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The OUTRAGE  作者: hygirl
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4話


 空蓮の口から出た『死獅王』の名を耳にした途端にヒロムは殺気を放ち立たせ、ヒロムの殺気を肌身で感じ取った空蓮は彼が先程までとは異なり殺る気になっている事を理解しているのか掌底をヒロムの方に向けいつでも一撃を放てるように構えを正そうとした。

 

 

 が、空蓮が構えを正そうとしたその動きを見るなりヒロムは走り出すなり敵との間合いを詰めようとし、ヒロムの走り出したその動きを目にした空蓮は彼を迎え撃つべく掌底突きを放てる状態を保つように構えながら動き出した。

 

 空蓮が構えた状態を保ちながら接近しようと動くのに対してヒロムはとくに構えるでもなく単純に加速しながら間合いを詰めようとし、ヒロムのその加速しながらの間合いを詰めるために接近しようと走るその行動の意図を読めない空蓮は構えるその体に余計な力を入れてしまっていた。

 

 その余計な力を入れるという空蓮の無意識の行動を狙っていたかのようにヒロムはさらに加速して敵との間合いを一気に詰めると拳による連続攻撃を放って敵を追い詰めようとし、空蓮はヒロムの放つ連続攻撃が迫るとどうにかして対処しようとしてギリギリで躱しながら間合いを確保しようと少しずつ後退するような足取りを始めた。空蓮の間合いを確保しようとした上でのその判断と行動、ヒロムはそれを逃すこと無く寧ろ付け入るかのように間合いを詰めると連続攻撃を畳み掛けようと仕掛け出した。

 

「くっ……」

「どうした?オレを倒すんだろ?」

 

「この……

「口先だけでやれねぇってか?オマエ、大した事ねぇな!!」

 

 少しずつ後退するような足の動きと連続攻撃を何とか対応するのがやっとの空蓮に対してヒロムは畳み掛けるように仕掛けた連続攻撃を全て命中させ、さらに自身の動きの速度と攻撃の速度をそれぞれ加速させると空蓮が立て直す暇を与えることを許さぬが如く敵の腹に連続攻撃を叩き込んで大きく怯ませ、そしてヒロムは空蓮の背後に素早く回り込むと相手が反応するその間を与えることなく踵落としを放って空蓮の脳天へと叩き込んでみせた。

 

 連続攻撃の全てを受け怯んで身動きの取れぬ中で背後を取られ、さらに背後の反応出来ぬ場所から放たれ叩き込まれた踵落としを脳天に受けた空蓮は踵落としを受けた衝撃に耐えれずに地に倒れてしまい、倒れた空蓮に対してヒロムの踵落としの一撃が終わる訳もなく脳天へと叩き込まれた一撃のその衝撃は彼の全身に強い痛みを走らせると血を吐かさせた。

 

「がっ……!?」

 

 倒れ全身に走る痛みを感じ挙句に吐血した空蓮は立ち上がろうとしても脳天に受けた一撃の影響が想像よりも大きいらしく産後すぐの小鹿のように上手く立ち上がれない状態で地を転がるしかなく、空蓮が立ち上がることに苦戦する事などどうでもいいヒロムは首を鳴らすなりシェリーの事を視界に捉えながら彼女に1つのことを問い吐かせようとした。

 

「女、答えろ。死獅王はどこにいる?」

 

「あら、空蓮を追い詰めた程度で偉そうなのね」

「御託はいいから答えろ。見てくれだけのアバズレ女がまともに戦えるとは思えねぇ……とっとと死獅王の居場所を吐いて失せろ」

 

「……誰が、アバズレですって!!」

 

 ヒロムの一言、相手を完全に侮蔑するように放たれた一言をヒロムが口にしたことによりシェリーは怒りを隠せずそれを感情として表に出すかのように強く叫ぶと全身から魔力を溢れ出させ、溢れ出た魔力が炎のように揺らめきながらその力を強くさせる中でシェリーはヒロムを強く睨むと扇子を取り出し広げながら殺気を放とうとし……たが、シェリーが扇子を広げようとしたその瞬間、ヒロムは彼女の目の前まで音も立てずに移動すると彼女の首を躊躇いなく掴むと爪を立てながら力を入れ、女の首を掴むヒロムの手は相手が女だろうがお構い無しに力を入れさせると立てる爪を首の肉へ食い込ませ、首の肉へと食い込んだ爪は彼女の首筋に微量ではあるが血を流させ始めていた。

 

「うっ……!!」

「何回も言わせんなクソ女が。死獅王はどこにいる?どこに行けば死獅王を潰せる?」

 

「あ、アンタなんか……

「聞かれたことにだけ答えろ。オマエの知ってる死獅王の情報を吐け、そしたら軽い流血で見逃してやるよ」

 

「誰が……教えるもんか……!!」

「いちいち強がんなよ。怒りに身を任せて魔力を放出して威嚇しようとしてミスった能力者なんざ恐れるに足らん。こうしてオレが情報を聞き出すためだけにわざと生かしてる状態でもなければすぐに死ぬような雑魚、それがオマエなんだよ」

 

「くっ……!!」


「その方から離れろ……!!」

 

 死獅王の情報を吐かせようと容赦なく首を絞めようとするヒロムからシェリーを救おうとするかのように立ち上がることに苦戦していたはずの空蓮は彼女を助けようとする意思によるものか苦戦が嘘だったかのようにすんなりと立ち上がると掌底を構えながら狙いをヒロムに定めて一撃を放とうとそこに力の全てを込めようとした。

 

 が、ヒロムは空蓮が立ち上がり一撃を放とうとするのを予知していたかのようにシェリーを乱暴に投げ飛ばすと空蓮の懐に踏み込むように素早く接近してみせると彼が掌底突きを放とうとするその腕を掴むと関節を逆に曲げさせるかのように自身の膝を掴んだ腕に叩き込むと同時に敵の腕の関節部に向けて叩き込んだ膝と挟み込む要領で肘を打ち込んで敵の腕の関節と骨を砕き、ヒロムの肘と膝の打ち込みにより関節と骨を砕かれた空蓮はその痛みに耐えれず悶え苦しみ膝から崩れてしまう。

 

「がぁぁぁぁあ!!」

「うるさい」

 

 腕の骨をやられたことで苦しみ悶える空蓮の悲痛な声をただ『うるさい』の一言口にしたヒロムは空蓮の頭を右手で掴み彼を無理矢理立ち上がらせると左手による手刀を視認できないほどの速さで繰り出して彼の首を大きく抉り切ってみせ、ヒロムのその手刀の一撃を受けた空蓮はそれ以降声を発すること無く静かになり大量の血を首から流したまま息を引き取り、ヒロムは息の止まった空蓮を乱暴に捨てるとシェリーに対して死獅王の情報を吐かせようと彼女がいるはずの方を見た。が、ヒロムが空蓮を始末している間に何かあったらしくどこにもシェリーの姿は無く、ヒロムは舌打ちをするなり左手に軽く着いた血を手を素早く振ることで払うと携帯端末を取り出してどこかに連絡しようとした。

 

「葉王に何言われるか分からないが死体の始末を……

「不問、連絡は要らない」

 

 ヒロムが携帯端末を操作しようとしたその時、物陰から1人の少年がヒロムの前に現れてヒロムの行動を止めようとし、少年の登場に対してヒロムは……

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