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The OUTRAGE  作者: hygirl
85/126

85話


 パラディンを相手にするヒロムとシンクに加勢するかのように敵に対して攻撃を仕掛ける形で戦線に現れたレイガと獅天。

 

 2人の登場は予想していなかったシンクが少し驚いたような反応を見せているとパラディンは2人の方を向きながら首を傾げ彼らに対して何やら不思議そうに尋ねようとした。

 

「何故キミたちがここに来た?キミたちはここに来たところで何も出来ない、それを理解していないのか?」

 

「それはオレとレイガが貴様の弟子だから手の内の全てがバレていると言いたいのか?それともオレとレイガが貴様にとってただのモルモットでしかなくそのモルモットの中身を把握してるという意味で言ってるのか?」

 

「両方、だ。私にとってキミたちは優秀な獣身武闘拳の弟子であるが故に体術のほとんどを理解している。そして私の理想のための人体実験の被検体としてのキミたちの性能も想定外の事態を除けば私の理解の中に収まっている」

 

「ならオレと獅天がオマエの想定外の領域に達すればいいだけのことだ」

「しかしそれはキミたちがここに来るのがあと少し早ければの話だ。《キング・ギア》を発動させ《クイーン・ギア》を回収した今の私はキミたち程度の想定外ではどうにも出来ない」

 

「残念だがその程度の理解なら貴様は凡夫以下だ」

 

「……何?」

「強き者は強き者と相対する時呼応し強さを引き出す、貴様が師範としてオレたちに説いたこの言葉の通りにレイガは強き者たる姫神ヒロムの心に触れて真価を発揮した。このオレも強き者となったレイガの拳を受け思いを感じた事でその道を見つけられた。そして……今ここには貴様を倒そうとする強き者が何人も揃っている。ならばその呼応は貴様のその余裕すら打ち破る想定外を生み出せると思わないか?」

 

「奇跡に頼ろうと?そんなものに頼るようでは強き者とは言えないな」

「奇跡では無い……これは強き者たちの集結と共鳴による必然だ」

 

「必然……それは奇跡というものを正当化するための詭弁だ!!」

 

 獅天の言葉を否定したいパラディンは強く言葉を発すると同時に獅天とレイガに向けて闇を強く撃ち放って仕留めようとし、パラディンの放った闇が迫り来る中レイガと獅天は迎撃しようと身に纏う力を高めようとした。が、そんな2人の事を守るかのように氷壁が現れて闇を防ぎ止め、氷壁が闇を防ぎ止めた事にレイガと獅天が驚いているとシンクは冷気を強く纏い氷の剣を構えた状態で走り出すと2人に向けて冷たい態度で少し強い口調で言葉を伝えようとした。

 

「手を貸せ。あの男を仕留めてオマエらの正しさを示すのなら加担してやる」

 

「氷堂シンク、貴様が手を貸してくれるのならば大いに助かる!!」

「行こう、獅天!!」

「やるぞレイガ……貴様が見せてくれた覚悟、今度はオレが繋げてやる!!」

 

 シンクの言葉を受けやる気を高めるレイガと獅天は氷壁を躱すように左右に広がるように走り出すと両サイドからパラディンを挟み込もうと接近しようとし、2人の動きを察したシンクは氷の剣を2本に増やし二刀流となると一気にパラディンに接近して連続斬りを喰らわせようとした。

 

 シンクの二刀流による連続斬りが放たれるとパラディンは闇を纏いながら素早く動く事で全て躱してみせると手刀で氷の剣の一方を破壊してシンクの攻撃力を低下させようとするが、パラディンがシンクの氷の剣を1本破壊したその裏でレイガは緑色の炎を纏いながらパラディンに接近すると連続蹴りを喰らわせようと放ち、シンクの氷の剣を1本破壊した直後のパラディンはレイガの接近に気づいていたのか手刀を構えたままレイガの連続蹴りを全て防いでみせ、さらにパラディンは連続蹴りを放った直後のレイガとの間合いを詰めて彼の頭を掴むと地に叩きつけてやろうと勢いよく彼の体を持ち上げ素早く振り下ろそうとした。

 

 が、そのパラディンの行動を邪魔するように獅天が黒い風と雷を纏った拳で背後からパラディンを殴ると共に纏う力を炸裂させ衝撃を叩き込んで怯ませる事でレイガの頭を掴む手を離させ、自由を取り戻したレイガは着地と同時に右拳に緑色の炎と雷鳴を纏わせながら構え、獅天もレイガに合わせるかのように右拳に黒い風と雷を纏わせながら構え、そして……

 

「「はぁっ!!」」

 

 レイガと獅天は同じように右拳にそれぞれの力を纏わせ構えると同時にパラディンに向けて右拳で一撃を放って叩き込み、2人の拳が同時に叩き込まれるとパラディンの体に黒い力と緑色の力が叩き込まれた衝撃と共に炸裂して強大な力となってパラディンにこれまでにないダメージを与えた上で勢いよく吹き飛ばしてみせた。

 

 勢いよく吹き飛ばされたパラディンは倒れてしまうも素早く立ち上がろうとするがパラディンが立ち上がろうとしたその瞬間、2人の叩き込んだ力によるその衝撃が終わっていないのか更なる力が生じてパラディンにダメージを与え苦しませていく。

 

「がっ……!!」

 

「見たか牙堂詠心……!!」

「これがオレと獅天の……」

 

「「獣身武闘拳の誇りを信じる者の力だ!!」」

 

「小癪な……!!」

 

 レイガと獅天、2人の介入により流れは大きく変わった。そんな中、ヒロムは……

 

 

 白銀の稲妻を纏いながら立つヒロムはパラディンを視界に捉える中で変化を迎えようとしていた。

 

「そうか……それなら……」 

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