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The OUTRAGE  作者: hygirl
77/126

77話


 シェリーのもとに現れた《クイーン・ギア》と彼女が呼称するキューブ状の装置。全容の分からないその装置を前にしたヒロムとクロト、精霊・フレイとラミアは何かがあるとして警戒心を高めようとした。

 

「質問、ヒロムはアレをどう見る? 」

「あの女の言い方からしてパラディンとここで開発して何かのきっかけで完成した兵器だろうな。あそこからアレが展開されるのかアレがあの状態から何かを起こすのかは謎だが……」

 

「マスター、それよりも気になるのは彼女が口にしたあの装置の名前……《クイーン・ギア》と言っていたのが気になりませんか?」

「名前?別にそれは……」

  

 警戒心を高める中でヒロムとクロトがキューブ状の装置について考察しようとしているとフレイはシェリーが口にした《クイーン・ギア》という呼称が気にならないかとヒロムに尋ね、フレイに尋ねられたヒロムはとくに気にならないような事を口にしようとしたが、今自分たちがいる研究施設が《八神》に関係があった場所だということを思い出すとフレイの言葉が何を気にしたものなのかを理解してしまう。

 

「……ギア・シリーズか」

「はい。パラディンが何故リクトの容姿を選んだのか、何故彼女やパラディンがこの施設を利用しているのか……私たちの持つ情報だけではここに来たのは『マスターと私たちの繋がりの力の悪用』と『不完全なクローン培養技術の完成』の両方の阻止だけが目的になっていたので注意深くないと気づきにくいですが、名前からして間違いないかと思います」

 

「解説、ヒロムと精霊の今の話に出たギア・シリーズってのは何だ?」

「簡潔にまとめるならリクトが所属していた《角王》って部隊にはそれぞれの力を最大限に引き出すための武装が用意されていたんだ。その総称がギア・シリーズってことだ」

 

「理解、つまりあの女はその武装を生み出したということか?」

「そうなるな」

 

「確認、そうなるとあの女の持つアレはあの女の力を最大限に引き出すためのもの……つまり、未知数といえるあの女の能力を高めるためのものなんだな?」

「そうだ。だが……」

(アレが角王専用武装のギア・シリーズなら疑問が生じる。ギア・シリーズは人間の魂を対価に生み出した忌むべきもの……もし仮に不完全なクローン培養技術による魂無き器を生み出し代用しようとしても魂が無いのなら成立はしない。そして何より……あの女の能力はどれを指す?オレ相手に披露した障壁か?それともあの闇か?ギア・シリーズについて詳しくないから何とも言えないが……)

 

「……今はあの女を倒す方向で集中するぞクロト、フレイ、ラミア。アレの正体とか中身なんて二の次だ!!」

「御意、倒すだけに専念だな」

 

「「了解!!」」

 

 謎の全てが解決したわけじゃない、だが全てを解決させるのを敵が待つわけが無い。ならばやる事は決まっている。

 

 シェリーを倒す、ただその1つの事で解決すると考えたヒロムはクロトやフレイ、ラミアに目の前の敵を倒す事に集中する旨を伝えて余計な事を考えず戦いに専念しようとした。

 

 そんなヒロムたちの会話が終わるのを余裕があるのか待っていたシェリーは闇を纏う中で不気味な笑みを浮かべると《クイーン・ギア》と呼称したキューブ状の装置に手を伸ばして纏う闇を注ぎ込み始め、闇が注がれたキューブ状の装置は不気味な光を発すると彼女の足下に魔法陣を出現させる。

  

 何か企んでいる、それを目の前で起きる現象から容易に予想したヒロムたちは一斉に走り出すと彼女の企みを阻止するべく攻撃を仕掛けようとした。

 

 だが……

 

「手遅れよ……クイーン・ギア、起動!!」

 

 ヒロムたちの行動を『手遅れ』と告げたシェリーが叫ぶと《クイーン・ギア》は展開され、《クイーン・ギア》が展開されると魔法陣は気味の悪い赤い闇を放出させるとシェリーの全身を飲み込んでいき、闇に飲まれたシェリーは何やら苦しむような反応を見せながら魔法陣が放出する赤い闇を体内へと勢いよく取り込み、そして……

 

 

「あぁぁぁぁあ!!」

 

 シェリーが叫ぶと魔法陣が砕け散ると同時に闇の中から禍々しい腕が無数に現れてシェリーの体を貫き、シェリーは自らの体を貫く無数の禍々しい腕をも取り込み全ての闇をも取り込んでみせると一瞬にしてドレスを彷彿 させる真紅の禍々しい鎧に身を包んだ鉄仮面の化け物へと変貌してしまう。

 

 シェリーが化け物へと変貌すると《クイーン・ギア》は圧縮されるかのように菱形の結晶体となって彼女の胸部に埋め込まれ、変貌を遂げたシェリーは闇を纏うとヒロムたちに向けて手をかざすと瞬間で数多の光線を生成・掃射して接近しようと向かってくる彼らを迎え撃とうとした。

 

 シェリーの放った光線に対してフレイとラミアは前に出るとヒロムとクロトを守り道を切り開こうと手に持つ刀剣武器を構えて次々に切り払い、フレイとラミアが光線を対処するこの瞬間を無駄にしないためにヒロムとクロトは加速してシェリーの左右に位置取るように素早く移動すると挟撃を決めようと攻撃を放とうとした……が、ヒロムとクロトが挟撃を決めようと攻撃に移ろうとすると2人は突然闇と衝撃に襲われ吹き飛ばしれてしまい、さらに光線を対処していたフレイとラミアも闇と衝撃に襲われ吹き飛ばされてしまう。

 

 吹き飛ばされたヒロムたちは倒れないよう何とか受身を取ると構え直そうとし、ヒロムたちが構え直そうとしている中でシェリーはヒロムの方を見ながら肉体を浮遊させると闇を強く纏いながら彼を威圧しようとした。

 

「ほんの少し力を放っただけでこれだけの強さ……これが私の求めていた力!!姫神ヒロム、オマエは私を敵に回したことを後悔しながら死を迎える……そしてあの世で私がこの世界を統べる光景を見届けるのよ!!」

「言ってろブス。オマエの余裕、その醜いツラと一緒にギタギタにしてやる!!」

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