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第02章
「はぁはぁはぁ・・・・」
2人の荒い息づかいが周囲に響く。
キノンはそっと、腰の鞘に手を触れる。そして、右手の剣の刀身、最後に正面のベイキャントを見つめる。
「 キノン、お前も使えるんだろう?見せてみろよ!オレのこれも出すつもりは無かったんだしな!」
ベイキャントは、手にある「それ」を振り回しながらキノンへと声をかける。
(ホントにね・・・もう少しとっておきたかったんだけどなぁ)
と、心の中で呟きながら、ゆっくりと剣を鞘に納める。
「これは、ちょっと時間かかるのよね・・・」
会場全体の空気が少し変わる・・・・そう、何かに期待しているのだ。
「あたしも9ポイント、あなたも9ポイント。どっちも最後の攻撃になるのね」
「ああ、そう言うことだな・・・ただし、オレが勝つがな!」
「あたしだって、負けられない!」
その時、うっすらと鞘の鯉口から光が漏れる。
「準備は出来たわ」
キノンは、鞘から今までと全く違う光輝く剣を抜きはなった。
「あたしの光刃剣は誰にも止められないわ!!」