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The OUTRAGE  作者: hygirl
116/126

116話


 そして……

 

 虹色の輝きの中、白の空間からリクトとの戦いの中へと意識が戻ったヒロム。

 

 パラディンの時のように白の空間と現実とでは時の流れは異なるらしくちょうどリクトの言葉に強く言い返したあたりで意識が戻り、何が起きたのかはもはやヒロムにしか分からない状態の中でリクトはただヒロムから感じられる変化を前にして警戒するしか無かった。

 

 

 何かが大きく変化した、それだけは確かな事だとして認識出来ているであろうリクトはヒロムを前にして己が有する力を強く高めながら構えようとし、ヒロムはリクトの方を見ると少し悲しそうな顔をしながら彼に向けて話し始めた。

 

「リクト、聞かせてほしい。今のオマエは何のためにその力を使う?」

「何のため?決まってんだろ……オレが成し遂げたい変革のため、それを止めるオマエを倒し変革を成功させるためだ」

 

「なら……どうしてあの時オレを殺さなかった?」

 

「あの時?」

「研究施設でクロトやシンクたちを倒した後、オマエは建物を破壊しオレたちを生き埋めにしようとするだけで留めた。あそこで殺しておけばオマエは今何の苦労もせずに変革とやらを進められたはずなのに……オマエの軽率な判断で何もかもが水泡とかして消えようとしてるぞ?」

 

「そうだな……オマエの存在はオレの起こした変革の先で不可欠になると考える生かした。だが、オマエは……オマエたちはオレの変革を理解してくれる気はなく敵として立ち塞がっている。オマエの中にあるもの……オマエの思想と行動理念を把握していなかったオレが愚かだと思う他ない。が、オレと《オーバーロード・ギア》の力が高まりここまで同調してる今、オマエがいなくても事足りる可能性がある事を考えると……ここで消しておくべきかもしれないな」

 

「つまり……その力をオマエはまずオレを殺すために使うってことか?」

「そういうことになるな。生き長らえたいなら抵抗も何もするな。そしてオレに……

「生きることは諦めないし戦うこともやめない。だけど、オレはオマエを止める」

 

 何のために力を使うのか、何故殺せる時に殺さなかったのかをヒロムはリクトに対して問い、問われたリクトは後悔が少しなりともある事を語った上でヒロムを消しておくべきだったと言い、そしてリクトは生き長らえたいのなら抵抗せず従えとヒロムに告げようとした。が、ヒロムはそれを聞き受ける気はなく、それどころかリクトを倒すという意思に変わりはないヒロムは白銀の稲妻をその身に強く纏わせるとリクトを敵として睨むような目を向けながら右手を前に伸ばそうとした。

 

「そうか……どれだけやってもオレには届かない、力の差は大きいと理解していないオマエに勝ち目などない事をその身と命で思い知れ!!」 

 

 対立の意思は変わらない、ヒロムの行動からそれを読み取ったリクトは呆れを感じさせるようなため息をつくと闇を纏い殺気を発しながらヒロムに向けて闇による一撃を撃ち放ち、放たれた一撃はヒロムを仕留めようと彼に向かっていく。

 

「マスター!!」

「大丈夫だ、フレイ」

 

 ヒロムに危機が迫る、リクトの一撃に対して彼を守ろうと他よりも先に走り出そうとするフレイに向けてヒロムは何故か落ち着いた様子で彼女に問題ないことを伝え、そして……

 

「今のオレには……フレイたちが共に在る!!」

 

 ヒロムの言葉に呼応するかのように彼の纏う白銀の稲妻が虹色に変化を遂げ、さらにヒロムの両手首に白銀の光が集うとそれは白の空間で受け取った白銀のブレスレット……彼のための霊装と伝えられた《レディアント》に変化し……

 

「借り受けるぞ、フレイ!!」

 

 ヒロムがフレイの名を叫ぶと《レディアント》は金色の光を放ち、放たれた光が稲妻に変化するとそれは形を得ていき、形を得た稲妻はヒロムの右手に掴まれると金色の大剣へとその姿を変え、手にした大剣を構えたヒロムはリクトの放った一撃に向けて一閃を放つ事で防ぎ切り、ヒロムが手にした大剣を目にしたリクトとフレイ、そして他の精霊たちは驚くしかなった。

 

「馬鹿な……!?オマエの中にそんなものがあったと言うのか!?」

 

「あの大剣は……私のと同じ……?」

 

「マスターが、フレイの武器を……?」

 

 

「何が……何が起きている!?オマエは一体、何をしたんだ!?」

 

 動揺を隠せず狼狽え叫ぶようにヒロムに問うリクト。そのリクトの問いを無視するようにヒロムは何も言わずに大剣を構え直すと彼を見つめ、ヒロムの視線を受けるリクトが構える彼の視線から何かを感じ取って《オーバーロード・ギア》の力を高めさせようとするとヒロムはフレイの方へ視線を向けると彼女に……いや、彼女と他の精霊に向けて何かを伝えようとした。

 

「オレ1人じゃ力不足でしかない。だからオマエらの力を……オマエらの意思を借り受けさせてもらう。オレの望む未来のため……守りたいものと歩む未来のために!!」

 

「……マスターのその力については理解が追いついていませんが共に戦う事は当然です!!」

「フレイの言う通りよマスター。マスターが求めるなら……私たちもいくわ!!」

 

「私たちを認めさせたアナタの力……共に戦う事で見届けさせてもらいます!!」

 

「……いくぞオマエら。そして……いくぞリクト!!これで、終わらせてやる!!」

 

 フレイたちが共に戦う意思を見せてくれたことによりヒロムは彼女たちの力と意思と共にリクトを倒そうとやる気を見せ、そしてヒロムたちはリクトとのこの戦いに決着をつけるべく駆け出す。

 

 

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