表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The OUTRAGE  作者: hygirl
38/126

38話


 『傷憑き』、改めて名をアスランと名乗った少年の明かす《八神》に拘束されるまでの出来事。ヒロムたちが遭遇した仮面騎士・パラディンと同一か定かでは無い無垢の仮面騎士と出会ったというアスランの話をさらに詳しく聞こうとするヒロムたちに彼は密入国船の上で起きた事を語り始めた。

 

「彼奴が船に現れたのは好都合だった。彼奴が何故に《八神》について口にしたのか、そして何故オレがターゲットにしていた人物を殺害したのかをハッキリさせるいい機会だったからな」

「まぁ、アスランも無垢の仮面騎士を追って密入国船に辿り着いて乗り込んだわけだから遭遇したって点は良かったと思うべきなのかもな。それで、無垢の仮面騎士から何か聞き出したのか?」

 

「いや、オレは彼奴に聞き出そうと迫るも彼奴はこちらに気づくと「オレの細工のために役に立て」と言いながら夜の中に消え、オレと彼奴の対峙に気づいた密入国者はオレの事を警察か何かと勘違いしたらしく襲いかかってきた」

「何故勘違いなんか……」

 

「補足、密入国者たちは確実に渡航し違法に入国するために神経質になりやすい。コイツは密入国者を装おうとしていたようだがそれが怪しまれたのだろう。それ故に攻撃されたんじゃないのか?」

「その通りだ。貴様はアタマがキレるようだな」

 

「当然、このくらいの事を理解するのは容易い」

「それで?アスランは攻撃を受けた事で反撃して殺したのか?」

「いや、そんな安直な事はしていない。というか、オレからしたら密入国者を生け捕りにして正当な機関に引き渡して金を受け取る方が賢明だ」

 

「それはそうだな」

「同感、殺し屋として稼いでるのなら金を回収する効率のいい選択をしてもおかしくない」

「けど実際、密入国者は殺害されて殺人事件に発展してる。何故だ?」

 

「いや、そもそもを辿るなら依頼した人間は何者なんだ?」

 

 密入国者殺害による殺人事件の謎、アスランは無垢の仮面騎士との対峙後に攻撃を受け反撃するも殺害するような真似はしていないと語り、クロトとレイガが何故密入国者の殺害が起きたのかを考察しようとする中でヒロムはこれまで一度も触れられていない点に疑問を持ち、ヒロムは謎を解くカギがあると考え、ヒロムはそれに振れるように話を進めようとした。

 

「無垢の仮面騎士がアスランの行動を把握していたかどうか、殺人事件が起きた理由はさておいてアスランに依頼を持ちかけた人間が何者なのかをハッキリさせるのが先決だ。仮にこの依頼主が何らかの意図でアスランを海外に渡航させたのか、何故ターゲットの相手が海外に逃げたと把握しながら高額の報酬を要求されるような殺し屋に依頼したのか……アスランの正当防衛と密入国者殺害事件の真相の全てに白黒つけるなら依頼主を見つけて全て吐かせた方が手っ取り早い」

「納得、そこは見落としていた。ヒロムの言う通りだな」

「目先の事に囚われすぎて肝心なところを見落としてたな。流石ヒロムさん、着眼点が違うな」

 

「アスラン、オマエに殺しを依頼したやつの特徴を思い出せる範囲で教えてくれるか?」

「特徴か……いや、思い出す必要も無いくらい鮮明に覚えている。彼奴は悪目立ちするような着物を着て現れた女だったからな」

 

「着物の……女って、ヒロムさん!!」

「アスラン、そいつの第一印象は花魁……じゃないか?」

「よく分かった。まさにそれだ」

 

「意外、こんな所に手掛かりがあるとはな……」

「そうだな。十神の女……あの女が何か企んでるって事が改めて分かった」

(死獅王のそばに身を置くあの女は何かしらの理由でアスランを嵌めた。それはおそらくアスランが何かしらの情報を掴んだことで死獅王と自分にとって不利益になると判断したから……そこは間違いないとして、問題は無垢の仮面騎士がどうして《八神》の情報を求めていたか、だ。それについてはやっぱり……)

 

 アスランの話から十神シエナ改めシェリーの存在が浮上し、それによってアスランが殺しの依頼を持ち掛けられたことが大きな手掛かりになると確信したヒロムは同時に何故無垢の仮面騎士が《八神》の情報を求めていたのかを疑問視し、そしてヒロムは何やら思いついたのか離れたところで見ているトウマとシンクに向けて何かを確かめようといくつか尋ねようとした。

 

「密入国者殺害の件、調書はどこまで進んでる?」

「進展は無い。そいつが素直に話してくれないから事件現場の調査と遺体解剖の結果くらいしか報告出来る内容は無い」

 

「あっ、兄さん。彼から回収してる所持品ならいくつかあるよ。武器と身分証、あとは賞金首のリストをまとめたノートくらいだったかな?」

 

「賞金首の……そういうことか。トウマ、少し話に参加しろ」

「え、う、うん」

 

 トウマからアスランの所持品の存在を聞かされ何かに気づいたヒロムは自分たちの話に参加するように伝え、突然の事に困惑を隠せないトウマは彼に言われるがままに話に参加しようとシンクを連れて彼らのもとへ集まろうとした。

 

 アスランの所持品、そこからヒロムは何を見出したのか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ