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The OUTRAGE  作者: hygirl
66/126

66話


 鬼桜葉王が手配した移動手段……車かと思われていたが場所が遠いのか来たのは軍用のヘリであり、用意を済ませたヒロムはクロト、レイガ、アスラン、リクト、そして《八神》から調査員の指揮を命じられたシンクと共にそれに乗り込むと目的地となる研究施設から10kmほど離れた所に着地して陸路から警戒しながら目的地付近にまで到達しようとしていた。

 

 移動を重ねようやく目的の研究施設が見えるとヒロムたちは物陰から様子見するように身を潜め周辺状況について確認しようとしていた。

 

 するとそこへ……

 

「ボス、ご苦労さまス」

 

 一時的に《一条》に帰還する形で離れていた羅国キラが音も立てずにヒロムたちのもとへ現れ、キラが現れるとヒロムはもちろんクロトやレイガは少し嬉しそうな反応を見せた。

 

「キラ、来てくれたのか」

 

「合流、離れてから時間はそんなに経っていないのに懐かしく思えるな」

「これだけ早い再会だとヒロムさんに頼まれた情報収集と誘導は大して出来なかったんじゃないのか?」

 

「あー……ボス、怒らないで聞いて欲しいんスけど。実はオレが《一条》に戻った目的、バレてたんスよ」

「そうか。キラとこうして合流したので何となく察しがついたけどバレてたか」

 

「まぁとくに怒られたりはなかったんスけど、とりあえず仕事は完遂してこいと送り届けられたんスよ」

「余計な事はせず事の解決に集中しろって念押しか。けど、キラが来てくれたのなら施設内での作戦も組みやすいな」

 

 キラとの合流、一時的な別れから再会まで期間で見るとかなり早いものであったがヒロムはキラが加わった事で研究施設の内部での行動に対しての作戦を組みやすいと語り、キラがヒロムたちに合流して少し会話をするとシンクは咳払いをするとヒロムたちに本来の目的とそれに対しての確認を行おうとした。

 

「……盛り上がるのはいいが忘れるなよヒロム。十神シエナとパラディン、そして死獅王はあの施設の中にいる。内部ではおそらくクローン培養技術が実行され、その培養技術にさっきの戦いでヒロムが取り戻した精霊との繋がりによる恩恵に関するデータが入力されている可能性がある」

「最悪、数人規模の最新版クローンが完成してるってか?」

 

「可能性の話をするなら、だ。だがクローン培養技術を発展させたところで所詮は器の補強程度だとオレは思っている。阻止するにしても今ならまだ間に合うだろうな」

「そうか……なら、シンクは調査員と一緒に内部に潜行してくれ」

 

「ヒロムたちは?」

「キラはシンクと調査員を能力で内部に転送後にアスランと共に内部から装置等破壊による施設機能の破壊、オレとクロトはレイガと正面から攻める」

 

「正面からですか?」

「疑問、オレたちも内部に入らないのか?」

 

「敵の主戦力となる3人を分断するためだ。シンクとアスランが内部に入りさえすれば2人の戦闘力を知る十神のあの女は何が何でも阻止するために動くはずだ。パラディンの方はどう動くか見当しにくいけど、死獅王はレイガが現れさえすれば姿を見せるはずだ。死獅王もレイガと同じように因縁にケリをつけたいだろうからな」

 

「ヒロムさん、オレ……」

「心配すんなレイガ。もしもの時はオレが何とかしてやる」

 

「忠告、鬼桜葉王はあの力は温存しておけと言っていたぞ」

「分かってる。けど……敵1人を止めて多くの命を救えるってんなら出し惜しみする理由なんて無いだろ?」

 

「理解……その通りだな」

「けど、葉王がどこで見てるかも分からねぇから温存する方向ではある。そのためにクロトとレイガを選んでんだからな」

 

 シンク及び《八神》からの調査員にキラとアスランが同行、キラの能力で研究施設内部への侵入と調査の援護と研究施設内の装置等破壊、ヒロムはクロトとレイガと共に正面から攻めるという方向性で作戦が決まり、ヒロムの考えのもとで作戦が決定する中でリクトは何やらスマホ端末を取り出すと軽く操作した後にシンクにそれを手渡した。

 

「これは?」

「この施設の内部情報……マップだ。あそこはオレが《角王》の頃に何度か来た事がある施設だからネットワークにアクセスしてマップ情報をインストールした。施設内の装置等が以前までと変わらないかは分からないが施設内の道等はこれで事足りるはずだ」

 

「そうか、せっかくだから使わせてもらう。それでリクト、オマエはどうするつもりだ?」

「この研究施設にはマップにも記されていない裏ルートがある。最悪そこを辿って逃げる輩がいるかもしれないからそこから中に入って退路を断つ」

 

「なんだ、徹底的にやるつもりか?」

「クローン培養技術なんてもんを悪用しようとする人間に手を貸したやつらは同罪だろ?クローン培養技術を利用して最愛の人間を取り戻したいとかいう願いを叶えるためならまだしも兵力を手に入れたいという欲望を満たすために悪用するってんなら容赦する理由は無い」

 

「それもそうだな。ヒロム、いくか?」


 当然、とヒロムはシンクの言葉に対して簡潔に返すと首を鳴らしながら研究施設を強く見つめ、そして……

 

「十神シエナとパラディン……そして死獅王の野望をここで終わらせるぞ!!」

 

「「おう!!」」

 

 ヒロムの言葉、そしてそれにクロトたちが呼応するように言葉を発すると彼らは研究施設の制圧を遂行しようと動き出した。ここで決着をつける、そう考えるヒロムは……

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