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The OUTRAGE  作者: hygirl
39/126

39話


 アスランの話から彼に殺しの依頼を出したのが十神シエナことシェリーであったと判明した事についてヒロムはトウマとシンクを呼び寄せた後に伝え、話を聞いたトウマが半信半疑になる中でシンクは裏で情報共有していたクロトからの報告を受けていた事もあってか素直に理解しヒロムやアスランの話に加わろうとした。

 

「つまりだが、この『傷憑き』は《十神》の生き残りの女に利用された挙句得体の知れない何者かに踊らされて密入国者の乗るあの船に乗せられたってことなんだな?」

「ざっくりまとめるならそうなる」

 

「でも兄さん、その話を信じていいの?この人を疑ってるわけじゃないんだけどそんな遠回しな事して何になるのかって気になるんだけど……」

「十神の女にとってアスランが国内に居るのは都合が悪く、無垢の仮面騎士も何かしら利用価値があると考えたのがアスランだった……今回アスランが関与した2人にとって共通の存在となったことが嵌められた大きな要因だと思う」

 

「ヒロム、それは何のためだ?」

「多分だが賞金首のリスト、それが関係している。おそらくだがアスランが殺し屋として討伐してきた賞金首に何かしらの共通点があり、十神の女にとって都合の悪い事があったからアスランを国外に向かわせて何かしらの罪を被せるか都合よく切り替えようとしたんだろ」


「十神シエナにとって都合の悪いこと……それはつまり、この『傷憑き』に殺されたのが十神シエナと関係のあった人間もしくは自分の計画に不可欠に成りうる存在だったってことか」

「ああ。さらに言うなら今シンクの挙げた条件に見合うのは……今オレたちが渦中にいる死獅王の可能性が高い」

 

「死獅王……となると考えられるのは『獣身武闘』と『永楽寺院』について知る存在か」

「そうなるだろうな。で、アスランが巻き込まれたって形で話を進めるならこれまでアスランが仕留めてきた賞金首について調べ直す必要があるって考えたんだよ」

 

「だが調べ直すにしても全てを洗い出すのは時間がかかる」

「それについては問題ないシンク。直近1ヶ月もしくは2ヶ月を目処に調べ直せば済む。アスランが関与した全員が関係してるとは思えないし十神の女がアスランに接触したタイミング等考慮するならそのくらいの期間を調べ直せば十分事足りる」

 

「そのくらいの事ならトウマの当主の権限ですぐにでも情報を出してもらえるはずだ。幸いな事に殺人事件の容疑者の可能性がある人間の調査を名目にすれば不審に思われずに済むだろうしな」

 

「……分かったよ、それはボクの方から聞いてみるよ。でもそれだと兄さんにメリットないよね?ボクが情報を聞き出すまでは彼の身柄は渡せなくなると思うし……

「殺人事件の容疑者として確定してるわけじゃないなら問題無いだろ?現にアスランは密入国者の殺人事件に関係があるって事とシンクを襲った事実しかないんだからどうこうしても問題ないだろ」

 

「問題ないだろって……」

「殺人事件に関しての調査に進展があれば《八神》の株も上がる。死獅王の件に助力した事実が多少なりあれば《一条》から恩赦を与えられるかもしれねぇ。そうなったらオマエを認めてない周りの人間も多少は見直してくれるようになるはずだ。今の窮屈なまま当主を続けるよりはマシだろ?」

 

「……分かったよ兄さん。とりあえずボクは兄さんの行動をフォロー出来るように立ち回ればいいってことだよね。出来る範囲でやるけど、過度な期待はしないでくれよ?」

「ああ、そこそこ期待しておく。だから……」

 

 ヒロムの頼みを受け渋々仕方なく引き受けようとするトウマが期待するなと念押するもヒロムは期待するかのように返した上で何かを言おうとしたが、ヒロムがトウマに向けて何か言おうとしたその時、突然警報のようなものが鳴り響き始めた。

 

 慣れないそれを耳にしたヒロムやクロト、レイガが不思議に思いながらも何かあったと警戒しているとシンクが無線機を取り出すなりどこかへ連絡を取ろうとした。

 

「オレだ。何の騒ぎだ?」

『敷地内に侵入者です!!数は3、奇妙な装束の男2人と着物の女1人が空間の無から現れました!!』

 

「非戦闘員の避難及び敷地内の人間の安全の確保を優先しろ。侵入者の対応はこちらで手配する」

『りょ、了解です!!』

 

 無線機での通信相手に指示を出したシンクは通信を終えて無線機を片付けるとヒロムの方を向き、そして情報を簡単に伝えた上である事を依頼しようとした。

 

「聞こえていたと思うが敵だ。情報から推測するとおそらく……十神シエナと死獅王の配下の者だと思うが、迎撃を頼めるか?」

「まぁ、そのつもりだ。オレたちとしてはあの女に会って確かめたい事があるし、ついでにアスランの事も確認出来たらトウマの手を煩わす事もないからな」

 

「すまないが頼む。敷地内で暴れる分には遠慮なくやってくれていい。万が一の時は応援を向かわせるから頼むぞ」

 

 任せとけ、とヒロムはシンクの頼みを聞き受けるように返すとクロト、レイガと共に向かおうとし、そして……

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