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第十一話 到着

「着いたっ」

 ようやく迷宮都市 テルテドールに到着した。途中、色々あったが無事に到着できた。また盗賊達は犯罪奴隷として引き渡されたのでここでおさらばだった。

 ヒルレ達の商会の護衛も目的地に到着したのでここで終了した。トューリ商会をご贔屓に、と最後まで宣伝していたので何れ行こうと思っている。


「な、なぁ。エリミアナさん」

 護衛依頼が終わった後に、レーゼが話しかけてきた。


「どうかしたの?」

「あ、あの。そう、迷宮に潜るんだろ?斥候役がいないなら、その、な。俺が一緒に行ってやっても、ううん。俺も一緒に迷宮に連れていって下さい」

 所々、詰まったりどもったりしていたが言いたいことは分かった。


「そうだったね。レーゼさんは優秀な斥候だった。是非よろしくお願いするね」

 小さくよしっ、と言っているあたり余程嬉しかったのだろう。


「レーゼも一緒に行くの?やったぁ」

「斥候がいた方が罠にかからずに済むだろうし、良いと思う」

 概ね二体の契約精霊達も乗り気のようだ。


「なぁ、レーゼさんはテルテドールに詳しい?」

「レーゼで良い。あぁ、詳しいよ」


「そっか、あ、私もエリミアナで良いよ。ここら辺で家を買いたいけど、どこの商会がおすすめ?」


「家を?」

 宿をとればいいのに?なぜ、というような顔のレーゼ。

「そう、家を」



「家なら、やっぱりトューリ商会かなぁ。色々扱ってるし」

「なら、そこに案内してもらえない?」


「あぁ、もちろん」

 笑顔でそう言う。何を思ったのか顔を赤くし、さ、さぁ行きましょう。とだけ言って背を向けて歩き出した。

 それをあわてて追いかける。


※※※


「さっきぶりですね」

 商会の扉を開くとカウンターにヒルレがいた。自らが交渉をしているようだ。


「そうですね。ヒルレ殿」

 エリミアナがヒルレと握手する。

「それで、今日は何を買いに?」

 すぐに要件を知ろうとするあたりが商人だ。時間を無駄にするのも惜しいので買いたいものを告げた。

「家を買いに、」

「家ですか」

 家ですか、ともう一度小さく呟いてからエリミアナを見る。まるで、本当か?と聞いているようだ。

「そうです。家です」

「予算は?」

 本当だと確認すれば、予算を聞いてくる。だが、ここでの相場が分からないのでエリミアナは具体的には答えなかった。

「そうですね。とにかく安いのでいいですか?」

「立地は、どこでもいいと」

 立地はあまり関係無いと考えている。遠ければ歩いてでも着けるし、野宿も得意だ。

「そうですね。どこでもいいです」

「それならば、三つほど候補が」

 なにも見ずに答えられる辺り、殆ど暗記しているのだろう。


「全て本物を見ても?」

「もちろんですとも。信頼あっての商人ですから」

 笑顔で腰を浮かせて、外へと向かう。

「では、さっそくいきましょう。お時間はおありで?」


 こうして、家を見に行くことにした。


 契約精霊達は珍しく黙っていると思ったら無言でじゃれあっていた。

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