表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The OUTRAGE  作者: hygirl
50/126

50話


 圧倒的、そう評価するしかない実力を見せつけたアスランがシェリーが連れ従えていた白戸と黒戸をほぼ同時に仕留め、アスランのその力を目にしたヒロムはもちろん白戸と黒戸の相手を彼の前に引き受けていたレイガとクロトはヒロムのもとへ集おうとする中で目にして驚愕していた。そして、ヒロムの中のアスランという能力者の評価は劇的に変わることになった。



「はは……やべぇな」

(シンクの説明で便利故にそれ相応の欠点がある能力程度の認識だったがそんなもん撤回したくなるレベルだ。何が狙って傷を与えられないギャンブル要素がある、だ……!!《呪傷》の発動条件さえ満たせればアスランが攻撃の意思を見せたと同時に相手は確定で身体のどこかを負傷する。どこだろうが関係ない……人間として痛覚備えてる以上浅い深い関係なく傷を負えばそれは(そいつ)にとってのマイナスになる。つまり……)

 

「アスラン相手に傷を負うことは逃げ場を奪われるのと同じだ」

 

「横槍、総評を口にしているところ悪いがヒロム……今は女を捕らえる方を優先するべきだ」

 

 ヒロムがアスランについて評価を改める中でその力を危険と評価し脅威だとまとめようとする中でクロトはシェリーの拘束を優先するよう進言し、それを受けたヒロムは何か言うでもなく静かに頷き切り替えるように倒された白戸と黒戸の姿に言葉を奪われるシェリーの方を見ると彼女を捕らえるべくクロトとレイガを連れるように動こうとし、ヒロムたちが動こうとするとシェリーは後退りしようとするがそんな彼女の退路を閉ざすかのように巨大な氷壁が出現し、氷壁の出現にシェリーが動揺を見せるとシンクが背中に氷の翼を出現させると同時に浮上し彼女を冷たい眼差しで睨もうとした。

 

「氷堂シンク……!!オマエも私を……!!」

「勘違いするな。あくまでこれは《八神》の当主に仇なすオマエを当主に対する攻撃を行う不届き者として拘束するため、ヒロムのために加勢するんじゃない」

 

「補足、その結果ヒロムの助けになってるぞ」

「クロト、情報提供量代わりに黙らせてやろうか?」

 

「冗談、悪かった。今は争うときでは無い」

「分かってるなら余計な事は言うな」

 

 あくまで《八神》の敷地に出現したシェリーを捕えるためと語るシンクの言葉の揚げ足を取ろうとしたクロトに対してシンクは冗談を交えながら返し、クロトも冗談だと謝罪するとシンクと共に今はヒロムたちとシェリーの拘束に集中しようとした。

 

 ヒロム、クロト、レイガ、シンク、そしてヒロムの頼みを受けシェリーの拘束を目的として白戸と黒戸を排除したアスランもその目的を成し遂げようと新たに赤黒い双剣を生み出し構えながらシェリーに迫ろうとし、シンクが出現させた氷壁によって退路が無くなった中でヒロムたちに包囲された状態にあるシェリーはまたしても苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。

 

「追い詰められた、とでも言いたいのかしらね……!!」


「あん……?」 

 

 追い詰められるシェリー、だがそのシェリーの中にある異変をヒロムは見逃さなかった。苦虫を噛み潰したようなシェリーは顔の中に何かを企むかのような油断ならない怪しさが潜んでいたことを。それを示すかのようにシェリーは発した言葉に反してこの状況の中で退路を絶たれたというのに何故か落ち着いたような状態にあり、さらにはシンクにより退路を閉ざすように出現させられた氷壁の方へと自ら追い詰められるようにゆっくりと後退りしていた。

 

 自ら逃げ場を無くすようなシェリーのその行動に気づいたヒロムは周囲を警戒するように気配を探ろうとした。

 

「この感じ……」

(あの女、何か企んでるのは間違いない。オレにデカブツ倒されてアスランが2人殺した事で仲間も何も無い単身の状態になったってのに何でこんなに落ち着いてる?この女には圧倒的不利なこの状況下の中でこれを打開する手立てがあるってのか?)


「……そう簡単に欺けないようね」

 

 シェリーから感じられる落ち着きとその理由を探るヒロムは何がある事は理解しながらも確信をつけず思考するしかない中で警戒するしかなく、ヒロムが警戒を続けているとシェリーは何を思ったのか手を叩き始めた。

 

 シェリーの突然のその行動はシンクたちに対して警戒心を確実に植え付け、ヒロムたち全員がシェリーの次の行動に警戒し始めたその時だった。突然彼女の足下に魔法陣のようなものが出現し、魔法陣の出現によりヒロムとレイガは前回の戦闘の際の彼女と死獅王の撤退を思い出してそれを止めようと2人同時に走り出そうとしたが、2人が走り出そうとすると魔法陣の中よりシェリーの前へと謎多き仮面の戦士、パラディンが彼女を守ろうとするかのようにその姿を現せる。

 

「パラディン……っ!?」

「アイツ、死獅王に加担している……!!」

 

「遅かったわね、パラディン」

「これでも早い方だ。文句を言うならオマエの連れ歩いていた駒の性能を向上させろ」

 

「簡単に言うんじゃないわよ……これでも苦労してんだから」

「ふっ、まぁいい。とりあえずはここを譲れ」

 

 シェリーの前にパラディンが現れ2人が会話をする中で魔法陣は跡形もなく消え、シェリーに苦言を呈したパラディンはヒロムたちの相手をしようと前に出て全身に魔力を纏い、パラディンが殺る気を見せる中ヒロムたちも対抗しようと構えていく。

 

「さぁ、盛り上がるのはここからだ……愚かな抵抗者共」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ