22 カルラの忠告。
陛下の部屋を出たカルラは恵梨香のもとへと向かった。
恵梨香の部屋に入ると、窓に面する位置におかれたベッドで、寝息をたてて恵梨香が眠っていた。
カルラはそのそばに腰を下ろすと、その寝顔を眺めていた。
しばらくたって、恵梨香がモゾモゾと動き始めた。
カルラは腰をあげると、恵梨香に話しかけた。
「恵梨香、起きたか?」
「んいやぁ、……起きてない……」
布団からのぞいた顔は、目をぎゅっとつぶっている。
「そうか」
カルラはまた腰をおろした。
「んうぅ……。いや、誰!?」
知らない声に私は飛び起きる。
そばに座っていたカルラが、何やってんだ?というかおでこちらを見ていた。
「起きたか?」
「え、今しゃべったのカルラ?」
「そうだ。我が喋れるのは知っているだろう?何をそんなに驚く?」
そういえば、カルラがしゃべっているのは聞いたことがあった。
「で、でも、あのときはカラネミの言葉だったんじゃ……」
「あれはカラネミ様の言葉を我が恵梨香に伝えただけだ。声を発していたのは我だ」
「そういえば、口調とか違ったような……」
あのときのことを思い出していると、カルラがベッドの上にあがって、上体を起こしていただけの布団がかかった私の足の上に寝そべった。
「そんなことはどうでもいい。恵梨香、体の不調はないか?」
「え?…大丈夫。なんともない」
「そうか。先ほどな、デオドラたちと話をした」
「デオドラって、国王陛下のこと?」
「そうだ。恵梨香、お前にはきちんと伝えねばならんことがある」
そういってカルラは先ほどのお茶会での話を私にしてくれた。
私はそれを黙って聞いた。
聞き終えたあと、どうしても気になったことをカルラに聞いた。
「カルラ……どうやって、お茶飲んだの?」
「……話を聞いた質問がそれか?そんなことはどうでもいい。恵梨香が気にしなければいけないのは、我との契約の方だろう」
カルラは大事な契約の話をスルーされたことが不満だったようで、ふくれてそっぽを向いてしまった。
「ごめん、ごめん。それより、契約って何?そんなのしたっけ?」
「……契約とは、我と恵梨香の主従関係のことだ。我は今までカラネミ様の眷族であったが、今は恵梨香の眷族となっている。デオドラたちには話していないが、恵梨香は神格化しかかっている状態で、非常に不安定な状態でもある。恵梨香を支えるために我は恵梨香の眷族となったのだ」
「神格化ってどういうこと?」
「我の手当てをする際、我の血と、カラネミ様の女神の力が恵梨香の中へ入り込んだのが原因だ。恵梨香は今、女神に近い状態だ」
「へー、そうなんだ」
「あまり驚かないのだな」
「いや、女神とか言われても実感無いしね。別に大したこと無いでしょ?」
私がそういうと、カルラはため息をつきながらニヤリと笑って言った。
「人間が女神になるなどあり得ないことなのだがな。恵梨香といると退屈せずにすみそうだ。まぁ我からは以上だ。これからよろしくな、主よ」
「よろしく、カルラ!けど、主はやめてね」
「分かっている。……恵梨香、1つ覚えておいてほしいことがある。良きこととは、誰にとっても良きこととは限らない。人によっては善意に悪意を重ね見ることもある」
何をいってるのか良く分からなかったけど、とりあえず返事をしておいた。
「う、うん。わかった……」
「ふ、分かってないだろ?まぁいいか……」
カルラがいったこと。
ちゃんと理解しておくべきだったと、このときの私は分かっていなかった。
それが、あんなに後悔することになるとは、思っていなかった。
長い一日がやっと終わりました!
明日から恵梨香と有紗の2人の進む道が分かれます……。
頑張って恵梨香ちゃん!
ブクマ、評価ありがとうございます!




