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The OUTRAGE  作者: hygirl
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3話


 路地裏に着いたヒロムの前に現れた中華風の装束を着た男。明らかに怪しい風貌の男に対して敵として認識する他ないヒロムはただ強い敵意を剥き出しにする事でそれを表そうとし、ヒロムの向ける敵意を肌で感じ取った男は何やら嬉しそうな笑みを浮かべると黒の皮手を付けた両手をヒロムに向けるかのような構えを取り、どこか独特な構えをする男は途端に異質なものを漂わせ始めるとヒロムの向け語り始めた。

 

「私の受けた命令は貴方との接触及び貴方の生け捕り。抵抗するな、と一言伝えておきますがその様子では抵抗しそうなので加減せず殺す気で参りますのでご容赦ください」

 

「あん?生け捕りだ?」

「とある目的のためには貴方のような強き者が介入されるのはご迷惑なのです。今の状態でも私たちの思想にご理解いただけるのであれば四肢のいくつかを破壊する程度で済みますが如何されますか?」

 

「あ?黙って消されろ。オマエの語る言葉1つ1つが不愉快でしかないからとっとと黙れ」

「……それはそれは悲しいご決断ですね。では、四肢全損にてお連れさせて頂きます」


「あっそ。やれるもんなら……

「ちょいとお待ち」


 丁寧に聞こえて言い回しが独特で聞いていて心地のいいものでもない男の言葉を聞かされるヒロムは単に不愉快だとし黙れと返すと彼は話を聞く気が無いとして男は力づくで対処しようと構えを深くさせ、早々にやる気になっていたヒロムは迎え撃つ気満々で拳を構えようとした。そんなヒロムが構えながらに相手を刺激しようと口に出す言葉を遮るかのように男の隣にその兆しのようなものもなく花魁を彷彿とさせる容姿の女が現れ、女の出現に気づいたヒロムがそちらに視線を向けると構えを深くさせた男はヒロムの相手をする体で取っていた構えを解いて姿勢を正すなり女の方を向いて一礼した。

 

「これはこれはシェリー様、このような所にお越しとはどうされました?」

「どうされました、じゃないわよ。アンタがあの男の相手をするとって聞いたもんだから様子見に来てやったのよ」

 

「有り難き心遣い、感謝の他ありませんね。でも、ご安心ください……彼は私が仕留めますので」

「アンタに仕留められるか不安しかないけどそこまで言うならやりなさいよ空蓮。私はアンタがどうなろうが知ったこっちゃないからね」

 

「ええ、お任せを……この空蓮、シェリー様の前で見事にあの男を仕留めてみせましょう!!」

 

 シェリーと呼ばれる花魁風の女の冷たい態度を気に止めることも無く自らを空蓮と名乗った男は一旦は解いた構えをもう一度取るとそれを深くさせて異様な気のようなものを発し、それを肌で感じ取ったヒロムは彼の動きに対応するべく構えながら拳を強く握らせ殺気を放とうとした。

 

 お互いに相手を倒すべく構えを取りやる気十分となると先ず空蓮が動き出そうと地を蹴り走り出し、空蓮が先に動き出すとヒロムはそれに反応する訳でも無く拳を構えたまま相手がどう手を出してくるのかを見極めようとするかのように集中して敵を見ていた。

 

「先手必勝と行かせていただきます!!」

 

 先に動き出しヒロムに接近しようと走る空蓮は警戒していないのか躊躇うことなくヒロムへと迫ると素早い掌底突きを畳み掛けるかのように連続で放ち始め、空蓮が掌底突きを素早く連続で放ってくるとヒロムは慌てる事も無く淡々と迫り来る攻撃を躱しながら反撃の瞬間を狙い、そんな事も知らない空蓮はヒロムを倒そうと掌底突きを更に放ってヒロムを仕留めようとした。が、この掌底突きを放つ空蓮の手の動きに合わせるかのようにヒロムは体を回転させるようにしながら掌底突きを躱すと回転による勢いを利用するかのように回し蹴りを空蓮の頭部へと放ち、掌底突きを放った直後で回避も防御も取れなかった空蓮はヒロムの回し蹴りを脳天に受けてしまうと大きく仰け反るように怯んでしまう。

 

「なっ……」

「どけ」

 

 回し蹴りを脳天に受けたことで仰け反るように怯む空蓮は受けた衝撃のせいで視界がぼやけ反応が遅れてしまい、そんな空蓮に畳み掛けるかのようにヒロムは更に回転しながら間合いを詰めると飛び回し蹴りを敵へ食らわせ勢いよく蹴り飛ばして見せ、ヒロムのその一撃を受けた空蓮は受け身も取れずに勢いよく倒れてしまった。

 

 空蓮は勢いよく地に倒れ、空蓮が倒れたのを確認するとヒロムは少し呆気なさそうにため息をつくとシェリーの方を向き、ヒロムは首を鳴らすと次の標的に彼女を選んだかのように迫ろうと歩を進め始める。

 

「その男は倒れた、次はオマエだ女」

「早計ね。その程度で完全に倒せたと思うなんて……どうやら聞いた話よりも甘いみたいでガッカリよ」

 

「あん?」

 

 空蓮を倒したヒロムについて何故かガッカリだとシェリーが意見を口にし、その言葉に何か違和感を覚えたヒロムが足を止めると倒したと思われた空蓮が何事も無かったかのように立ち上がり、立ち上がった空蓮に気づいたヒロムが構えようとするとそれよりも先に空蓮は掌底を構えるなり一瞬でヒロムの間合いへ詰め入ると先程は見せる事もなかった速度の掌底突きが放たれる。

 

 先程と比べ物にならない速度での接近と攻撃が迫る中でヒロムはあと少し判断が遅れれば直撃したであろうギリギリのところで躱してみせるが、ヒロムが躱した空蓮の掌底突きは不発に終わるように思われた矢先で彼の掌底から何かが放たれたのかヒロムの後方に位置する所にあった鉄柱が突然爆ぜて折れてしまった。

 

「!?」

 

 何か起きた、それを瞬間で理解したヒロムはすぐに空蓮から離れるように後ろへ跳んで距離を確保し、距離を確保したヒロムが構え直そうとすると空蓮は不敵な笑みを浮かべながらヒロムを挑発するかのような言葉を口にし始めた。

 

「常人程の力で仕掛けた程度で仕留められない事は想定内です。しかし、こんな形で貴方に死獅王様より与えられた私のこの力を使うことになるとは想定外でした」

「死獅王……だと?」

 

「あの方のためにもこの力は温存したかったのですが仕方ありません。ここで私が……

「ちょうどいい、オマエをさっさと潰す理由ができた」

 

 空蓮の口から『死獅王』の名が出るとヒロムは空蓮が隠していた力に対抗するかのように周囲の空気が張り詰めるほどの強い殺気を放ちながら敵を睨み、そしてヒロムは首を鳴らすと鋭い眼光を向けながら拳を突き出し……

 

「死獅王の居場所を吐くなら半殺しで抑えてやる。教える気が無いなら……その首から下を潰して吐かせてやる」

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