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58話

しばらく更新できませんでしたが、再開します。

よろしくお願いします

「私たちは決してお前を許さない。この世界に厄災をもたらすものを排除する」

美羅依は強い口調で宣言した。

「できるものなら、やってみるが良い」

カグエリルは余裕の笑みで言葉を返してきた。


何度窮地に追い込まれたことがあるだろう。


今までの闘いをふと思い出していた。何度辛うじてあの魔王を魔界に封じ込めただろう。その度にいくつの命を使ってきたのだろうか。本来ならば、あり得ない生を生きている自分たちは異端以外の何者でもない。

「これで終わりにするんだ」

柚耶が強く手を握った。その力強さに現実を思い出す。

魔王は変わった。自分たちにとっても、魔界にとっても良い方向に変わっている。だからこそ、この者のような考えを持ってはならない。

「私たちの世界は私たちが守らなくちゃね」

美月がカグエリルへ両手を向けた。それに呼応するように隕石がカグエリルへ降り注ぐ。カグエリルも応戦し、隕石を破壊した。

「美月はいつも派手だよね」

そう言いながら彰人も右手を振り(かざ)した。指先から光の糸が無数に伸ばされ、隕石を絡めとるとカグエリルに防がれていないものを次々とあらゆる方向から飛ばし始めた。

「結構、お前も派手じゃないか」

桔梗も楽しそうに言うと、両手に作られた光球を次々とカグエリルの方へ投げつけている。

「足止めは俺たちがやるから、美羅依と柚耶はあいつを封印するんだ。誰も手の届かないところにな」

祐亨はそういうと地面に両手をついた。地面の下を植物の根が生き物のように這いずり回り地面から出てきたと思う間もなくカグエリルの方に根を伸ばし、縛りつけた。

「皆、ありがとう」

美羅依はそういうと一歩下がったところで柚耶と向かい合った。

「俺達は何度こうして向き合ってきたんだろうな」

柚耶は美羅依の手を取ると自分の唇を寄せ、美羅依の手の甲に押し当て、騎士のようにキスをした。

「今度こそ、終わりにできると私は思っているわ。大きく変わったのが、魔王の考え、そして、魔界の在り方がこれから変わる。私たちの役目はやっと終わりが来るのかもしれないわね。その前に、この訪れようとしている平和に水を差す輩に制裁を与えなければならないと思うのよ」

美羅依は柚耶を立ち上がらせて。掌に創り上げた光球を柚耶に向けた。

「まあ、考えは概ね一致しているってところかな。では、遠慮なくお前の能力を使わせてもらうことにするよ」

柚耶はそういうと美羅依が差し出した光球を受け取った。

「どうぞ。お好きになさって。この手にあるものはすべてこの世界を守るためのもの。そしてあなたが私の探し出した最初の人で、私の(いにしえ)からの愛しい人。今こそ、この輪廻から解き放たれんことを願う」

美羅依の言葉に合わせて柚耶に渡された光球は光を強くし、あたりを照らし出した。

「いつみても綺麗だよね」

美月が感心したように柚耶の手を見ていた。

「そうだね。あれだけの能力を持っていることも凄いけど、それを完全に制御できるのは柚耶だけだから」

彰人がため息を漏らしながら美月の言葉に頷いた。こればかりはどう抗おうと変わらない。

「俺達はもう前のようにはさせない。そう誓ってきた」

祐亨がカグエリルの抵抗を躱しながら、地面から伸ばした植物の根を複雑に絡ませ、身動きの取れない状態までさせていく。

「小癪な、人間め!」

カグエリルは必死に抗っていた。この者達を亡き者にしなければ、自分のこの先はない。魔界を制することも、この世界を蹂躙し、永続的な餌場の確保が困難になる。ゆくゆくは天界をも自分の手の中に収めようとしていたのだ。こんなところで、何も抵抗できなかった人間如きにやられて良い筈がないと自分へ鼓舞していた。

「カグエリル、あなたに選択をさせてあげる。未来永劫封印されるか、この場で消滅するか。私たちは貴方の選択を受け入れてあげる。第三の選択はない」

美羅依がカグエリルを見下ろす形で宣言した。その姿は神が降臨したかの様だった。

ありがとうございました。

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