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The OUTRAGE  作者: hygirl
22/126

22話


 永楽寺院の焼け跡地に到着したヒロムたちの前に現れた死獅王の部下であろう女のシェリー、そして……レイガと深い因縁のある獅天の名をかつては名乗り、現在はヒロムたちが追跡をしている死獅王を名乗った青年が彼らの前に現れた事でこの場の空気は重く張りつめようとしていた。

 

 死獅王と名乗った青年、外観的特徴としては所々が灰色に変色した金髪を逆立たせた髪型と黄色い瞳、獣の毛と思われるものがあしらわれたフードのつけられたマントを黒衣の上に羽織った姿をしており、一見すると戦士と口にした青年の言葉に反して戦いに向いてなさそうな格好をしていた。

 

 この青年を前にしたレイガが怒りを露にし、クロトとキラは彼が無謀な行動を起こさぬように止めるために前に立ってヒロムの言動を気にかけている中でヒロムは首を鳴らすと死獅王を名乗った青年を見ながら落ち着いた様子で何かを問おうとした。

 

「オマエが死獅王で間違いなさそうだな。一応質問するが……大人しく捕まる気はあるか?」

「無駄な質問だな覇王。貴様のその頼みをオレが聞き入れると思ったのか?」

 

「思ってないが念の為に聞いた。オマエの中に何らかの良心があるのならそれに賭けてもいいかと思って試しに聞いてみたってだけで……本心ではオマエをとっとと潰してその頭を持って帰りたいと思ってたくらいだ」

「ふん、そのつもりなら無駄な事を聞いてくるな。時間の無駄だ」

「念には念を、てやつだ。レイガの兄弟子がどんなもんか確認したかったしな」

 

「くだらん事を思考する男だな……話を変えるが何故ここに来た?こんな何も無い所に今更何の用がある?」

「それはこっちの質問だな、死獅王。ここに何も無いのならオマエらがわざわざここに来る意味あるのか?」

 

「……なるほど。貴様、覇王の名を背負うだけあって頭がキレるようだな。貴様らはここに足を運ぶ事でこちらを誘き出す算段だったということか」

「最大の情報を持ってるのは他でもないオマエだ死獅王。そのオマエから情報を引き出すには何を利用するべきなのか……そのカギを握っているレイガがオレたちと合流出来たのは有難かった。おかげで最短でここの存在を認知し辿り着くことが出来たんだからな」

 

「ヒロムさん、まさかオレを……

「利用したとかじゃないから安心しろレイガ。オレにとって必要だったのはあくまでアイツを倒すための戦力と人員、そこにたまたまオマエという情報源が来たからそこを活かし、その中でオマエの過去に経験した因縁の真相を確かめられると思ってここを目的地にしただけだ。オマエを利用したつもりは無い」

 

「物は言いようだな、覇王。傍から聞いたらそいつを利用したと取ることも出来るがその点についてはどう釈明する?」

「必要ねぇな……ここでオマエを倒して全てをハッキリさせてレイガの因縁も終わらせりゃいいだけだからな!!」

 

 死獅王の言葉に反論したヒロムは敵を倒すべく走り出し、ヒロムが走り出すと彼に続くべくクロトとキラ、そしてレイガが動き出し、ヒロムは3人が追従して来ていると理解した上で振り向くことなく死獅王に迫ろうと走りながら彼らに指示を出し始めた。

 

「クロトとキラはあの女を拘束しろ!!レイガ、オマエはオレと来い!!」

 

「はいっ!!」

 

「快諾、命令を遂行する!!」

「任せるスよボス!!」


 ヒロムの指示を受けたレイガは彼について行く……つまり、死獅王を倒そうとするヒロムに加勢するとなってやる気に満ちた言葉を発すると走る足を速くさせ、クロトとキラはヒロムの指示に従うべく死獅王の近くにいるシェリーを捕らえようとそちらに向かうべく駆けて行き、そしてヒロムは……

 

「大人しく倒されろ、死獅王!!」

 

 ヒロムは誰よりも先に死獅王に接近すると敵を倒そうと殴り掛かり、ヒロムが殴り掛かろうとすると死獅王はそれを躱しながら間合いを取るように後方に重心を置くかのように身を動かすと蹴りを放とうとし、死獅王が蹴りを放とうとするとヒロムはそれを裏拳で防ぎ止めると間合いを詰めて仕掛けるべく動こうとした。

 

 ヒロムの動きに対して死獅王は一切気を抜くことも無く、彼から視線を逸らすこともせず集中し見極めた上で対応しようと練りを放った直後の状態から素早く構え直すと一撃を叩き込もうと拳を勢いよく突き出し、死獅王の突き出した拳に対してヒロムは回避をしようとせずに右手に力を入れると同時に強く踏み込み、そして死獅王に対抗するかのように拳を勢いよく強く突き出すことで死獅王の拳にぶつけ、2人の拳が強くぶつかり合うと2人の周囲に衝撃が駆け抜け、拳をぶつけ合った2人は数秒程動くこと無く止まっていたかと思うとすぐに間合いを取るかのように両者同時に後ろへ軽く跳び、死獅王と距離を取ったヒロムの隣に並ぶようにレイガは立つと拳を構え彼に加勢しようとした。

 

「ヒロムさん、大丈夫か」

「ああ、問題ない。むしろ……このくらいはしてくれないと困る」


「それはこちらのセリフだ、覇王」

 

 レイガの言葉に対してヒロムは死獅王との数手のやり取りを経た上で敵の実力としてはこれくらいは必要だという言葉を返し、それを聞いていた死獅王はヒロムの言葉に対して強く返すと全身から殺気が放たれると魔力を体外へ放出させるようにしてその身に纏い、死獅王の発する殺気を肌で感じ取ったヒロムはレイガと共に真剣な表情で構えると敵である死獅王を倒そうと拳に力を入れ……

 

「レイガ、本気で殺る……遅れんなよ?」

「ああ、任せてくれ!!」

 

 死獅王を倒すべくヒロムとレイガは同時に動き出し、2人が動き出すと死獅王は纏う魔力を強く高めさせると迎え撃とうと構え……

 

 

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