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The OUTRAGE  作者: hygirl
91/126

91話


 リクトが怪しい、そしてリクトがこれまでの状況を意図的に作り上げているとして可能性を語ったヒロムとそれを聞いていたシンクやクロトたちのもとへ姿を消したリクトが現れるが、現れたリクトの異質な雰囲気を感じ取ったヒロムたちは彼に対して警戒するような目を向けようとし、彼らの視線を受けるリクトはヒロムたちのもとへ近づこうとせずに離れた位置でため息をつくなりヒロムに向けて問うように話し始めた。

 

「……いつからだ?いつからオレを怪しんでいた?」

 

「別にいつからとかそんなんじゃねぇ。オレはオマエと再会したあの時からさっきまではオマエの事を信用していた。けど……疑念はあった。この研究施設に対しての人の出入りを捉えたカメラ映像、今考えるアレは不自然過ぎて気持ちが悪い」

 

「不自然だと?」

「正確に捉えすぎていたんだよ、十神シエナとオマエの姿をした牙堂詠心と死獅王……だった獅天の姿を監視カメラが撮影していた事を伝えられた。けど、それがおかしかった。これまで情報を掴ませないように闇に紛れていたようなやつらがここに来て足取りを簡単に掴めるような失敗をするのかってな」

 

「《八神》の敷地で十神シエナはオマエがパラディンとの戦闘で見せた力から新たな力を得ていた。それについては……

「疑念の根拠は他にもある。リクト、オマエ……どうして他国の禁止されてるクローン培養技術の事を知れた?」

 

「……」

「答えられないか?まぁ、無理もないよな……その情報を与え実行させたのはオマエだろ、リクト」

 

「「!?」」

 

 突然のヒロムの言葉、十神シエナたちはクローン培養技術についての情報をどのようにして得たのかについてヒロムがリクトが教唆したと発言し、ヒロムのその発言を聞かされたシンクやクロトたちが驚きを隠せずにいるとリクトは少し面倒そうな顔をしながらもどこか嬉しそうに少し笑みを見せるとヒロムに向けて質問をした。

 

「証拠はあるのか?」

「今思えば……って話になるが牙堂詠心がオマエの姿をしたクローンを生み出したのが不可解だった。消息不明の状態にあるオマエの姿を模してこの研究施設を利用するにしても十神シエナがいる時点でかつての《十神》の力を使えばこんな施設くらい使おうと思えば使えたはずなのにどうして行方知れずのオマエを選んだのかってな。オマエの姿を模すくらいなら実害の出るオレやシンク、今必死に償おうと頑張ってるトウマあたりを選んだ方が賢明なのにどうしてそうしなかったのかってな」

 

「遺伝子情報の有無と思わなかったのか?」

「思ってた。過去オマエがこういう研究施設の管理を任されていたって話を聞いていたしその過程でオマエの遺伝子情報が残っててもおかしくないだろうって。けど、よく考えてみればおかしな話だった……十神アルトの件で《十神》の人間は例外無く監視の目が強くなっているこの状況で何故自由に動けて何故オマエの遺伝子情報を獲得出来たのか、そこを証明する術が見つからなかった」

 

「……それで?」

「だから考える角度を変えた。これまではオマエが関与していない敵の独自路線による行動で思考していた。けど、オマエが関与しての敵の行動だとしたら……不思議な事に繋がらなかったものが綺麗に繋がるようになった」

 

「思考の仕方を変えただけ、か。その程度の事でオレが疑われたというのは心外でしかないが……アスランの件や十神シエナの発言についてはどう説明する?」

「その辺も考えたがアスランは巻き込まれただけの被害者だ。海外でパラディンが目撃された、その事実を作るためにオマエは十神シエナに適当な人間を雇わせ密入国船を《八神》が調べるよう仕向けた段階でアスランが引っかかっただけだ。それと十神シエナと牙堂詠心の記憶を改竄したのはオマエだろ?」

 

「ほう……」

「2人の記憶はレイガや獅天ほど弄られてないが肝心のオマエが協力者という点に関する記憶は消しておいたんだろ?レイガと獅天の記憶の改竄に利用した装置を使ってオマエが自分の存在を消した……違うか?」

 

 リクトが十神シエナや牙堂詠心の協力者であったとしてこれまで起きた事について自身の考えと推理を語るヒロム。確信に迫るべくヒロムは真偽を問うようにリクトに問い尋ね、ヒロムに問われたリクトは……

 

 

 

 

 笑っていた。

 

「ハハハハハハ!!」

 

「その反応……やっぱり……!!」

 

「……オマエなら辿り着けるだろうとは思っていたがこんなにもあっさり辿り着かれるとは思わなかった。流石は覇王、流石は日本を救った英雄様だ」

「何でだ……何でなんだリクト!!オマエはあの時、オレとの戦いの後に考えを改めてくれたんじゃないのか!!」

「そのつもりだったさ。けど、オマエとオレとでは考え方が大きく違ったらしい」

 

 リクトはヒロムたちにとって裏切り者、敵であると認めた彼に対して感情を抑えられないヒロムが叫ぶもリクトは聞き流すかのように冷たく言葉を返し、リクトが指を鳴らすと彼のもとへヒロムたちが倒したパラディンが発動し取り込んでいた《キング・ギア》と《クイーン・ギア》が発動前の状態で現れ……

 

「全てはこの世界のため……そして、これはオマエのためでもある事を理解してもらいたい」

 

 全ては世界のため、そう語るリクトの瞳にはもはや……

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