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The OUTRAGE  作者: hygirl
75/126

75話


 獣身武闘拳の奥義、龍と虎の力を体現するというレイガが放つ『獣極拳』という一撃が死獅王に叩き込まれた。

 

 傍から見るヒロムやクロトからすれば単なる正拳突きのようにしか見えなかった。だがその実、レイガの放つこの一撃はそんな生半可なもので済むものではなかった。

 

 死獅王の体へとレイガの拳が叩き込まれると炸裂音が轟くかのような強い衝撃が周囲の地面を破壊し、さらに死獅王の全身をレイガの正拳突きにより叩き込まれる衝撃が駆け抜けるとそれは死獅王の体を突き抜けるようにしてその背後数m先までに及ぶ地面を破壊してみせた。

 

 《破撃》という力を纏いながら放たれた獣身武闘拳の奥義、外部からの力の付与による強化を加味したとしても今この瞬間放たれた一撃はヒロムやクロトもその威力に驚かされるしか無かった。

 

「アレが……獣身武闘拳の奥義!!」

「愕然……!!過去を乗り越えたレイガがアレほどまでの力を放てるなんて、予想外過ぎる!!」

 

「腐れ外道に肉体的部分をオレに匹敵するように仕上げられた……とか言われてたけど、こんなもん見せられたら匹敵するとか思いたくねぇな。奥義の一撃、その面に関してはレイガの方が上だ!!」

 

「あ、ありがとうございますヒロムさん!!」

 

『ガァァ……』

 

 レイガの奥義の一撃、その威力に驚かされるヒロムがパラディンが語っていた言葉について訂正を入れながらもレイガを認めるような発言をして彼を讃えるとレイガが嬉しそうに感謝の言葉を口にするとそのレイガの一撃を受けた死獅王が苦しそうな声を発しながら膝をつき、その声を聞いたヒロムとレイガの中に警戒心が生まれる中、彼らの予期せぬ意外な展開が起き始めた。

 

 レイガの一撃を受けた死獅王、その死獅王の体に大きな亀裂が生じていき、死獅王の体に生じていく亀裂を目にしたヒロムたちが驚いたような反応を見せていると亀裂は彼の全身に広がり、そして広がった亀裂を起点に彼の体はまるでゆで卵の殻が剥かれるかのように黒い鬼人となった肉体が硬質化したかのように無数の欠片となって崩れ始め、そして……

 

「うっ……」

 

 崩れる黒い鬼人の肉体の内側から死獅王……否、獅天が苦しみから解放されたかのように現れて倒れそうになり、獅天が倒れそうになるとレイガは身に纏う緑色の炎と雷鳴を消すと慌てて彼に駆け寄り体を支えようとした。

 

「獅天!!」

「うっ……レイガ……?」

「よかった……」

「……どうして、殺さなかった……?」

 

「殺すわけないだろ?アンタもアイツの被害者だったんならオレにとっては憎むべき相手ではなく尊敬する兄弟子で頼りになる存在だから」

「……甘い野郎だ、貴様は。だが……その甘さが優しさとなって救ってくれたんだな。ありがとう……」

 

 苦しみから、そして牙堂詠心(悪意の利用)から解放されレイガに支えられる獅天は弟弟子と触れ合う中でどこか喜びにも近いものを見せており、ヒロムとクロトはレイガと獅天を見守るように離れたところで見届けると切り替えるかのように研究施設の方に視線を向けると両者揃って殺気を纏い始める。

 

「クロト……言わなくても分かるよな?」

「愚問……ヒロムが何を求め何を成そうと考えているかは理解している」

 

「ならやるぞ。オレたちのやるべき事を……!!」

「御意、任せろ」

 

 

「今すぐぶっ飛ばしてやるからそこで大人しく待ってやがれ……牙堂詠心!!オマエだけはここでぶっ飛ばす!!」

 

 レイガと獅天、2人の若者の未来を弄んだ牙堂詠心ことパラディンへの怒りを抑えられないヒロムは敵を倒す宣戦布告を声高々に決めるとクロトと共に走り出して研究施設内部へ乗り込もうとした。

 

『……どいつもこいつも私の計画を邪魔しおって!!そんなに戦いたいのならば相手をしてやる!!私がこの手で……私の力でオマエたちを葬ってやる!!』 

 

 殺る気しかないヒロムとクロト、2人の接近に対して研究施設の中で見るパラディンは2人との戦闘を受けて立つかのような言葉を発し彼らを倒そうとこちらも殺る気を言葉で示そうとしていた……が、その言葉の直後、研究施設の内部へ入るための扉が開かれると武装した兵士たちが数十人現れてヒロムとクロトに迫ろうとした。

 

「「!!」」

 

『ただし、タダでは相手をせん。調節済みの強化戦士たちの相手をして無事に辿り着けたら……私がこの手で殺してやろう!!』

 

「はっ……上等だ!!」

 

 現れた兵士たちを倒して辿り着けたら相手をする、パラディンが語ったこの言葉にヒロムは俄然殺る気を高めるとクロトを置いていくかのように加速すると同時に兵士たちの群れの中へと突っ込むように接近すると同時に数人を殴り飛ばし、そしてヒロムは近くの兵士の頭に回し蹴りを叩き込んで地に伏せさすと自らの殺る気を示すかのように叫んだ。

 

「クロト!!コイツら相手に不殺も何も気にする必要は無い!!気が済むまで殺れ……オレたちの邪魔をする害悪は跡形もなく消すつもりで殺れ!!」

「快諾、殺して構わないなら容易いことだ!!」

「目指すは牙堂詠心、ただ1人……!!他のやつらは不要!!」

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