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The OUTRAGE  作者: hygirl
63/126

63話


 闇を纏いその力を高めヒロムたちを圧倒しようと考えるシェリーを倒すべく現れたトウマ。

 

 輝きを発する片翼だけの光の翼を羽ばたかせながら現れて敵と対峙するように滞空するトウマの姿にヒロムはもちろん現在は彼の臣下として活動するシンクは驚きを隠せなかった。

 

「何をやっているトウマ!!今のオマエは《八神》の当主、易々と姿を敵の前に晒していい立場にある人間じゃないんだぞ!!」

 

「シンク、言いたいことはわかる。だけど、当主だからと守られるだけの傍観者になるのは嫌なんだ」

「オマエに万が一があったら……

「シンクと兄さんがいるなら万が一なんて起きないでしょ?それに、普段からキミのわがまま聞いてるんだからたまにはボクのわがままも聞いてよ」

 

「オマエ……」

「頑固なところは兄さんと同じだって知ってるよね?」

 

「あ?トウマ、オマエ何さりげなくオレのことバカにしてんだ?」

「バカにしてなんかないよ兄さん。そういうところが兄さんの良いところだし、ボクはそんな兄さんを見習ってるんだ」

 

「全然嬉しかねぇ」

「理由は何でもいいが大人しくしてもらいたいものだな……」

 

 何を言っても引く気も譲る気も一切ないトウマの言葉にヒロムとシンクが同じように呆れているとシェリーは闇の一部を無数の光線に変えてトウマやヒロムたちに向けて掃射しようとした。

 

 シェリーのその攻撃の気配を感じ取ったヒロムとシンク、クロト、アスランはすぐに迎撃しようと切り替え構えようとするが、ヒロムたちが構えようとするよりも先にトウマの光の翼が光を発すると同時に光の矢を雨の如く放ってシェリーが放とうとする光線全てを消滅させ、さらに光の矢はシェリーを倒そうと襲いかかろうとした。

 

「そんなもので……っ!!」

 

 トウマが放った光の矢に対してシェリーは闇を何かに変えるなんて事はせずに乱暴に撃ち放ってトウマの攻撃全てを消し飛ばそうとした。

 

 しかし、彼女の思惑通りに事が運ばれることはなく彼女が乱暴に放った闇は光の矢を消し飛ばす事も何割かを無力化するといったことも出来ずに無数の光の矢と衝突すると力負けして消えてしまい、その光景を目にしたシェリーは光の矢から逃れるべく慌てて地上に降り着地し、シェリーが地上に降りた事で光の矢は何処かへと飛んで消えていくとトウマは地上に降りたシェリーを見下ろすようにしながら彼女に忠告した。

 

「無駄に抵抗しないでください、十神シエナ。アナタが放っ闇はアナタの中にある憎しみや敵意が糧となって放たれた力、対するボクの放つ光はそれらを無力化し消滅させる効果を持つ。力を得て強気になってるところ申し訳ありませんがボクとの相性が悪いアナタがこれ以上戦闘を続けるのは得策では無いと思いますよ」

 

「たかだか一度無力化した程度で勝ったつもり?流石は姫神ヒロムと血の繋がった男、傲慢なところは変わらないわね」

「兄さんと比較されるほどボクは強くありませんよ。それより、アナタがやろうとしてる事をボクは見過ごせません。アナタの行動……その先にあるのは兄さんの侮辱の他ない」

 

「どういう事だトウマ?」

「話を聞いていましたがこの人とパラディンという男は霊脈を正しく感じ取れるものとそれから成る魂に触れ、心にエネルギーを繋ぐ魂……つまりは精霊の存在に注目している。レイガさんの語った内容の通り精霊の存在は現代では未知の存在、奇跡とも思われていた存在であり兄さんが産まれその奇跡を数多に宿した事で全てが大きく変わったんだと思います」

 

「おい、オマエの感想は……

「その奇跡を自分たちで生み出せたら……つまり、この人たちは兄さんが宿した精霊と同等かそれ以上の力を持つ存在を生み出すつもりなんだよ。クローン培養技術が器の部分でしか完成しないのなら主の命令に従い動くように内側を調節する。すると……どうなると思う?」

 

「形はどうであれ精霊使いと同等の人間、それを越えるレベルとなれば無尽蔵に戦闘人形を生み出して軍隊に匹敵する戦力が誕生する……って、パラディンとあの女がさっき手に入れたデータってのは、まさか!?」


「多分兄さんの今の精霊の繋がりから受ける恩恵による強化状態での戦闘力も含まれてはいると思う。だけど、この人たちの目的はそこじゃない……兄さんのその稲妻を纏った攻撃、そこに精霊の繋がりや精霊を力と同質のものがあるとすれば……」

「コイツらは……最初からオレと精霊を狙っていたのか!?」 

 

「フフフ……アハハハハ!!」

 

 トウマの言葉からシェリーとパラディンが狙うもの、レイガの口にした『霊脈』の部分から察したトウマが語った敵の真の狙いが何なのかを理解したヒロムは驚愕し、ヒロムが敵の真の狙いに気づき驚愕しているとシェリーは声高らかに笑い、そして……

 

「回転の速さは兄弟揃って優れてるようね。まさかこんな風に見抜かれるとは思わなかったわ。でも、もう手遅れ……姫神ヒロム!!オマエはこれから後悔するわ!!私に歯向かった事……そして、この世界に生まれたことを!!」

 

 シェリーがヒロムに向けて言葉を強く告げると彼女の纏う闇はこれまでに無いほどに強く勢いよく放出され、放出された闇は周囲に広がると強い衝撃を引き起こすと共に爆発を引き起こし……

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