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The OUTRAGE  作者: hygirl
16/126

16話


 突然現れヒロムたちに対して攻撃的な部分を見せる謎の少年。その少年の登場に便乗するかのようにこの場を逃げ去ったシェリーの追跡のためにキラが向かい、ヒロムはクロトと共にこの謎の少年を止めるべく動き出していた。

 

「質問、アイツをどうする気だ?」

「とりあえず動きを封じる。けど、あまり傷を負わせたくもないと思ってる 」

 

「疑問、アイツが敵の可能性もあるのにか? 」

「あのクソ女の言葉を鵜呑みにするのならアイツはオレたちの手元にない死獅王の情報を掴んでる最大のカギだ。考えられるあらゆる可能性について考慮するなら可能な限り負傷を避けこちらも死獅王を追ってることを理解させる。それで上手く事が運べれば……アイツの力量次第では死獅王撃破の戦力に成りうるはずだ」

 

「理解、ヒロムの考えは理解した。なら……これは使わない方がいいな」

「極力な。けど、アイツの力量次第では抜け。こっちとしてもマイナスは避けたいからアイツが想定より上なら迷わす使っていい」

 

「快諾、了解した」

「なら……仕掛けるぞ!!」

 

 謎の少年は自分たちの把握してない事が多過ぎる死獅王に関して情報を握っている重要な存在だとして可能な限り負傷させずに止めようと考えていることをヒロムが語るとクロトは彼の考えを理解した上で今は不要だと判断していた短剣を収め、そしてヒロムは謎の少年を止めるべく加速するとその間合いを一気に詰めようとした。

 

 しかし……

 

「あぁぁぁぁあ!!」

「なっ……」

 

 ヒロムが間合いを詰めようと加速するために強く踏み込もうとしたその時、ヒロムのすぐ前にまで謎の少年は一気に迫り、この以上な間合いの詰め方にヒロムが驚かされていると謎の少年は拳を握るなり勢いよく殴り掛かってきた。

 

 間合い的に避けるのが難しく思われたがヒロムは難無く謎の少年の拳を躱すと彼を止めようと一撃を放とうとするが、拳を躱された謎の少年は素早く拳を引くと同時に半歩ほど間合いを開け、そして謎の少年は半歩の間合いを取った瞬間に素早い回し蹴りを放ってヒロムの頭を叩き割ろうとした。

 

「っ……!!」

 

 反撃しようと試みるもそれ以上の速さで回し蹴りを繰り出してきた謎の少年の動きにヒロムは何かを感じながらも頭を割られまいと座り込むように体勢を低くさせて回し蹴りを躱し、回し蹴りを躱したヒロムはその状態のまま素早く回転しながら蹴りを放つことで体勢を崩させるべく相手の足を蹴り払おうとした。

 

 が、謎の少年は回し蹴りを放った直後でありながらヒロムの足を蹴り払おうとする一撃に対して蹴りを放つ際に軸として地に着けていた足で大地を蹴り押すことで高く跳んでそれを躱してしまう。

 

「なっ……あの状態から跳べんのか!?」

(どんな体してんだよコイツ!?回し蹴りを放った後で少なくとも次の動作のために構えを正す必要があるはずなのにそんなもん無視して次の動作を起こしたってのか!?)

 

「コイツ、かなりのやり手だな……!!」

「危険、コイツはヤバい」

 

 ヒロムの予測の範疇を越える動きを見せる謎の少年のその身体能力についてクロトは危険と判断したらしくヒロムに加勢しようと彼の攻撃を跳んで避けた謎の少年に対して蹴りを入れようと接近した。しかし謎の少年はヒロムの攻撃を躱し宙に浮く状態から素早く回転しながら裏拳を放ってクロトの蹴りを弾き、さらに回転を加速させるとその勢いを乗せるようにしてクロトを蹴り飛ばそうとした。

 

 蹴りを弾かれたことで体勢が崩れたクロトにこの一撃を躱すだけの余裕がなく、ヒロムもクロトもこのままでは危険だと考えた。しかし、この危機的状況に対してフレイはクロトのもとへ駆けつけると大剣を盾にするように構えることで謎の少年の放った蹴りを防ぎ受け、フレイの機転により難を逃れたクロトは立て直すと素早く加速して謎の少年の死角に回り込もうとした。

 

「感謝、支援助かった」

「礼には及びません。ですが……油断は禁物ですよ」

 

「反省、次同じ事はしない!!」

 

 クロトが謎の少年の死角に回り込もうとする一方で謎の少年は着地すると同時にヒロムを視界に捉えるなり彼に攻撃しようと間合いを詰めようとし、構えるべく立ち上がったヒロムは迫ってくる彼を迎撃しようと拳を構えて彼がどういう動きをするのかを見極めようと集中した。

 

「ふー……」

(コイツ、相当やるな。オレもクロトも別に加減してるとか油断とかそんなもんは無い。むしろ、コイツの発する異常なこの気に対して本気でやってる。それでもコイツはオレたちの本気を上回るレベルで動いて対欧している……身体能力と反応速度は高水準、今はまだ能力を使われていないがここにそれが重ねられたら……)


「……賭けに出るしかないな」

 

「がぁぁぁぁ!!」

 

 ヒロムが謎の少年の動きを見極めようとする中で彼について情報を整理し何かを実行することを決意しようとしていると彼は雄叫びのような叫びを発すると動き出そうとし、謎の少年が動き出そうとすると彼の死角へと回り込んだクロトがそれを阻止するため仕掛けようと接近しようとした。

 

 クロトの接近に対して謎の少年はそれに気づいたらしく反応しようと彼の方へ体を向け、それによって謎の少年の意識がヒロムから一時でも外れたその時、ヒロムは右の拳を強く握り深く構えると地を強く蹴って謎の少年との間合いを瞬間で詰め接近し、そして……

 

「ナイスだ……クロト!!」

「当然……ヒロムの役に立つ事が今のオレの全てだからな!!」

 

「おかげで止められる!!」

 

 クロトの1度の行動により生まれたチャンス、それを掴み逃さないように決めようとするヒロムは謎の少年へと接近すると同時にその場で素早く回転して勢いを生み出し、回転する中で狙いを定めると生み出したその勢いを上乗せするか如く拳を強く握りながら一撃を放とうとし、ヒロムの接近と攻撃を感じ取った謎の少年は反応が遅れたのかヒロムの一撃を防ごうとして防御の構えを取ろうとした。

 

 が、ヒロムは放とうとした拳をぶつけること無く何故かもう一度回転し、ヒロムが攻撃をせずスルーしたことに謎の少年が虚をつかれたかのように反応しているとヒロムは左足を強く踏み込ませ、そして……

 

 謎の少年を殴ろうと殺気をその身から解き放ったヒロムの右の拳は白い稲妻のようなものを纏いながら謎の少年に拳撃を叩き込み、拳撃が叩き込まれると白い稲妻のようなものは炸裂しながら彼を吹き飛ばし勢いよく倒れさせた。

 

 ヒロムの一撃を受けた謎の少年は地を何度も転がるようにして倒れ、唸り声のようなものを軽く発した後に気を失ったのかそのまま起き上がることなく倒れ、ヒロムは息を吐き気を少し緩めると謎の少年へと近づき……

 

「さて……振り出しに戻されるかゴールに近づかせてくれるか、お楽しみの時間といこうか」

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