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12 魔力って何?


「茶番はそんくらいにして、さっさと始めさしてもらえます?今日定時で帰りたいんで」


そういったのは、陛下のそばにいた男性だった。


目の前の陛下ばかりが気になっていたのでよく見ていなかった。


「口が過ぎますよ、ウィファス。……しかし、そうですね。そろそろ始めなければ、時間が……。陛下、そろそろ始められては」


アディック卿がやんわりとたしなめると、少し考え込んで陛下へと進言した。


彼はウィファスと言うらしい。


うんざりした顔をしながら、いつの間にか壁側の大きな柱に寄りかかって腕を組んでいるウィファスさんは大きなあくびをしている。


次の予定をうながされた陛下はこちらに向き直って改めて言った。


「そうだな。名乗り遅れたが、私はヴァンクリール国国王、デオドラ・ウォーブ・ヴァンクリールだ。これから長い付き合いになる。困ったことがあったらなんでも頼ってほしい。力を貸そう。さて、これから2人には受けてもらいたい検査がある。カンフェル、頼む」


「かしこまりました」


ニカッと笑うと、陛下はアディック卿に説明を頼み、また椅子の方へと戻った。


後を引き継いだアディック卿が柱のところであくびばかりしてるウィファスさんの腕をとってこちらへと連れてくる。


「ちょ、肉つまんでる!いてーって!」


「静かにしてください。……有紗様、恵梨香様。こちらはダチェット・ウィファスと申します。お二人にはこれからこの者による魔力の鑑定と測定を受けていただきたいと思います」


私たちの前へ連れてこられた彼はアディック卿に礼をするように要求され、頭を軽くかいてからお辞儀をした。


「王都魔法研究所、所員のダチェットです。これからあんたらの鑑定とかやるからついてきて。こっち」


ズボンのポケットに手を突っ込んだまま顎で入ってきた扉を指す。


アディック卿がその様子を見てにこりと笑うと、いきなり彼はお尻を抑えてうめいた。




彼について私と有紗、シャロッツだけがついていく。


他の人たちは陛下と今後の相談があるとかで、あの部屋に残った。


部屋を出た私たちは廊下の一番先にある部屋に向かっていた。


有紗が彼に話しかける。


「あの、ウィファス卿」


「ダチェットでいい。俺は貴族じゃない」


「じゃあ、ダチェットさん。魔力の鑑定と測定をするとお聞きしましたが、何をするんですか?」


「敬語も使わなくていい。まずは鑑定だね。何の魔力要素があるのかを調べるんだ。測定は魔力量がどれくらいあるのかをみる。やり方は部屋に行ってから説明するけど、そんな難しい事じゃないから」


そんな話をしていると、目的の部屋についた。


中は普通の広い部屋だった。


「普通の、部屋ですね……」


有紗が呟くとダチェットが応える。


「そ、普通の部屋だ。今日は特別にここでやるけど、いつもは学園でやるからなー」


「学園?」


私が聞くと、シャロッツが咳払いして応える。


「この国の人間は5歳になると全員学園で魔力の検査をすることになっているんです。魔力を持っている人間は少ないですが、魔力はきちんと制御出来なければ年齢と共に増大する魔力が暴走する恐れがあるので。魔力を持っていると分かった子供は学園に入学して魔法を学ぶんです」


「へぇ、そうなんですね」


「魔力があれば誰でも入学出来るのですよ。ダチェットも学園の卒業生でなのです」


「そんな話はあとあと!さっさと始めよーぜ」


ダチェットに急かされて私たちは部屋の中央まで行った。


ダチェットのそばに円卓が1つある。


そのそばに私たちは集まった。


「まずはあんた、聖女さま」


有紗を手招きしてダチェットが呼んだ。


「聖女さまはやめてほしいかな。で、どうしたらいいの?」


「まずはこれ。この石に触って、ちょっと力を込めてみて」


そう言いながら懐から布袋を取り出す。


その中から色のついた石を取り出した。


赤、青、緑、黄、白、そして見覚えのある黒い石。


取り出した石を円卓の上に並べる。


その中から黒い石を手に取った有紗はダチェットに聞いた。


「力を込めるって、どうやるんですか?」


「どうって……こう、その石の色に染めようとするというか、自分の中にあるものをその石に移すというか……」


「よく分からないけど、やってみます」


有紗は石を見つめてうんうんうなり始めた。


だが、石には何の変わりもない。


しばらくやっていたが変わりがなかった。


「うーん。だめ、もう無理」


円卓に手をついてぐったりした。


「有紗、思ったんだけど」


「なにー、恵梨香ちゃん」


「それってあの時の石、だよね?あの時は石の色変わったよね?」


「うん……」


「あの時はどんな感じだったの?あの時みたいにしたら、何か変わるんじゃない?」


はっとした顔になった有紗は石を見つめて、目を閉じた。


有紗が集中しているのが分かる。


周りの空気が張り詰めるのを感じた。


よく見ると有紗の手元に金色の粒子が舞い始めた。


その金色の粒子が石の中へと流れ込む。


手に触れている部分から段々と金色の粒子が石の中の黒い色を押し退けていく。


やがて石の中の黒い色は全部金色の粒子に変わった。


「で、出来た……」


有紗は淡く金色に輝く石を円卓に置いた。


石から有紗の手が離れると、金色の粒子が徐々に輝きを失い、やがて透明な石になった。



お、遅くなりました!


有紗の魔力、金色でした。


恵梨香ちゃんの魔力は、何色なんでしょう?


それは次話で分かるはず?


ブクマ、評価ありがとうございます!

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