表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/45

16 有紗の魔力と恵梨香の魔力。下 その2

前話あらすじ グロ苦手な方はここを読んでいただければ前話読まなくても大丈夫です。


後ろ足に矢が刺さり、息も絶え絶えの黒い犬を助けようとする恵梨香。だけど、犬が痛みに驚いて恵梨香の腕を噛んでしまう。異世界来たときに汲んでたペットボトルの水で犬は助かったんだけど、恵梨香の怪我がひどくて………。


みたいな感じです。それでは本編スタートです!


「すごい……。血が止まって、傷まで治ってる……」


私は黒い犬の傷があった部分を優しく撫でた。


「ヴォン」


完全に傷が治ったのだろう。


黒い犬が勢いよく立ち上がった。


そして、しばらく感触を確かめるように私の前をウロウロと動き回っていた。


「よかった。大丈……夫……そうで……」


傷が治ったことに驚いてうっかり忘れていたが、私の腕からは血が流れ続けていた。


流れ続けていたせいで血が足りていないのだろう。


黒い犬が私に向かって吠える。


しかし、その声もだんだんと遠くなる。


私はゆっくりと意識を手放していた。






恵梨香が意識を失っていた頃、お城の方では恵梨香がまだ戻らないことで大騒ぎになっていた。


「ダチェット!恵梨香ちゃんはいつ帰ってくるの?もう夜になってしまったというのに、まだ帰らないなんて」


有紗は試験をしていた部屋のなかを行ったり来たりしていた。


「確かに、これはいささか遅すぎる気がいたします。ダチェット、この試しはこんなに時間がかかるものなのでしょうか?」


シャロッツもこの状況が異常だと思っているようで、どこかそわそわした様子だ。


「いや……これは遅すぎる。この試験は長くても1時間くらいで終わるはずだ。もう7時間くらいたってる」


ダチェットの真剣な顔にはあせる気持ちがありありと見てとれる。


「そんな!恵梨香ちゃんに何かあったの!?」


「分からねぇ」


「ねぇ、恵梨香ちゃんを助けて!何か方法はないの?」


「ダチェット、恵梨香様が行ったところに行くことは出来ないのですか?」


「いやそれは………」


ダチェットが話そうとしたとき、扉が勢いよく開かれた。


「恵梨香が戻ってこないとはどういうことだ!?」


開け放たれた扉からベルモア卿を先頭に、国王陛下とアディック卿が入ってきた。


アディック卿が入ってきた扉を閉める。


ダダダッとベルモア卿はダチェットに近づくと胸ぐらをつかみあげた。


「答えろ!恵梨香は無事か!?どういう状況なんだ!」


「落ち着け、アンバー。……ダチェット、どうなっているんだ?恵梨香は?」


陛下の言葉にベルモア卿は手を離す。


ダチェットは咳き込みながら答えた。


「げほっ、ごほっ。恵梨香はまだ無事だと思う。まだ陣が崩れていない」


ベルモア卿は部屋の中央辺りに描かれている魔方陣を見た。


確かに描かれた陣の輪郭がうっすらと光っている。


「だが、遅すぎる!何かあったのではないか?助けに行かなければ!」


ベルモア卿が陣に近づいた。


それをあわててダチェットが止める。


アディック卿もそれを手伝った。


「手を離せ、ダチェット!!」


「落ち着け!!魔方陣に触れるな!この陣が崩れれば、恵梨香は帰ってこれなくなる!」


「じゃあどうすれば!!」


「恵梨香は無事だ!きっと帰ってくる」


「なにを根拠に言っている!?」


「とにかく、俺たちに出来ることは何もない。信じて待つしかねぇんだ!」


「ふざけるな!離せぇ!!」


「落ち着きなさい、ベルモア卿」


パンッと乾いた音が部屋に響いた。


叩かれたほほを抑えてベルモア卿はアディック卿を見上げた。


「落ち着きなさい。恵梨香様はきっと戻られます。戻られたとき、あなたがそんなことでどうしますか。待ちましょう。きっと恵梨香様は戻ってこられます」


「アディック卿…………。すみません、お手間をとらせました」


ベルモア卿が頭を下げると、アディック卿はにこりと笑ってお辞儀をした。


「いえ、こちらこそ失礼いたしました」


「ではみなで恵梨香の帰りを待つとしようか」


陛下の言葉で、皆この部屋で恵梨香の帰りを待つことにした。









怪我をした腕にくすぐったさを感じて私はゆっくりと目を開けた。


気がつくと、私はてんがい付のベッドの上に横たわっていた。


そして隣にはあの黒い犬がおり、私の腕をなめている。


何が起こっているのか理解するのに時間がかかったが、意識がはっきりしだすと驚いて私は犬がなめている腕を見た。


あれだけ出血していた傷が跡形もなく消えていた。


「え!なんで?傷が……ない」


「起きたか」


「え!なんで?犬が……しゃべった」


「これは犬ではない。私の眷属の狼だ」


ビックリして上半身を起こして犬……狼の方を見る。


「まずは礼を言いたい。これを助けてもらったこと、感謝する。これに刺さっていた矢は私には抜けぬものであった」


「はぁ。そうなの?」


「矢じりに使われていものが厄介でな。恵梨香に抜いてもらわなければ、もう少しでこれはいきたえていただろう」


「はぁ」


狼が口をパクパクすると人間の言葉が聞こえてくるのが、少し面白い。


「しかし、こちらが助けを求めたのに恵梨香に傷を負わせてしまった。まことにすまぬことを……。傷はこれに治させたが」


そういうと狼はシュンとしてしまった。


「え?治したって。じゃあ私が治療する必要なかったんじゃ?」


「いや、あの矢の傷を治すのは不可能であった」


「もうよく分かんないんだけど、ちゃんと説明してくれる?」


私がそういうと、狼は大きくうなずいた。


「そうだな。きちんと説明させてもらうとするか」


その言葉と同時に、私と狼はあの時あった女性たちの前にたっていた。


恵梨香ちゃんは無事です!


次話では謎の女性たちが状況説明してくれます!


ブクマ、評価ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ