用語集
[プロヴィデンス]
この宇宙を束ねる秩序・法則のようなもの。個人の意思や思惑とは違い、惑星間の不必要な介入や破壊を阻止する方向へ物事が勝手に動く。また空間転移や排除という物理法則を超越した現象も、前触れや警告無しに発生する。ただし他の宇宙由来の物質へは干渉しない(出来ない)。またパージを行った場合、質量保存の法則に従い同質量の物質DDが任意に転移されてくる可能性がある。
[メトセラ]
その惑星に適応したヒューマノイドの最終進化形として、人為的に生み出されたデザインヒューマノイド。メトセラの形質は母性遺伝し、長寿命・高知能・高運動性・特殊能力発現・遺伝記憶をその特徴としている。本来は人種的な特徴が希薄な外見だが、ネイティブヒューマノイドとの遺伝子交換によって外見は微妙に変化する。
未開惑星に対しての干渉はプロヴィデンスによって禁止されているが、その惑星に移住し世代を重ねながら文明の発達を影からサポートするメトセラは存在を容認されているらしい。
メトセラの由来は人類の起源やプロヴィデンスと深い関わりがあるとされているが、詳しい事は明らかになっていない。
[ケイローン]
[ノア]
メトセラの男性が由来となる遺伝子が、偶然が重なって収束する先祖返りのメトセラの総称。
本人の自覚が無いままに発現したメトセラの因子は社会的な疎外や発現者自身の破滅的な行動に繋がるので、プロメテウスは世界中に張り巡らしたネットワークを使ってそれを絶えず探索している。
[ラヴリュス]
アヴァターラボディを纏って惑星に潜入している異星人で、メトセラに対抗する勢力の総称。侵略や資源簒奪等では無く主に観光で潜入している場合が殆どで、惑星外のテクノロジーを使用した攻撃を惑星の住民へ行わない限り簡単にパージされる事はない。
[バステト]
高度に進化を繰り返した猫系ヒューマノイド。倫理観が高く高潔な種族として、多くのヒューマノイドが居住する惑星で支配者層に対するアドバイスを行っている。プロヴィデンスに対する造詣が深く、またユグドラシルを通してその物体の由来を判別する特殊能力を保持している。
[チタウリ]
爬虫類から進化したヒューマノイド。一般的な個体でもメトセラに匹敵する長寿命を持っていて、科学研究に関してはこの宇宙の中でも特にレヴェルが高いと言われている。
[Congoh]
世界最古の会社組織と言われているヨーロッパ由来の企業。プロメテウス共和国の国有企業。
マイクロチップの製造や特許の所有・管理が主要業務で、全ての近代産業はこの企業の特許無くして成立しないと言われている。他社の特許侵害には寛大だが、訴訟によってCongohに吸収されたパテント・トロールが多数ある。
企業規模と比較して従業員数が極端に少ないのが特徴で、従業員は全世界でも数十人しかいない。業務の殆どは、SIDが処理しているらしい。
[SID]
ここ十数年でCongohの業務全般を運営・管理するようになったAI(人口知能)。
初期段階ではレイが自身のDNA記憶に秘匿されていた設計図を基に、DARPAの研究成果であるニューロンチップを使用して組み立て、一から教育を施した。
現在のソフトウエアはSID自身が作成し、世界各所にあるスーパーコンピュータのエミュレーションで動作しているらしい。
[プロメテウス共和国]
欧州でも最古と言われている共和国。錬金術ギルドが国家設立の母体になっていると言われている。
[プロメテウス義勇軍]
[Tokyoオフィス]
プロメテウス大使館にCongohがテナント入居しているトーキョー支社。
[ハワイ・ベース]
自動車サーキットに偽装した滑走路を持つCongohの空軍基地。最寄りの空域は米帝との協定で、ヒッカム基地の承認の上に使用されている。
広大な敷地を持っていて、海岸にはプライベートビーチも存在する。
[カーメリ・ベース]
イタリア空軍と共同使用している、滑走路が2本の小規模な空軍基地。
[ポピーナ]
[アラスカ・ベース]
冷戦時に米帝が作った地下都市。放棄されていた施設をCongohが買い取り、Tokyoオフィス地下と同様の独自技術で改修した。
最も多く滞在しているのはCongoh社内の研究者であり、モスポール兵器の仮置き場としても利用されている。
[アリゾナ・ベース]
戦闘機の地上攻撃訓練や新兵のブートキャンプに使用されている、アリゾナ州の荒野に存在する小規模な基地。
航空機を収容する地下ハンガーや滑走路が存在するが、それらはデジタル迷彩で巧妙に隠されている。
米帝の中央部に位置し隣接するデビスモンサン空軍基地もあるので、航空機の離発着については米帝空軍の事前承認が必要になるらしい。
[雫谷学園]
Congohが運営している教育法人。インターナショナル・スクールとしての形態を取っているが、一般からの入学は募集せず選抜した少数の学生のみに特殊なエリート教育を施している。校舎はイケブクロの高層ビジネスビルのワンフロアにあり、24時間営業のカフェテリアも校内に設置されている。
[須田食堂]
昔ながらの大衆食堂。雫谷学園の提携食堂なので、在校生が利用する事も多い。
[長崎庵]
昔ながらの蕎麦屋。定食メニューも豊富で、Tokyoオフィスと学園寮には常連が多い。
[アンキレー]
メトセラ由来のパーソナルユニット。メトセラの遺伝子所有者のみが使用可能で、装着後には体に融合してその実形態はわからなくなる。メトセラが惑星移住の際の移動に使用したという説があるが、真相は不明。ユウが発見したユニットは、ジャンプ機能に加えて重力制御や空間迷彩機能も持っている。能力は画一的では無く装着者によって変化し、ユニット自体の持つ固有能力も時間経過とともに進化していく模様。
[コミュニケーター]
SIDと音声通話する為の通話機器。カメラユニットが付いているので、SIDはこれを使って周囲の状況をモニター出来る。様々な電波帯を使用しているので、この惑星上で使えない場所は殆ど無い。
[入国管理局特別課]
ニホン国内の惑星外知的生物の出入国を管理している部署。
[ヴィルトス]
非生物物質の分子結合に干渉する能力。ほとんどのメトセラが共通して使用する事ができる能力のひとつ。
異能ではあるが基本的には攻撃手段では無く、自らを守るための自己防衛手段として使用される。
行使するメトセラの生体エネルギーによって発動するが、現実世界で発生する事象(物理法則の範疇で)を道具を使用せずに再現する事が出来る。
分離→切り落とす、成形→カタチを変形させる、振動→力点を作用させる事が可能、等の能力がある。
[アノマリア]
ヴィルトス能力者に生死に関わる危機や過酷な状況下に不定期に発現する場合がある、物理法則に干渉するメトセラの特殊能力。
[エフリクト]
質量消滅。一般的にはプロヴィデンスが行うパージと同じ現象だと言われている。
[セクンドゥ]
時間軸干渉。
[グラヴィタス]
重力制御。
[デコンポジション]
物質分解。
[プロヴィジオ]
分岐未来予知。
[メタリ]
ヴィルトスを有効に活用するためにCongohが開発した、地球上のありふれた金属を主材料としている合金。ヴィルトスを伝導・変換する媒体として形状を柔軟に変化させたり、充填・放出をコントロールするコンデンサー的な使い方が出来る。
ヴィルトス直接では生物に対して行使できない干渉力を、メタリを使用する事で発揮する事が可能になる。
[勁]
[NBS(Natural Born Shooters)]
ネイティブ・テラナーが非常に稀に所有している異能レヴェルの射撃能力。空間に極僅かに干渉することで、射線を修正し驚異的な命中率を得る能力と考えられている。
[プロヴィデンスの目(Eye Of Providence)]
プロヴィデンスとは直接関係無いが、映像記録システムとしては万能であるという所から付けられた名称。惑星上の絶対座標が判明している場合、その座標位置の映像を記録する事が出来るシステム。
[アヴァターラ]
ヒューマノイド・タイプのボディ(肉体)に、ゴースト(精神マトリックス)を転送した状態。ネイティブ・ヒューマノイドのボディにオーバーライドして精神転送をする事は倫理上許されないので、収集した(遺伝子)情報から作られている人造ボディ(有機生体ボディまたはメカトロニクスボディ)を使用している。特にDNAレベルから複製された高機能のアヴァターラは、通常の方法ではネイティブテラナーと区別する事が出来ない。アヴァターラのボディが破壊されると転送しているゴーストも死んでしまうが、近隣にある元のボディへ緊急の精神転送が行われるサルベージシステムも存在するらしい。
ボディにゴーストを移動するには、入念な準備が必要。精神活動を計測する装置を装着し、数日間測定を繰り返しアヴァターラボディの脳をフォーマットする。
ボディ間の移動を複数回繰り返すと、移動時に情報の欠損が起きてゴーストの崩壊が発生する場合がある。
[ケラウノス]
ヴィルトス能力を保有しているメトセラのみが発射可能な武器。メタリを含有した圧縮ガスから、アクセレーション・コイルによって紡錘状の弾丸を形成・発射する。
ライフリングが無いハンドガンやライフル型のケラウノスは、ユウ以外のメトセラが使用した場合、命中精度が非常に低く実用にならない。
ライフリングがある量産型は同じ銃身長のハンドガンと同等の精度があるが、リコイルが発生するので性能上のメリットが小さくなる。
ヴィルトスに依存する武器だが、地球上の既存技術のみで組み立てられているのでオーバーテクノロジーの範疇には入らない。
[ブレード]
非常に薄い形状に変化させたメタリを介して、分子結合に干渉すること。
適性と過酷なトレーニングが必要な技術のため、これを実用レヴェルで使えるメトセラは非常に少ない。