私立京都洛中高等学校 古武道部②
授業が終わり、光と渉は部室に向かった。
洛中高校の武道場は2か所あり、小さい方が柔道部と剣道部の共用で、大きい方が古武道部専用だ。
古武道部の部室は部員と顧問しか入れない。正確には入ることができない。
なぜなら呪禁で結界が張ってあるからだ。その結界をすり抜けるにはまじないをする必要がある。
腕の良い一般のまじない師なら1年程で開けられるだろう。
しかし光と渉は呪禁師だ。そのまますっと入ることができる。
「おせーぞおまえら!はやく着替えてこい!」
体育会系の挨拶をするのはもう一人の部員、平家 摩耶だ。
摩耶は3年で光たちより1年先輩である。
彼女は長い髪をツインテールにしている。
全体がラベンダーで毛先がピンクという派手髪で、ツンとした美人系の顔だ。
少し吊り上がったアーモンドアイが東洋的な美しさを醸し出していた。
派手な黄緑のジャージを着て、もうアップを済ませているようだった。
練習用の棒術の6尺棒でオラオラと光と渉を追いやっている。
光と渉はちんたらとジャージに着替えて道場に集まった。
準備運動を済ませると、3人で順番に組手を始めた。
組手とは模擬的な自由攻防訓練のことだ。ここでは自分の特異な型でぶつかり合っていた。
光は躰道、渉は空手、摩耶は八極拳といった具合に動きやすい形で対戦して組み合った。
ここでは型より、ひたすら実践的な動きで練習が進められている。
組手でも確実に急所を狙って当てにきていた。
ここでは呪禁師として戦う際の自身の体術の訓練をしている。
呪禁の特殊能力で戦うにしろ、体術ができなければ近接戦闘になった際危険だから。
そう、この京都私立洛中高校 古武道部は呪禁師の中枢機関なのだ。
そして光と渉は最強守護呪禁師、「四神相応」の一人なのである。
光には「青龍」渉には「玄武」の称号が与えられており、呪禁師の階級の中で最上位の位だ。




