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The OUTRAGE  作者: hygirl
117/126

117話


 何かが起きた。

 

 その何かが今を変えた。

 

 

 民間人の視点からも、ユリナたちの視点からも、トウマの視線からも、そしてリクトの視点からも『何かが起きて何かが今変わった』という認識は出来ている。

 

 だが、誰もがその何かが何なのかは分からず、そして何が起きたのかはハッキリと口に出来なかった。それでも全員が共通して言えることがあるのは確かだった。

 

 今この瞬間……

 

 

 流れはヒロムにある、ということだけは確かな事だった。

 

 

 能力者という人間としてカウントされながらも精霊を使役するというポテンシャルと圧倒的な強身体能力による強さだけを有していると認識されていたヒロムが精霊・フレイの装備するものと同じ大剣を手に持ちながらリクトを倒そうと駆け出し、フレイたち精霊もそんなヒロムに加勢するべく駆け出していた。

 

 何かが明らかに変わり、それにより状況がまずくなった。

 

 そこだけはハッキリと理解出来ているリクトはとにかくヒロムを倒さなければということだけを実行するために《オーバーロード・ギア》の力を高めさせるとヒロムに向けて無数のエネルギー弾を掃射して迎撃しようと考えるが、ヒロムは見るからに重そうな大剣を装備しているとは思えぬ速度で駆けながらエネルギー弾を次から次に躱し、さらに躱すのが困難なものに関しては大剣を盾のようにして防ぎ止めて完全に対処しながらリクトとの間合いを詰めようと駆け続けた。

 

「バカな……ありえない!!」

(ヒロムに能力者として提示可能な能力の情報は無いはずだ!!精霊を使役する、人間離れした超人並みの身体能力、研ぎ澄まされた感覚による空間認識……能力に匹敵する技術は挙げ始めればキリがないほどにあるがそれでもヒロムの中で能力者として認可されるような要素はなかった……はずだ!!なのに、なのに、なのに……!!)

 

「オマエのそれは何なんだ!!」

 

 ヒロムさん今の状態を理解出来ず、理解出来ないが故にリクトは持っている力を高めながら光線を放ちヒロムを撃ち倒そうと行動を起こすがヒロムはその光線すら大剣で両断して消し飛ばすと一気に間合いを詰めると同時に大剣を勢いよく振り下ろし一撃を彼に叩き込もうとした。

 

 さらにリクトは瞳を強く妖しく光らせると視認出来ぬ何かによってヒロムの振り下ろす大剣を防ぎ止め、さらに攻撃を止めると同時にヒロムに向けて闇を強く放って反撃を試みようとするがヒロムはその反撃が実行されるよりも先に何故か大剣を手放しながら後ろへ跳び、ヒロムが後ろに跳んだと同時に彼の手放した大剣は稲妻へと変化すると炸裂して衝撃を発生させるとリクトに対してそれをぶつけると彼を軽く吹き飛ばし、後ろに跳んだヒロムは着地すると同時に両手に白銀の稲妻を強く纏わせるとそれを琥珀色に染めさせると稲妻に形を与えると精霊・マリアが装備しているものと同じ琥珀色のガントレットとして装備するとリクトとの間合いを再度詰めるとガントレット装備により強化された拳を用いた連撃を叩き込んでリクトを追い詰めようとした。

 

 しかし、リクトは軽く吹き飛ばされながらもどうにか体勢の立て直しと流れの修正を行うべく不安定な体勢の中で闇を強く放出させるとヒロムの放つ連撃を何とかして止めてみせた。が、ヒロムは連撃が止められようとも攻撃の手を止めることはせずに放ち続け、ヒロムが連撃を放ち続けていると次第にそれを止めていた闇の力が弱まり徐々に押し返されそうになっていた。

 

「ば、馬鹿な……」

「借り受けているのは困難に耐え乗り越える忍耐の中にある増大の拳……そして、更に借り受けるのは反逆すら躊躇わぬ嫉妬の切爪!!」

 

 ヒロムの連撃が闇を押し返そうとする勢いの連撃を放ち続ける事に驚きを隠せないリクトに対してヒロムは左手のガントレットを稲妻に戻すとその稲妻を即座に薄紫色を変化させると今度はそれを精霊・フラムが装備する薄紫色の鋭い爪を有したグローブとなって彼の左手を装備され、爪を持つグローブを装備したヒロムはそれを用いた一撃を放って自身の連撃を防ぎ止めていたリクトの放つ闇を切り裂き消滅させ、さらにヒロムは闇を切り裂いた左手首のグローブの爪で素早く斬撃を放つ事でリクトは仕留めようと追撃を試みた。

 

 ヒロムが追撃を試みようとするとリクトは爪による一撃が来ると本能的に感じ取ったらしく妖しい光を纏いながら瞬間的な加速を行って回避を行いながらヒロムの背後へと素早く回り込み、ヒロムの背後に回り込んだリクトはヒロムが反応するよりも先に彼に一撃を決めるべく強い力を不安定なままぶつけようとした。

 

 背後から決めようとするリクト、そのリクトが乱暴に一撃をぶつけようとしている中、危機が迫る中にいるはずのヒロムはまるでそれを予測していたかのように焦りを見せることも無く異様な落ち着きを見せていた。


「借り受けるのは思考すら放棄する対談が齎す破滅の盾と全てを律する節制から成る聖域の剣!!」 

 

 リクトの攻撃が迫るなかでヒロムが叫ぶと彼の体から白銀の稲妻が強く放出されると同時にそれは藍色に染まりながら1つになると精霊・シェリーの扱う藍色の盾に変化してリクトが乱暴に放った一撃を防ぎ消し、敵の攻撃を盾が防いだ瞬間にヒロムがリクトの方へ振り向くと盾は稲妻に戻りながらその色を緑色に変化させながら精霊・ユリアが使う双剣に変化してヒロムの両手に装備され、背後からの襲撃を試みたリクトの一撃を防いだヒロムは双剣に白銀の稲妻を強く纏わせると反撃しようとし、ヒロムが双剣を手に取るとリクトは彼の反撃が来るとしてそれを止めるべく妖しい光を剣の形で出現させ手に取ると同時に一撃を放とうとした。

 

 同時に攻撃を放とうとしたヒロムとリクト、2人の攻撃は……

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