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The OUTRAGE  作者: hygirl
70/126

70話


 突然発生した輝きに連動するように起きた炸裂と衝撃により吹き飛ばされ壁面へ叩きつけられた死獅王。当然、壁面への衝突によるダメージは免れる事が出来ず負傷してしまい、死獅王が立て直そうとする中でクロトはヒロムのもとへ駆け寄ると彼に何をしたのかを尋ねようとした。

 

「質問。ヒロム、今何をした?」

「時間差攻撃、1度限りの騙し討ちだが効果はあった」

 

「疑問、何をどうやったらあんな事が?」

「ヒロムさん、今の技は……」

 

「別に大した事はしてねぇんだけどな……」

 

 ヒロムが何をやったのか聞き出そうとするクロトに続くかのようにレイガも2人の輪の中に加わるとヒロムに対して質問しようとした。


 2人はヒロムが思ってる以上に気になっているらしく、戦闘中ではあるがヒロムは死獅王に何をしたのかを詳しく語り始めた。

 

「大した事じゃないってのは事実だ。ただ死獅王に一撃を叩き込んだ時に拳撃の命中の時にその拳にだけ精霊の繋がりから成る稲妻の力を瞬間だけ纏わせながら殴ってインパクトのタイミングで相手の体に流し込んだんだ。で、こっちのタイミングで稲妻をもう1回だけ拳の表層に1秒に満たぬ時間駆けさせて共鳴反応を呼び起こして炸裂を引き起こしその衝撃でアイツを吹き飛ばした」

 

「問題、稲妻の力は温存しておけと……」

「部分的必要な場所に限定的に纏わせる、これなら消耗云々を気にせず抑えながら実行出来る上に色々な応用が利くようになる」

 

「部分的に纏わせるだけじゃなくて追加効果って……」

 

「驚愕、そんな事を……」

(天才、ヒロムのセンスの高さは知っているがそれでもこれは規格外だ。ヒロムが今言っているのはあくまで使用用途の限定化と規模縮小、連鎖反応の付与だがこれらは簡単な事では無い。これを真似しろって言われたとすれば、それは生卵を割れるようになった子供に片手割りをやれと言ってるのとほぼ同じで難題すぎる。ましてこの数時間でこれだけの事をやれるようになったとなると……)

「脱帽、やはりヒロムは何よりも優れた能力者と言えるな」

 

「はぁ?急に何言ってんだよクロト。単にオレは体内を流れる魔力を外に放出して纏えない代わりに纏って使おうとした稲妻を効率よく使える方法で試しただけだ。戦闘センスだけで見てもクロトでもやれるはずだ」

「誤解、オレはそもそもその発想に到達出来ない。だからやはり……

「そんなにオレを吹き飛ばした事が喜ばしいか?」

 

 ヒロムが何をしたのか解説し、クロトはヒロムの技術について流石だと称賛するがヒロムもクロトなら実行出来ると伝えるもクロトはそれを否定しようとした。そんなクロトの否定の言葉を消すかのように死獅王が黒い風と雷を纏いながら戦いに復帰しようと動き始め、死獅王が動き始めるとヒロムはクロト、レイガと共に並び立ち構えようとし、やる気を見せる3人を前にした死獅王は纏う力を強くさせるとヒロムを睨みながら彼に向けて唐突にある質問をぶつけようとした。

 

「覇王、貴様は何故それほどの強さを持ちながら無駄な事をする?」

 

「あ?無駄だ?」

「不明、ヒロムの何が無駄なのか教えろ」

 

「ヒロムさんの行動の何が無駄だって言うんだ死獅王!!」

 

「力ある者が強き者となって弱き者を従え支配する、弱肉強食が絶対の世界の実現は貴様のような強き者を生きやすくするためのもの、貴様はそんな世界の実現を妨害するつもりか?」

「力無き者が虐げられる世界なんざごめんだ」

 

「ならば力を持つ者はその力を奮えずに終われというのか?貴様はこの国を縛る《十家》という法を壊した。その結果秩序は乱れこの国は不安定となった」

「だから好き勝手できるようにオマエが変えるってか?オマエが言ってんのはわがまま通じないガキが自分勝手出来るように勝手な事言ってるのと変わんないんだよ」

 

「強い者が己の意志を貫けぬ世界に自由も正しさもない!!」

「その世界とやらにクローンを解き放つのがオマエらの計画だとでも言うのか!!」

 

 死獅王の問いから始まったヒロムと死獅王の2人のよる口論、ついにはお互いが容赦なく強い言葉を口にし相手に意見をぶつけるまでに発展するほどになっていた。が、その発展が思わぬ展開を招く事となった。

 

 ヒロムが死獅王の言葉に対してシェリーやパラディンが扱おうとしているクローン培養技術に関して触れるように言葉を返すと死獅王は突然、ヒロムの発した言葉に対してヒロムたちからするとおかしな反応を見せるのだった。

 

「クローンだと……?何を言っている?」

「は?」

 

「何言ってんだオマエ?オマエと手を組むシェリーって女やあのパラディンって名前変えてる師範だった男が使おうとしてるクローン培養技術の事だ、知らないはずないだろ!!」

 

「何を言っている……クローン?それに、師範だった男……?何がどうなっ……」

 

 クローン、それについてヒロムに言葉を返される際に伝えられた死獅王はまるで何も知らぬかのような反応を見せ、その反応が嘘にしか見えないレイガがクローン培養技術に関与しているパラディン……つまりは牙堂詠心だった男に関して発言すると死獅王は先程までの強者のような振る舞いをしていた同一人物と思えないような動揺を見せ、そして……

 

 

『余計な事をしてくれたな……姫神ヒロム、そしてレイガ』

 

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