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星に願いは届くのか  作者: 三毛猫迷子
第二章 
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第十七話 願い

※主人公視点に戻ります。

 僕は突然光が近くに落ちたと思った瞬間、衝撃に体が吹き飛んだ。

 受け身を取れず思いっきり背中から地面にたたきつけられた。

 一瞬息ができなくなりうめく。


 何が起きたのかわからないまま辺りを見渡すとがれきの山ができあがっていた。

 エンゲは、みんなはどうなったのだろうか。


 僕は探し回ってエンゲを見つけた。がれきの間にはさまっていた。

 がれきを持ち上げてわずかに隙間を作るとエンゲが飛び出す。

 その近くにはたくさんの人ががれきにはさまれたり下敷きになっていた。

 僕一人で持ち上げられそうなところは救出し、救出した人と他の人を助けて回った。


 ある程度動ける人が増えると僕はイグナーツ君とエーミル君が気になった。

 ここでこんな被害が出たんだ。二人は大丈夫だろうか。

 僕は前線の方へ駈け出した。


 着いた先はたくさんの人が怪我を負い気絶していた。

 その中を探し回り二人をようやく見つけた。

 二人とも倒れた召喚獣から投げ出されたようで気を失っているようだ。

 多少の怪我があるものの命がある事にホッとした。ここでこんな状態なら最前線はどうなっているのだろう。

 ファウストさんは無事なんだろうか。



 その時地鳴りがした。

 前を向くとボロボロになりながらもこちらに向かってくる巨大なドラゴンがいた。

 その周囲でアオローラの姿が見えた。ファウストさんは無事なんだ。

 アオローラが地面すれすれを飛んでは脚に何かをつかんでいる。よく見ると人だ。

 倒れた人を安全な場所に運びつつ、ドラゴンの気をそらそうとしているらしい。

 他にも周囲を飛び回り攻撃をして気を引こうとしている召喚獣が何体かいるようだ。

 あんなにも人がいたのに少なくなっている。


 ドラゴンがこちらに向かって口を開く。その奥に炎の揺らめきが見えた。


 やめて、ここには友達がいるんだ。人がいるんだ。このままじゃみんな死んじゃう。

 僕にはまだ広範囲の防護魔法が使えない。

 アオローラが止めようとドラゴンの前に移動する。その背にはファウストさんがいる。

 ファウストさんが危ない。助けないと。でもどうやって?

 駈け出そうとした足が止まる。

 あまりにもあのドラゴンに対して僕たちは無力だった。でも、このままドラゴンの好きにさせてみんなが死ぬのは嫌だ。


 




 ――シュテルヒェ。あなたの願いは何?


 突然女性の声が聞こえた。まるでハープのようなそんな声が。


 僕はみんなを、友達を助けたい。あのドラゴンをなんとかしないとみんな死んでしまう。


 そう願った瞬間、全体が白い空間に僕はいた。





 そして目の前には――天使がいた。


 

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