36 部屋に到着。
広間を出てから私たちは3階程上がったところにある部屋にたどり着いた。
ダチェットがアディック卿から指示を受けていたらしい。
ダチェットが扉を開けてくれ、中にはいった。
部屋の中央に長い机があり、燭台と花がその真ん中を飾っている。
白いテーブルクロスがかけられ、並んだイスの前には食器やクロスなどがきちんと準備されている。
それを見た私のお腹がきゅるるっと小さくなった。
「あ、いや。これはその」
「そういえばそろそろ昼食の頃か。陛下たちはまだ時間がかかるだろうが、待てるか?」
ダチェットが心配そうに聞いてくれるが、出来ればこういうときは聞かなかったことにしてほしかった。
「大丈夫。ちょっと音はしたけど、そんなにお腹空いてない」
「我は腹が減った!何かつまめるようなものはないのか?」
「そうだな。待つ間に茶でも飲めないか聞いてみよう」
足元で伏せったカルラの要望にアンバーくんが応え、城の人に伝えるため部屋を出る。
「ところでダチェット。ここには誰が来るんだ?」
カルラが首をもたげて机の方を見る。
机に準備されたところを見ると、10人が食事をするようだ。
「あぁ、多分さっき壇上にいた陛下のご家族と聖女様、シャロッツさんとベルモア卿と恵梨香。あと俺だと思います」
「え!?陛下の家族と食事!?めっちゃ緊張する。やだなぁ」
「俺も嫌で断ったんだけど、ほら。聖女様が婚約しただろ?あれでどうしてもっていわれてさ」
「ああ、そうだね。それじゃ断れないよねぇ」
「おい、それでは我のぶんがないではないか!」
カルラに言われてもう一度机の上を見た。
準備は10人分。
陛下の家族は、陛下とお妃様、それに皇子が3人。
有紗と私。
アンバーくんとシャロッツとダチェット。
これで10人分だ。
「本当だね。あれ?アディック卿の分もない」
「カルラ様の分は聞いてないけど、アディック卿は陛下の執事でもあるからなぁ。一緒には食べないよ」
「そんなことはどうでもよい!我の分はどうなる!」
わざわざ起き上がってカルラはダチェットに抗議する。
けれど、これを用意したのは陛下たちだ。
ダチェットにいったところでどうにもならない。
「ダチェットにいっても仕方ないよ。陛下が来たら用意してもらえるか聞いてみよう」
そう言うとカルラは納得したように鼻をならすとまた寝そべった。
カルラはご飯食べられるのでしょうか。
ブクマ、評価ありがとうございます!
次話はちょっとのんびり回が書きたい。




