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The OUTRAGE  作者: hygirl
52/126

52話


 数的な優位をヒロムたちが掴んではいるものの戦況的な優劣についての傾きは今の所なく、ヒロムたち4人とパラディン単体とでの戦闘について早々に決着がつくような気配など見られなかった。

 

 パラディンを単純に倒したいヒロムとクロト、レイガにパラディンに浅からぬ因縁のあるアスランの加勢により急遽完成した4人体勢での攻撃に対してパラディンは単独で4人を相手にして余力を残してるかのような動きを見せて対応してみせている。

 

 数的優位な状況下にあるヒロムたちだがその程度では油断することは許されずパラディンの動きに注意を払い集中した状態を維持しており、双方の集中した状態が続く中でそれぞれが相手の出方を窺うように静かに構え睨み合っていた。

 

 そして、沈黙が周囲を包み込む中でシンクがシェリーの逃亡を阻止するために生み出した氷壁に大きな亀裂が生じ、亀裂が生じる際の音を合図にするかのようにヒロムは瞬間で加速してパラディンの背後へと回り込むと敵を潰そうと蹴りを放とうとし、さらにヒロムの動きに気づき反応したレイガは背後へと回り込む彼に連動し敵の注意をひきつけようとするかのように素早く接近すると同時に正面から拳撃を叩き込もうとした。

 

 氷壁の亀裂発生からこの2人の行動の開始まで数秒にも満たない時間、一瞬の出来事と評する事が可能なほどの圧倒的な速度での展開は普通なら反応できず攻撃も防げないと確信してしまうだろう。だが、ヒロムたちを相手する目の前のこの敵は違う。

 

 レイガが叩き込もうとした拳撃が放たれるよりも先にパラディンは彼との間合いをさらに詰める事で対象へ接近し過ぎる事による拳撃を放つための拳の突き出しの動きの加速を行えなくさせた上で軽く掌底を打ち込み怯ませてレイガに2秒ほどの無防備な時間を強要させ、レイガに対して間合いを詰めようとパラディンが動いた事で背後へと回り込んでから決めようとした蹴りの間合いにズレが生じ、自身と敵との位置関係がズレたヒロムは蹴りを放とうとするのを躊躇う間もなく勢いをつけようとその場で素早く回転しながら位置関係を修正するようにパラディンへと少し近づくと回転により生み出した勢いを乗せる形で無理矢理回し蹴りを決めようとした。

 

 が、パラディンはこの回し蹴りに対して2秒ほどの無防備な状態に晒されるレイガの体を掴むなりヒロムの方へ投げ飛ばしてレイガとヒロムを衝突させる形でヒロムの回し蹴りを強引に中断させてしまい、パラディンはヒロムとレイガがこの衝突により立ち回りも何もかもが滅茶苦茶になった今を逃さないかのように魔力を強く放出しながら剣の形へ変化させながら2人を両断しようと迫り寄ろうとした。

 

 しかし……

 

「妨害、それはさせん」

「貴様の思い通りにはさせん」

 

 パラディンがヒロムとレイガを斬ろうと魔力の剣を振るうその瞬間にクロトとアスランが2人の前に素早く現れてそれぞれが手に持つ武器を同時に振る事で一撃を放ってパラディンの攻撃を妨害しようとし、クロトとアスランの同時攻撃が放たれるとパラディンは魔力の剣による攻撃を止めようとせずに敢えて放つことでそれをぶつけて2人の攻撃を相殺させる形で当たり前のように対処し、クロトとアスランの攻撃を相殺させる一撃を放ったことによりパラディンの魔力の剣は役目を終えたかのように消え、魔力の剣の消失を確認したレイガ、クロト、アスランは今が好機と言わんばかりに一気に仕掛けようとパラディンに対して総攻撃を行おうとした。

 

 3人の攻撃への移行に対して様子を見るかのように敢えて参加を見送ったような状態のヒロム。そのヒロムだからこそ見逃さなかった。レイガたちが総攻撃を仕掛けようと動く中でその標的にされるパラディンの右手に赤い雷のようなものが小さく走った瞬間を……

 

「今、のは……!?」

(何だ今のは?気のせい……いや、それにしては目でハッキリ確認出来てしまえたぞ?何かの前触れ?それともヤツの能力か?もしヤツの能力だったとしたら……)

 

「待てオマエら!!そいつは何か仕掛けるつもりだ!!」

 

「「!?」」

「……やはり覇王の名を与えられるだけあって見逃さなかったか。だが、もう遅い!!」

 

 何かを予感したヒロムが止まるようにレイガたちに向けて叫ぶと流石とでも言いたそうな口振りでパラディンは話すと共に彼に対してそれが手遅れだと告げると全身から殺気とは似て非なる何かを解き放ってレイガたちを吹き飛ばし、吹き飛ばされたレイガたちが倒れてしまいヒロムがどうにかしようと構えようとするとパラディンのもとへ天より真紅の雷撃が飛来し、飛来した真紅の雷撃をパラディンが右手で掴もうとすると雷撃の中より真紅の剣が姿を現し彼の右手へ握らされる。

 

「何だ……あの剣は……!?」

「真紅の審判……クリムゾン・ジャッジとでも名付けておこう。姫神ヒロム……オマエの命はこの剣によって亡きものとされる」

 

 真紅の剣を手にしたパラディン、武器を手にしたパラディンはヒロムに対して死を宣告するような言葉を口にして彼を追い詰めようとし、対するヒロムはパラディンを相手に引くことなく挑もうと拳を構えようとする。

 

 そんな中、ある人物が……

 

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