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18 この世界で生きる。


火を司る女神のヴェスタがあきれたように言う。


「 魂は肉体を離れると冥界行くために 闇の魔力に染まるんだ。 そうしないと冥界には行けないからな。 もし、闇の魔力を帯びた魂が冥界へ行けず粉の世界にあふれたらどうなるか。……人間はもう知っているはずなんだがな」


ヴェスタの 言葉に、 私ははっとした。


闇の魔力、 あふれる、世界が闇でおおわれる……。


この世界に来たばかりの私でも、思い当たることがひとつだけあった。


「まさか……魔族っていうのは、人間……なの?」


「正確には人間だった魂ですよ」


水を司る女神のルカルナが悲しそうな顔をしている。


カラネミが言っていたが、水は冥界と関わりが深いらしい。


「正しい流れからあふれた魂は二度ともとの流れには戻れない。永遠に苦しみ続けるのです」


「冥界に行けなかった魂は、時が経つと闇の魔力に侵されて新しい生き物に生まれ変わる。苦しみ続けるって言ったが、直接的な痛みがある訳じゃない。永遠に生き続けなければならない苦しみってことなんだよ」


ヴェスタが苦しそうな顔をしている。


永遠に生きるってそんなに大変なことなのか。


「そんなに大変なこと?死なないってことでしょ。そんなに苦しむようなこととは思えないんだけど……」


「恵梨香のように普通の人間としてなら、まだ生きる希望があったかもしれないわねぇ。けどぉ、魔族になると食べるものが変わるのぉ」


カラネミが困ったような顔をして、頬に手を当てる。


このいいかたは、良い意味にとることが出来ない。


「もしかして、人を食べないといけなくなる……」


答えは分かっていた。


女神たちがうつ向いたことが、正解だと表している。


「彼らの唯一の救いは、魔族になったときすべての記憶を無くしていることかしら。人間だった頃の記憶を残したまま、人間を食べるなんて、ひどすぎるわ……」


ウラスが泣きそうな声で言った。


「そんな…でも、魔族になる魂なんてそんなにたくさんあるわけじゃなんでしょ?」


「ええ、私がしっかり管理しているから人間はないわねぇ。でも、魔獣は別よぉ。魔獣はちょーっと特殊だからまたあったときにでも説明するわぁ」


「またあったときって……。そんなに会うこともないと思うんだけど。話を戻すけど、昔魔族が世界にあふれたんだよね。それってカラネミの神殿でなにか起こったってこと?」


私が聞くと、カラネミがちょっと怒って言う。


「そうよぉ!あの時も若い男の子が私の神殿を壊したのよぉ。それも跡形もなく破壊してくれちゃったのよぉ。今思い出しただけでも腹が立つわぁ。おかげで魔族になってしまった魂があふれて世界が闇におおわれてしまったのよぉ。今回は魂を導くお仕事をしてくれるカルラが死んでしまいそうになったことであの時と同じくらい大変な状況だっただのよぉ。恵梨香が助けてくれて本当に助かったわぁ。神殿も無事で、世界は平穏そのものよぉ」


カラネミの言葉に賛同するようにカルラが1つ吠えた。


そして私の方へやって来て、頭を撫でろと私の手を頭で押しやる。


「世界の危機だったんですねぇ。……あれ?そういえば、私と有紗がこの世界へ呼ばれたのって世界に危機が迫ってるからだったような。……もしかして、危機がなくなったんなら、私たちはもとの世界に帰れるんじゃ!」


帰れる!そう思ったら嬉しくなってきた。


けれど、その思いは即座に否定されることになった。


「え?それは無理よぉ?」


カラネミにキョトンとした顔で答える。


「え?」


「残念だけど、あなたたちはもとの世界へは戻れないわよ?」



え?嘘でしょ?


私たち帰れないの?


でも、カルラの毛並みがふわふわだからまぁいっかな……。


次話ではもうちょっと色々話をします。


ブクマ、評価ありがとうございます!

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