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2 町を探そう。


「何これ。……どうなってんの?」


私が呟いたのを聞いて、有紗が目を開けた。


辺りを見渡し息を飲んだだけで、有紗は何も言わなかった。


「ここ、家の側じゃないよね。全然見たことない所だよね?」


私は怖かった。


ただただ広いこの場所は、何も無さすぎて不安になる。


きっと有紗も不安を感じているだろうと、有紗の顔を見た。


「やっと。…………やっとこられた」


「有紗……?」


有紗の横顔は、不安なんて微塵も感じていないものだった。


嬉しくてしょうがない、そんな表情に思える。


「こられたって?」


「異世界。恵梨香ちゃん、ここはきっと異世界よ!」


私の問いに満面の笑みで有紗は答える。


私の手を掴み、身を乗り出すようにして話し出す。


「私たち異世界に来たのよ!絶対そう!何でいきなりこられたのかしら?……多分、あの本が関係ありそうね。ねぇ、恵梨香ちゃん。とにかく行きましょう!まだ日は高そうだけど、こっちの時間の流れがわからないから、こんな所で日が暮れたら困るもの。さぁ早く行きましょう!」


「ちょ、ちょっと待って。有紗、ここがどこだか知ってるの?イセカイって町?」


「違うわよ。異世界は町の名前じゃなくて、この世界の事。ここは今までいた世界じゃないのよ」


「今までいた世界じゃないって、有紗、頭打った?」


「打ってないよ。それより、早く行きましょう。近くに町でもあればいいけど、とりあえず誰か人がいたら話を聞きましょう。そうしたら私が言ってること、恵梨香ちゃんにも分かると思うから」


有紗が言ってることは本当にわからないが、人を探すのは良いかもしれない。


誰かに尋ねれば、ここがどこでどうやって帰るかも分かるだろう。


分かった。と、私は頷き有紗と供に歩き出した。




2時間ほど途中で休みながら草原を歩いた。


草原はなだらかに西の方へ下っていたので、私たちは下っている方へと歩いていった。


持ち物はカバンと、コンビニで買った少しの食料だけだった。


途中、小川があったので、持っていたペットボトルに水を汲んだ。


食中毒になってはいけないので、飲むには煮沸しなければならないが、とりあえず持っていて困ることはない。


有紗は沸かすための道具がないからと、水は汲まなかった。



しばらく行くと、草原の終わりが見えてきた。


山と山の間に長い壁が続いている。


高い壁の真ん中辺りに物のようなものが見えた。


きっとあの中には町があるのだろう。


そう思うと、疲れていた足取りも自然と軽くなった。


「恵梨香ちゃん、きっとあそこには町があると思うわ」


「よかった。野宿にはならなそうだね」


「それはどうかしら。私たち、こっちの通貨は持ってないでしょう?宿に泊めてもらえるかどうか……」


「通貨って、お金のこと?何で?そんなにたくさんは持ってないけど、素泊まりくらいならなんとかってぐらいは持ってるよ?」


「そうじゃなくてね。まぁ、行ってみれば分かるわよ」


少し困ったように微笑む有紗に、私も困った顔をするしかなかった。




門の前まで来ると、その大きさに圧倒された。


人なんてちっぽけな存在みたいに思えるその壁は、白い石が積まれて出来ているようだ。


門もその壁に見合う大きさで、縦も横も大きく作られている。


どうやら人以外も通れるようにしたのだろう。


「な、何これ」


「どうやら、町にはいるための門のようね。金属で出来てるみたい」


錆びてはいないが、真っ白な壁に黒く重厚な造りの門は重そうで開けられそうにない。


私はそっと門に触れてみた。


ひんやりと冷たい門。


少し力を入れて押してみたり、掴めるところを掴んで引っ張ってみたりしたが、びくともしなかった。


「っ……。ダメだ、開かない」


「どうしようか。ここ以外に中へ入れそうな所は見当たらないようだし」


「壁沿いに歩いて、山側から壁乗り越える?」


「これが町を守るための砦だとしたら、そんなに簡単には中にはいれないと思うわ。入れるとしたら、この門しかないと思うの」


そういって恵梨香は門に右手を触れた。


とたんに、真っ黒だった門は白い光を放ち出した。


突然目の前が真っ白になったので、思わず目をつむる。


しばらくして光が収まったのを感じ、目を開けた。


さっきまで真っ黒だった門は、壁と同じく真っ白な色になっていた。


それだけでではない。


金属で出来ていたはずの門は壁と同じ材質の石になっていた。


訳が分からず呆然と見つめていると、白くなった門が開き始めた。


ゆっくりとこちら側に向かって開く門にぶつからないよう少し下がって開ききるのを待った。


「あ、開いたけど。どうなってんの?」


「これが異世界ってことなのよ、恵梨香ちゃん」


門が開ききると、中から一人の人がこちらに近づいてきた。


やっと出会えた人に、私は声をかけようとして驚いた。


その人は、厳めしい鎧のようなものを全身に身に付け、手には長い槍の様ようなものを持っている。


マズイ状況、かもしれないととっさに思った。


異世界にやってきた2人ですが、やっと町につきました。


これから頑張って生きていきます!



頑張って投稿していきますが、評価をいただけると執筆が捗ります。


ブタをどうかおだててください。


低評価でも、反応があるとやる気が出ます!


よろしくお願いします!

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