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王装少女キノン  作者: 澄澪
第1話 剣のアイドルと破壊の鉄球
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第05章

「今日は大会の基本ルールを説明するわね」

「はい!アリス先生!」

一人は、13歳になったばかりのキノンである。

もう一人は、アリス。20代後半ほどの女性でキノンの師である。

彼女らがいるのは鍛練場の脇にある宿舎の一室。

キノンとアリスの間には、大きめのテーブルがあり、その上には黒板がおいてある。

「試合は、10ポイント先取した方の勝ちなの」

「10ポイントですか?どうやったら、ポイントが入るんですか?」

「そうね、まずは、攻撃を当てること。でも、ただ当てるだけではダメなのよ。きちんとダメージが伴っていないとね」

そういいならがら、アリスは黒板の左上に

・クリーンヒット

・テクニカルヒット

・ハードヒット

と記入して、その右側に1ポイントと記入する。

「まずは、クリーンヒット、テクニカルヒット、ハードヒットよ」

「この3つは、何が違うんでしょう?」

「大きな違いはないわ。うまく当てたとか、ダメージが大きかったとか、ジャッジによって言い方が違うくらいね」

ジャッジとは、試合中に判定を行う人達の事である。

大概は、元アイドルが勤める事になる。

「んで、次がクリティカルヒット」

アリスは、先ほどの文字の下に

・クリティカルヒット 2ポイント

と、記入する。

「クリティカルヒットは、この3つのうち2つ以上の性能を会わせ持った攻撃でのポイントになるわ」

この3つ、 クリーンヒット、テクニカルヒット、ハードヒットを指し示しながら説明を続ける。

「次は、コンボポイント」

アリスは、さらにその下に

・コンボポイント 3ポイント

と、記入する。

「これはね、複数の攻撃を連続してヒットさせた時に得られるポイントなの」

「えっと、例えば、クリーンヒットを2回とか3回当てた時って事ですか?」

「残念、ちょっと、おしいわ」

そういうと、アリスは、手近にあって砂時計を目の前に持ってくる。

「例えば、クリーンヒットはこの砂時計をぶつける様な攻撃を指すわ」

と、砂時計を投げるしぐさをする。

「アリス先生。当たったら痛そうです」

「痛そうじゃないわ。実際に痛いのよ。でも、これがクリーンヒットのダメージの目安よ」

アリスは、砂時計をひっくり返してキノンの目の前に持ってくる。

「で、コンボポイントだけど、この砂時計の中の砂を当てるような攻撃の事よ」

「あ、それは、全然痛くなさそうですね」

「そそ、ダメージとしてはたいしたことはないけれど、この砂を全部当てるような攻撃ができたら、コンボポイントがもらえるのよ」

「全部ですか?難しそうです」

「まぁ、実際は、4~5回連続で小さなダメージを与えることができればこのポイントはもらうことはできるわ」

「う~ん、それだったら、なんとかなりそうですね」

「今の、キノンじゃ4~5回は無理でしょ?」

「あ、そうでした」

キノンは、ショボンと顔をうつむかせる。

「まだ、あるわよ?キノン、あなたにとって重要なポイントが」

「え?」

アリスは、コンコンと黒板を軽く叩くと

・ブレイクポイント 3ポイント

と、記入する。

「私たちの扱う王装は基本的に私たち自信の魔力で形成されているわ」

そういうと、アリスは中空に1本の剣を作り出す。

「この時の魔力の量で強度が決まるわ。これを最大耐久限界と呼んでいるわ」

アリスは今作り出した剣をテーブルへと降り下ろす。

パリンと、軽快な音をたてて剣は砕け散り、破片がキラキラと魔力へ還っていく。

「こんな感じでね」

キノンは魔力へと還っていくその姿を悲しそうに見つめている。

「このブレイクポイントはね、最大耐久限界を越えて砕けたあと3秒以内に再度、王装を構築できない場合に与えられるポイントなのよ」

「3秒?」

「そう、3秒よ。砕けでしまうことが問題じゃないの。砕けたあとどれだけ早く再生させられるかが、ポイントになるのよ」

だんだんと、キノンの瞳に輝きが戻ってくる。

「な、なるほど!じゃ・・じゃぁ・・・」


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