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The OUTRAGE  作者: hygirl
48/126

48話


 突然としてヒロムを襲った謎の異変が引き起こした危機に付け入るように攻撃を仕掛けようとしたシェリーの邪魔をし、さらにほヒロムを守るかのように現れたアスラン。

 

 思わぬ介入者にシェリーは苦虫を噛み締めたような顔を見せ、アスランに救われたヒロムは彼の登場が嬉しいのか笑を見せながら何とか立ち上がると彼に話しかけようとした。

 

「まさか、オマエに助けられるとは思わなかった。ありがとうな」

「礼には及ばん。貴様には返しても返しきれんおんがある恩がある故加勢に来ただけだ」

「理由は何であれ、助けられたことに変わりはない。ありがとう」

 

「何度礼を言われようと考えは変わらん。それより教えろ……あの女は倒していいんだな?貴様にとって、敵なのだな?」

「オレにとっては敵だ。けど、オマエが今この状況でここからどう動くかで捉え方は変わる。その辺は教えてくれるのか?」

 

 ヒロムの感謝の言葉など気にもしないアスランは単純にヒロムに攻撃しようとしていた事実と今この状況で自身に敵意に等しいものを向けるシェリーが敵か否かをヒロムに尋ね、それを尋ねられたヒロムは彼の質問に肯定した上でシェリーがアスランにとっての敵かどうかはここからの彼の行動に左右される事を伝えた上でここに現れたアスランの真意を確かめようとした。

 

 そして、ヒロムからの行動の真意とこれからについて問われたアスランはシェリーを視界に捉え全身に魔力を纏わせると同時に赤黒い血のようなものを出現させ剣の形を与え右手で掴み構えながらヒロムの問いに対しての答えを口にした。

 

「オレの今得たこの自由、それは貴様の役に立てるために使ってこそだ。アレが貴様の敵だと言うのならオレは貴様のために討伐してやろう」

「恩とか役に立つとか大袈裟な野郎だ。けど……あの女を生け捕りにしてくれるなら頼む」

 

「生け捕りか……四肢欠損くらいは許してくれるか?」

「胴体と口、脳みそが無事で情報引き出せるレベルなら好きにやれ」

 

 引き受けた、とアスランは手にした赤黒い剣を構えながらヒロムの頼みに応じるとゆっくりと動き始め、アスランが動き始めるとシェリーは彼の存在が余程気に入らないのか強く舌打ちをし音を鳴らすと険しい顔で彼を睨むと同時にクロトとレイガが相手をする白戸と黒戸を呼び寄せようと叫んだ。

 

「白戸!!黒戸!!そんな有象無象は後回しにして私を守りなさい!!」

 

「「仰せのままに!!」」

 

 シェリーが叫ぶとそれを聞き受けた白戸と黒戸が応じるように叫ぶと共に即座にクロトとレイガの相手を放棄したのかシェリーに迫ろうとするアスランの左右に現れるかのように迅速に駆けつけ、駆けつけた白戸と黒戸はアスランを倒すべく挟み込むように一気に間合いを詰め、一瞬とも言えるような速さで間合いを詰めた2人はアスランが反応するよりも先に一撃を決めようと間合いを詰めた勢いを乗せるようにそれぞれ右足による回し蹴りを放とうとした。

 

「先手必勝だ、黒戸!!」

「そのつもりだ、白戸!!」

 

 白戸と黒戸の一瞬での接近と回し蹴りにアスランが反応しようとする気配はなく、先手必勝と口にする白戸と賛同する黒戸はアスランが反応しないことをいい事に余裕を見せながら決めようとした。

 

 しかし……

 

「単純で単調。軌道が分かりやすい」

 

 白戸と黒戸の回し蹴りが迫る中でアスランはただ冷静に呟き、その直後反応する様子もなかったアスランは剣で白戸の回し蹴りを防ぎ止めてみせると左手裏拳で黒戸の回し蹴りを殴り弾き、さらに剣で防ぎ止めた白戸の右足を押し返すと即座に素早く振る形で白戸の右足に軽くではあるが切り傷を与え、そしてアスランは剣を逆手に持ちながらその場で回転して勢いをつけると黒戸に向けて斬撃をぶつけて敵の左肩に傷を与えてみせた。

 

 瞬間で駆けつけ一瞬で無愛を詰めての奇襲、のはずがアスランはそれに対応した上で反撃して軽傷とはいえダメージジーンズ与えてみせ、彼の身体能力の高さにヒロムは驚く他なかった。

 

「あ、アイツ……やるな」

(アイツの能力が何なのかはさておいてあの身のこなしと反応の高さ、下手したらクロトやオレに匹敵する。あの状況で接近してきた敵の動きを瞬時に読み取り把握しての的確な対応……流石シンクと《八神》の人間を苦戦させただけのことはあるな!!けど……)

 

「あの程度じゃあの女の駒は止まらない」

 

 アスランの身体能力の高さと的確な判断と行動を認めながらも彼の攻撃で敵2人の負った軽傷では敵の動きは止められないとヒロムは口にし、そのヒロムの言葉が現実となったかのように白戸と黒戸はアスランから受けた傷など気にすることもないかのように全身に魔力を纏い直しながらアスランを倒すべく構え直そうとしていた。

 

「見かけによらずやるなこの野郎」

「けど、こんなもんじゃオレと白戸は止めらんないぞこの野郎!!」

 

「吠えずとも理解しているさ駄犬」

 

「あ!?駄犬だと!?」

「せめて兎にしろやこの野郎!!」

 

 安心しろ、とアスランは自分の言葉に反応し怒りを見せる白戸と黒戸に向けて冷たい視線を向けながら呟き、そして手に持つ剣を順手に持ち直した後に軽く振ってみせた。

 

 その直後だった。

 

 アスランが剣を振ったその直後、白戸と黒戸の右腕に突然斬られたような傷が出現し、傷の出現に気づいた2人が異常に対して身構えようとするとアスランは2人の敵に殺気を向けると共に忠告した。

 

「貴様らは既にオレの力の中に入っている。敵を侮り踏み込んだ己の未熟さ、その身に痛みと共に教訓として刻め」

 

 

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