記憶ノート
初めまして、天川裕司です。
ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。
また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。
どうぞよろしくお願い致します。
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
お暇な時にでもぜひどうぞ♬
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無課金でやっておりますので、これで精一杯…と言うところもあり、
お見苦しい点はすみません。 なので音声も無しです(BGMのみ)。
基本的に【ライトノベル感覚のイメージストーリー】です。
創造力・空想力・独創力を思いっきり働かせて見て頂けると嬉しいです(^^♪
出来れば心の声で聴いて頂けると幸いです♬
でもこの条件から出来るだけ面白く工夫してみようと思ってますので、
どうぞよろしくお願いします(^^♪
タイトル:記憶ノート
私の趣味は日記を書くこと。
幼少からこれまで、
いろんなことを書いてきて、
それを振り返るたびに
まるで自分のアルバムを
見て居る様な気にもなり、懐かしくなる。
でも、働き始めると
そうも言ってられなくなり、
仕事を終えて家に帰れば、
ベッドにバタンキュー。
自分の気持ちを吐き出す
はけ口を失ってしまった。
それからである。
私は心にストレスが溜まり続けて
思えばいろんなことに苛まれ続け、
気づけば精神疾患…
日常生活にもちょっと
支障が出るほどの
疾患を煩ってしまった。
(公園)
そんなある日の夕方。
私が公園で1人黄昏れて居た時…
レル「どうしたんですかこんな所で?1人ため息なんかついちゃって」
と親しげに声を掛けてくれる人が居た。
振り返ると結構な美人が立って居る。
彼女の名前は諏訪レルさんと言い、
都内でライフヒーラーや、
スピリチュアルコーチの様な仕事を
して居たらしい。
カウンセラーの仕事が主だったからか
話を聞き出すのが上手く、
私はその時、
自分が抱えていた悩みを
全て彼女に話してしまった。
レル「…そうですか。毎日の生活にストレスが溜まり続けて…」
「ええ…。なんだか、生きてるのがもうやんなっちゃって」
実はこれまでにリストラを3度され、
就活で走り回って見つけたのが、
この今勤めているボロ会社。
でもそこでもセクハラ・モラハラの毎日で、
否応なく、また嫌な過去を
思い出させられてしまう。
私は学生のとき強姦に遭った事があり、
それがトラウマになって、
まともな生活を歩めないように
なってしまった。
男性恐怖症の様なものにもなり、
恋愛はおろか、結婚も諦めて。
それだけじゃなく、
家庭事情も冷え切っていて
上京した大きな理由もその1つ。
父と母は毎日喧嘩で
事実上の家庭内別居。
父は何かと私に暴力を振るうようになり、
母は母で嫌な事があると
すぐに私に当たり散らす。
もうそんなのが耐えられなくて、
第2の人生を歩もうと
自分なりに夢を見始めて居たその矢先。
また人に言えない
嫌な事が立て続けに起き、
「自分の人生は不幸のためにあるものか?」
と一瞬ヒロイン気取りながら
本気で思ったほど。
レル「…誰にでもそんな過去がある…とは言えない様な生活でしたね」
そこでレルさんは
パッとこちらを振り向き、笑顔で…
レル「でしたら、このノート使ってみます?」
と1冊のノートを私に手渡してきた。
「…これ、なんですか??」
レル「フフ、日記帳です。先ほどあなた、子供の時から日記をつけるのが趣味だと言っておられましたね?」
「え、ええ…」
レル「ですが、最近はその日記をつける時間もないほどストレスに身をきらし、息絶え絶えの嫌な時間の連続だと…?」
「で、でも今はもう私…」
レル「もう1度日記をつけてみるのです。日記と言うのは心の鏡の様なもの。それを毎日読み返せば、今自分がどんな立場に居り、どんな状況に在るのかがよく分かります」
レル「そうすればその日記の中の自分を基にして、生活をどう変えていけば良いか、その答えも自ずと見えると言うもの」
「は、はぁ…」(なんとなく聞いてる)
レル「それにその日記帳は、ただの日記帳じゃありません」
「え?」
レル「日記といっても、そこに書くのは、あなたがその1日で経験してきた嫌な事、苦しい事をメインに書いて、それをその日記の中に封じ込めるんです」
「ど、どう言う事です…?」
レル「つまりあなたが嫌なことを経験されても、その日記にそのことを書けば、その嫌なことを綺麗すっかり忘れることができる…という事♪」
信じられない様な
変な事を言ってくるこの人。
普通ならそこで立ち去るのだろうが、
私はその時この人に
不思議な感覚を知ってしまった。
まずこの人にそう言われると
その気にさせられると言うこと。
そしてもう1つは、
この人がなんとなく
「昔からずっと自分と一緒に居てくれた人?」
…のような気がしてきて、
心が少しずつ解放的になり、
私はそのノートを受け取って、
その日から彼女に言われた通りに
生活して行ったんだ。
(数日後)
それから数日後。
また日記をつけるようになり始めた私は、
見違えるほど違う自分に慣れて居た。
それは生活が大きく変わった…
と言うのではなく、
私の中身が変わったと言う事?
つまりその日
嫌なことがあっても、
日記に書けば、
確かにその事を忘れることができ、
心をリセットする形で
毎日を送り始めることができた。
「ふふん♫ほんと、あんな事があってもどんな事があっても、私、プラス思考だけを取って生きて行ける…♪」
「ノート(これ)があればもう嫌な事は全部忘れて、本当に幸せな事だけを見つけられる様になるかも…」
そう思ったのも確かに本当で、
私はあの時から彼女にもらった
このノートを本当に重宝して、
良いことだけを
経験できる形で生活して居た。
そうするとまた心にも余裕が出てきて、
私はまたあの公園に行き、
今度はただ黄昏れて居るんじゃなく
公園から見える美しい景色を眺めつつ、
自分のひと時を
ゆっくり過ごそうと思って。
「う〜ん、気持ち良いなぁ♪」
今は春から夏にかけての涼しい季節。
過ごしやすく、
見える景色がこんなに美しかったなんて…
やっぱり心のあり方1つで
生活も自分の中身も変わるもんだ。
して居ると
あの人が又やってきたんだ。
「あ、レルさん?」
彼女もどうやら
この公園がちょっとお気に入りで、
何かとここによく来てたらしい。
レル「あら、こんにちは♪」
それから少し話が弾み、
私は心に余裕があったからか、
あの時のお礼をしっかり彼女に伝え、
本当にありがとう!感謝してます!
って気持ちを素直に、ありのまま伝えた。
彼女もとても喜んでくれ、
自分のことの様に、
私のそれからの門出を祝ってくれた。
でもこの時1つ、
注意のようなものを
私に言ってきたんだ。
「え?」
レル「その日記には必ず嫌な事だけを書くようにしてくださいね。あの時あなたは必ずそうするだろうと思って、その日記帳を渡して居ました」
レル「その日記帳は普通の日記帳ではありません。あの時に申し上げた通り、少し不思議な日記帳で、あなたが今経験して居られる通りの生活を約束し、つまりそれだけの力を秘めたノートと言うこと」
レル「良いですね?普通の日記は別のノートに書くようにしてください。その日記帳には嫌な事だけを書き、日常の出来事なんか普通のことを、間違っても書かないように」
何の事だかよくわからなかったけど、
とりあえずその場は丸く収めようと頷いた。
(オチ)
それからまた数日後。
私は今日も元気に生活して居る。
全部、彼女がくれた
この日記帳のお陰だ♫
「ふふん♫今日も良いことがあったなぁ。嬉しいなぁ」
私はなんと今日、会社の提携先で
1人の男性から告白された♫
とてもハンサムで紳士的で、
将来を約束してくれる様なそんな人。
そして…
(1人部屋で)
「よし、今日も書くぞ〜」
いつもの様にテーブルに向かい
日記を書こうとした時…
「あの人のことも書こうかな」
なんて気持ちがそっちに行って、
私は普段の日常の事を
その日記帳に書き始め、
起承転結を込めたストーリー風にした上、
あの人との出会いなんかを
美しく綴っていった。
そうした直後、
「え?…や、なにこれ…?!」
私の体がまるで
粒子分解するかの様に解けてって、
「キャアアアァァァ…」
と悲鳴を上げたかと思えば
そこで記憶が…。
(部屋に1人レルが立つ形で)
レル「…あれだけ言ったのに、日常の事、普通の事は書くなと」
レル「この日記はね、書いた出来事を吸い込んで、ノートの中に封印してしまうの。だから、嫌な事も本当に忘れることが出来ていた」
レル「日常の事を書いてしまえば、あなたの日常もこのノートに吸い込まれ、失くしてしまう」
レル「あなたの恋人はとりあえずあなたとは無関係だから、私が動いて消えないようにはしてあげたけど、この日記を書いた張本人あなたはその消える定めから逃れられず、結局こうなっちゃった」
(日記帳を拾い上げながら)
レル「…フフ、こう言うのも伝記って言うのかしらね。その人の日常の出来事を全て収めた書物…それを伝記と言うならその書物はどれ程のページに上るだろう…?」
レル「文章にしてみると儚いけれど、あなたの感情や生い立ち…それまでの歴史と生活が、この文章の間に確かにあったのよね」
(※)これまでにアップしてきた作品の内から私的コレクションを再アップ!
お時間があるとき、気が向いたときにご覧ください^^
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=B9IOqKn0IDQ&t=181s
少しでも楽しんで頂き、読んだ方の心の糧になれば幸いです。
サクッと読める幻想小説です(^^♪
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