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17 女神の茶会


6人の女性たちの前にいつの間にか現れた私は、色々なことが起こりすぎて呆然としてしまった。


そんな私を見て、6人の女性たちはクスクスと笑っている。


丸いテーブルでお茶を囲んでいる6人の1人、私に狼のもとへ行くように言っていた黒髪の女性が私に話しかける。


「よくその子を助けてくれたわぁ。ありがとう。さぁ、そこにかけてぇ」


円卓には6人が着いていたが、席は7席あった。


私にその空いている席へ座れと指示する。


私は言われたとおりにその席へ着いた。


黒い狼は私が椅子に座ると黒髪の女性もとへ行った。


女性は狼の頭を撫でながら話し出した。


「本当に助かったわぁ。私たちでは、この子を助けられなかったのぉ」


「あの、ほんとにすいません。最初っから説明してください。ほんとに何が何だかさっぱりなんです」


私が言うと、6人の女性たちはそれぞれため息をついて考え込んでしまった。


しかし、すぐに黒髪の女性が話し出した。


「そうねぇ。まずは自己紹介からしましょうかぁ。私は闇と時を司る女神、カラネミよぉ。そして助けてくれたこの子は私の眷属のカルラよぉ。この子は地上でお仕事をしてくれていたのぉ。けれど、人間に傷つけられて困っていたのよぉ」


「え?ちょ、ちょっと待ってください。女神?女神って言いました?あなた、女神なんですか?」


「ええ。私たちは女神よぉ」


「私、たち?まさか、あなたたちは……」


まさかとは思ったが、よく考えてみたら、こんなところで普通の人間がのんきにお茶会なんてしているわけがない。


最初から気がつけばよかった……。


「そうよぉ。私たちは全員女神よぉ」


黒髪の女性、カラネミは誇らしげにそういった。


それに続いてウェーブのかかった赤髪の女性がしゃべる。


「あの時は説明もせず悪かったな。私はヴェスタ。火を司る女神だ。兄が戦神で私も武術をたしなんでいる」


「私はルカルナと申します。水を司っております。以後お見知りおきを」


続いてしゃべったのは透き通るような青みがかった白髪の女性だった。


その瞳は深い空色で、ビー玉のようにキラキラと美しかった。


「私はウラス!大地を司る女神よ!豊穣の女神だからみんなに人気なのよ!あんたもお腹が空いたら私に祈るといいわ!」


そういって両手を腰に当ててふんぞり返るのは、栗色の髪を高い位置で結んだポニーテールに大きなリボンがついている美少女だった。


それを見て隣で笑っていたのはとてもよく手入れをされた金髪が美しい女性。


「私はヘルマプロディー。ヘルマとお呼びください。金を司る女神です。金とは金属全般を指しますので彫金から鍛冶などはもちろん、硬貨も金属ですので経済関係も担当させていただいております」


ビシッと延びた背中がデキル女性といった感じだ。


最後はきらめく銀の長い髪をもった少女。


うつ向いているから顔はあまりよく見えない。


「………」


「………」


「………」


「………」


「………。アウラディア、あなたが最後よぉ?」


「……。アウラディア。風を司る女神。植物とかも司ってる。………よろしく」


「よ、よろしくお願いします。アウラディア様」


「様はいらない」


「え、でも……」


女神に呼び捨ては失礼なんじゃ……と思っていたが、全員アウラディアの言葉にうなづいている。


相手が望むなら、それでいいか。


「さぁ、自己紹介は終わったわねぇ。話を戻すわよぉ」


そういってカラネミは最初から説明をしてくれた。


どうやら今回の事件の発端は人間が関わっているらしい。


カラネミの眷属のカルラは、カラネミの司る仕事のひとつ、死者の魂をカラネミのもとへ送る仕事をしていた。


いつものようにカラネミの神殿で仕事をしていたところに、ヴァンクリール国の国王の記章をもったものたちが神殿で狼藉を働いた。


多少の事であれば目をつむるのだが、事もあろうに神殿に火をつけようとしたため、カルラは普段人間の目には触れないよう結界を張っているのだがそれを解いて警告を行った。


しかしそれでは止めなかったため、仕方なく追い出そうとしたのだが、カルラに恐れをなした1人がカルラに矢を放った。


普通の矢であればカルラに傷などつかないのだが、放たれた矢は「大神殺し」と呼ばれる神殺しの矢であった。


この矢は救国の聖女が作り使用していたとされる矢で、聖なる光を宿すといわれている。


この矢には確かに聖女の力、光の魔力が込められた矢じりが使われていた。


光の魔力は他の魔力とは違う異質な力で、闇の魔力とはもっとも相性が悪い。


闇の女神カラネミの眷属のカルラは矢を受けて瀕死の状態になってしまったため、女神たちで命を繋ぐためにここにつれてきた。


だが女神たちは地上のものに触れてはならない掟があるため矢を抜くことが出来ず、困っていたところ、恵梨香という逸材を見つけたのでここに呼んだということだった。


恵梨香に女神の力を分け与えて助けてもらう予定だったが、水をもっていたことと、思った以上に時間がなかったので説明もせずに治療に行かせたらしい。


こちらに来たときにくんだ水は、命を癒す神命水と呼ばれるものだが、なぜあそこを流れていたのかは分からず、それを汲んでもってきたのは全くの偶然だった。


計算外だったのは、カルラが恵梨香に噛みついたこと。


こんなことになるとは思っておらず、恵梨香にいたい思いをさせて申し訳なかったと女神たちは謝った。




「―事情は分かりました。私もカルラが無事でよかったです。けど、問題は矢を放った人ですね。また同じことが繰り返されたら……」


「神殿の内部にあるものはさして取られても構わないわぁ。私は神殿自体があればいいのよぉ。だけど神殿を壊されたらとっても困るのぉ」


「カラネミ……困るどころではないだろう。お前の神殿が無くなれば世界が崩壊する」


「崩壊するって、どうして?」


ため息をつくヴェスタに聞いた。


「カラネミは闇を司っているんだが、闇ってのは冥界、死者の国の事でもあるんだ。人間は死ぬと魂が肉体から離れるんだが、離れると魂は闇の魔力になるんだよ。それが世界をおおっちまわないように、カルラを通してカラネミが冥界に送ってるんだ。そのための神殿を壊されると、世界も終わるってことだ」


6人の女性は女神だった!


そして女神の神殿燃やそうとする罰当たりな王族?がいることが判明。


恵梨香ちゃん、ガンバ……。


ブクマ、評価ありがとうございます!

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