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今様見聞録  作者: 左鶏守
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第二十二話 卯月の始めのそら言のこと

 卯月の始まる頃、外つ国の様伝ふるもの曰く、「我が国、人に似て非なるものとの戦に臨みたり。なればまず軍を率ゐて星を出で、あかりぼしに行かむ。」と。翁、「これはまことか。」と問はば、男、「偽りなり。然れど、けふに限りてはそら言述べても許さるるものなり。これを見む。」と言ひて板を向けたり。それを見るに、日ごろ服など売る店、「海の底にて商ひ始めたり」や、日ごろ筆など作る所、「ひと度書かば、文字忽ち七色に光りて、激しく踊る筆作りたり。」など、そら言の並びたり。男、さらに「また、いたづらに人貶むることあたはず。明らかなるそら言の、好まし」と、言ひたり。

翁、「なぞ、そら言述べたるや」と問はば、男、「弥生より卯月に移るに、悪鬼にまことの伝はらば、忽ち甘き言葉にて人を惑はす。と言はれ、そら言にて身を守るが元なり。」と答へり。翁、これに「さやうな由緒のあるや。」と、ひとりごちれば、男曰く、「これもまた、そら言なり。」

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