに置いて有名な一族だ。)」


 それを見だ夜空は。


(河童ねぇ。いや、河童って確かに昨日の事でそう言う架空の存在がいる事はわかったけど。)


 ノートにある事を書いてソフィアに見せた。


「(なぁ、ソフィア。今日の放課後にお前の家にお邪魔していいか?)」


「(それは構わないが、昨日の事で聞きたい事でもあるのか?あまりおすすめはしないが。)」


「(あぁ、関わったからな。それに昨日のゴブリンは、俺を食おうとしてただろ他にも人を食う魔人族がいるんじゃ無いのか疑問に思ってな。)」


 それを見たソフィアは。厳しい表情をしながら。


「(あぁ、夜空君の言う通り。小鬼族、以外にも人を食う魔人族はいる。分かった、今日の放課後に家に来るといい。六輔さんには、私から連絡しておこう。)」


「(ありがとう、悪いな無茶いって。)」


 夜空は、ノートに書き授業に集中し始めた。


 〜〜廃工場〜〜


 グチャ…バキッ…。


 何か食べている音が廃工場に響いていた。その音の正体は、人を食べている1体の異形の存在とそれを見て女の遺体から血を啜っている人の姿をした人外だった。


「オトゴノニ…グカダイ…。」


「我慢しやがれ。こっちだっで死んで新鮮さも無い血を啜ってんだ。ちっ、こうなるなら女だけでも生かしとけばよかったな。」


「デモ、……ザマ。ホン…ドウニコノクニニイルンデス…カ?」


「あぁ、確実にいやがる。あの半端者を最期に見た。俺の一族の本家があの半端者は、この国にしかいない妖狐族に、助けられたと言っていた。必ず見つけだして、俺様のモノにする。俺様たちの家系の当主にしか伝えられない家宝もそして美しい美貌を持つ半端者ものな。ハッハッハッ!!」


 〜〜龍泉学園、放課後〜〜


 放課後になり夜空は、ソフィアと共に「Destiny drop」に向かっていた。正義たちには、今日も用事があると言って学園を出た際に別れた。


「なぁ、ソフィア?」


「何だい、夜空君?」


「お前、両親が亡くなって日本に移住したって言ってたけどよ人間の父親なら分かるが吸血鬼の母親が事故で亡くなるのか?」


「……夜空君。君は、鋭いね。君の思っている通り両親は、事故で亡くなったんじゃ無い。たがその事は、君には、関係は無いよ。」


 夜空は、その事を聞いて。ソフィアを見るとソフィアは、辛そうな表情をしていた。


「そうだな。悪い。」


 「Destiny drop」に着いた2人は、裏口の方に周り家へと入っていった。その後は、学園の宿題をしながら店が閉店するのを待っていた。


 

 〜〜閉店後〜〜


 店が閉店して明日の仕込みが終わり家へと戻ってきた六輔が夜空とソフィアを見ながら。


「家に来るって事は、ソフィアちゃんから連絡がきたから知ってるよ。それで夜空君は、何を知りたいんだい?」


 その問いに夜空は、真剣な顔をしながら六輔の方に顔を向けて。


「俺が知りたいのは、昨日の続きです。人を食う魔人族が昨日のゴブリンだけとは限らないと思ってます。だからこそ知りたいんです。魔人族の事を。」


「わかった。いいよ教えてあげる。」


 と夜空に向かって言った。席に座った2人を見て六輔は。


「まぁ、昔の事になるけど。遥か昔、まだ人と魔人が共存していた時代があってね。その時代に起こったある戦争が今の状況を作ってるんだ。」


「ある戦争?」


 六輔の言葉に夜空は、疑問をもちながら言葉にした。


「そう。人と魔人、魔人と魔人、そして王と王の戦い。その戦いを今の時代では、こう呼んでいる。「人魔大戦」とね。」


「人魔…大戦。」


 六輔が言った言葉を夜空は、口にした。


 そこからソフィアが説明を始めた。


「「人魔大戦」とは、ある2人の王から始まった戦争ことさ。」


「2人の王?」


「あぁ、その2人の王はこう呼ばれていた。「黒の王」と「白の王」と。2人の王の考えは、正反対だったんだよ。黒の王は、人間と魔人の共存の考えに対して白の王は、魔人が、全てを支配すると言う考えだったのさ。」


 それを言うと六輔が説明の続きを言い始めた。


「そこから世界を巻き込む争いが起こり始めた。黒の王に味方するは、人間と人間に友好を持つ火、水、風、土、光の一族を筆頭にした、魔人族たち。逆に白の王に味方したのは、人間を食糧だと考える闇の一族を筆頭にした魔人族。この争いは、王の戦いを軸に長きに渡り続いた。そして決着が着いた。勝者は、黒の王。」


 六輔は、言った。そして。


「だが、黒の王は白の王に勝ったが白の王に後一歩といった所で白の王は、自身を異次元に封印し眠りについた。そして白の王は、眠る前に黒の王に言った。「長い時の果て。私は、必ず目を覚ます。その時こそ私たち、魔人が世界を統べる。」と言い残して長い眠りについた。そして黒の王のは、白の王との戦いで自身の、命の灯火ご消えている事に気付いて人間と味方した魔人族にこう言ったらしい「いつの日か、白の王は目覚め世界を巻き込む争いを始めるだろう。その時まで歴史に隠れて、人間を食う魔人族から人間を守り力をつけろ」と言って黒の王は、力尽きた。そして世界は、二つに分かれたのさ、表の世界は人間の世界。裏の世界は、魔人と、魔人族の事を知る人間たちの世界になったのさ。」


 その説明を聞いた夜空は。


「そんな、すごい戦いがあったのか。それに黒の王って魔人族なんですか?」


 その質問に六輔は。


「いや。黒の王も白の王も人間だよ。」


「えっ、じゃなんで自分たちが、魔人なんて言い方してたんですか?」


「黒の王と白の王が異能者だからさ。」


「異能者?」


「異能者って言うのは、普通の能力者じゃ無い力「異能」と呼ばれている力を持った者たちの事でね。この異能は、発現する確率が低すぎるのさ。昔は、異能を持っている者を恐れてその力を持っている者は、人間じゃないと言う考えだったのさ。裏の世界にいる者たちは、能力に目覚める。それを「能力者」と呼ぶんだけど、その能力を超える力が異能と呼ばれる力。そしてその異能を持つ者を「異能者」と呼んでいたのさ。」


「じゃあ、今の裏の世界にも異能者はいるんですか。」


「いるよ。君の横にいるね。」


「横?……ソフィアが異能者だと!!」


 驚く夜空にソフィアが。


「あぁ、六輔さんの言う通り。私は、異能を持っている。異能者だ。私の異能は、「構築」と言う力さ。」


「構築?」


「構築とは、形を造ると言う意味だ。私は、魔力や自然などに構築の力を使う事で好きな形を作り出すことができる。」


「もしかして、昨日の夜のソフィアが持ってた紅い剣が構築で作った物なのか?」


「夜空君の思っている通り。」


「じゃあ、黒の王と白の王の異能ってなんなんですか?」


 六輔に質問した。六輔は、夜空に向かって。


「う〜ん、僕も詳しくは、知らないけど。確か白の王が「破壊」とソフィアちゃんと同じ「構築」と呼ばれる二つ異能で黒の王が「魔装」と「再生」の二つの異能のはずだよ。」


「へぇ〜、破壊や再生の意味は、分かるけど魔装ってなんですか?」


「魔法には属性があってね。火、水、風、土、光そして闇の六つの属性がある。黒の王は、その六つの属性のどれかを選びその魔法を見に纏う事で戦闘衣装を作り出す事ができたのさ。そしてそれが魔装の力らしい。」


「成程。」


 そして夜空は、時計を見て。席を立ち、鞄を持って。


「今日は、説明してくれてありがとうございます。そろそろ時間なので家に帰ります。」


「わかった、気を付けて帰るんだよ。」


「それじゃあ、夜空君。また明日、学園で。」


「あぁ、また明日。お邪魔しまたした。」


 と言い。夜空は、家に帰って行った。



 





  




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