#AV新法に反対します なツイートが流れて来て思うこと
タイトルまんまです。
リンクなど貼ってませんし、あまり推敲せずに書いたために、読みにくかったら申し訳ありません。
新法反対タグに反対する方を批判していますが、批判されている方の考えも同意出来る部分はあると思っています。
フェミニストや性癖などに問題を矮小化せずに捉えていくことが肝要では無いかと愚考して筆を取った次第です。
成人年齢の引き下げが発端で、未成年者取消権が18歳19歳の若年者に適用されなくなることでおこりうる被害の防止を目的としてスタートした被害者立法の法案審議が、被害者支援団体に待ったをかけられて、要望書が提出されています。
この支援団体が発起人となり、「#AV新法に反対します」のタグが拡散していますね。
これには賛否両論が走っていますが、先程、私のTwitterアカウントにもこのタグのツイートが流れて来まして、改めて、法案骨子案、支援団体の要望書双方を全文読んで見たんです。
まず、議員立法の骨子案としては
性交渉を含む作品に男女年齢問わず「本人の自由意思」が尊重されて、「強要」や「契約反故」による被害者を出さないことを目的としていると感じました。
契約内容の徹底、契約時から撮影、製品化、販売にそれぞれクールタイムをおいて、出演者がいつでも「無償」で「現状回復」出来るようにする。
正直、これだけでもかなり斬り込んだ内容ですから、まずはこれを法制化して足掛かりとすると考える議員の気持ちもよくわかりますね。
対して、要望書の内容を見たとき、スカウトの問題や現場で契約内容と異なる撮影がされることへの監視強化、出演者側が契約内容と異なると感じた時に撮影を拒否出来るようにするなど、とても被害者の言葉に寄り添っていると思いました。
要望書にたいして、反対を唱える方は、要望書が個人の性癖に根差したプレイ内容まで犯罪扱いしていると論じていますが、私はこれは違うと思いますね。
個人の性癖がいきすぎた傷害行為などで無ければ認められるもので有るべきだと言うのは理解出来ますが、要望書において、そうした行為の撮影に言及しているのは「演技」と「行為」の境目があやふやなことへの明確な批判でしょう。
本番行為をしているように「演技」させて、モザイク処理などで擬似的に「行為」が行われているように見せるなら問題ないが、実際に「行為」を行うことが認められては、今までは売春や人身売買ではないとグレーゾーンだったところが、条文で合法化されてしまうと危惧している訳ですね。
要望書では、若年者、経済困窮者、性的被害者、発達障害者などが、スカウトによって契約を理解しない、または契約者と依存関係に陥る、心身の問題から契約を正しく結べないなどの状況で搾取され、結果として自殺などに追い込まれていると訴えていますね。
法案骨子案は「職業選択の自由」を担保しようとしていますが、それを利用して騙し、巧みに契約させている実態には無力だと要望書は唱えているんだと思います。
要望書に反対の人たちは
「フェミニストが性癖を規制したがっている」
とバッシングしていますが、違いますね。
「未成年取消権の問題から外れている」
という批判については、要望書はそれも含めて包括的に「被害者」救済と「被害」の撲滅を考えていると思います。
ただ、法案骨子案以上に斬り込んだ内容ですから、これを早々に通すのは難しい。
それでも、「本番行為」を「映像作品」としない。「本番行為」を禁止して、あくまでも「演技」とすべきという主張はよくわかります。
ツイートで見かけましたが、殺人行為を「演技力」でドラマにするのは合法だが、ドラマ撮影で実際に殺人したら「ただの犯罪」だとおっしゃるツイートをみましてね。引用するのに元ツイートが見つからなくて、載せられず申し訳ないのですが、これが要望書の本質のひとつを的確に捉えてますよね。
本来なら、違法であるべき撮影行為がグレーゾーンで許されていた。お金のため、興味があるから、有名人になりたい、様々な理由で「自ら」参加したとしても、望んでいない「プレイ」の撮影を強要されることもあり得るわけですし、契約などで騙されることもあり得る。
要望書に嫌悪感を抱く人たちの「女性の自由意思を無視している」という気持ちもわかりますが、要望書を良く読めば「自由意思」を奪われて搾取されている被害者の救済が無ければ、そうした「出演者」の尊厳を男女年齢問わず守れないことがわかります。
長年にわたって、性的搾取の問題により、自殺などの被害者を出し続けた業界の健全化のために、そしてポルノというコンテンツの保護のためにも、この問題は、フェミニストの権利主張が気持ち悪いとか、政府の対応が緩すぎて駄目だと一刀両断するとか出なく、時間をかけても、着実に前に進めていかなくてはいけないと思いました。
要望書の内容をどこまで本法案に反映できるか、それをどれだけ丁寧に周知できるか。
また、官民ともに弱者支援の輪をひろげて、セーフティネットの網から溢れる方が出ないように対策して行かなければいけないのだと痛感しましたね。
難しい問題ではありますが、この問題は「女性」に限らずに性的搾取される全ての被害者を対象にしていると考えるべきであり、そして自己申告と申請に頼った弱者支援制度の難しさも露呈していますから、もっと社会全体の問題として、考えるべきかもしれませんね。
感想、批判お待ちしております。