113話
全身血だらけになるほどの負傷に至るダメージを受けながらも倒れることなく敵に立ち向かおうとするヒロムとそのヒロムを倒す気で奇策を用いるも倒すに至らなかったことで苛立ちと怒りを見せ彼を今度こそ倒そうと考えるリクト。
2人の戦いを見守る事しか出来ないトウマやユリナたち、そして多くの民間人がヒロムがリクトを倒しこの戦いを終わらせてくれると信じる中でヒロムはリクトを倒し終わらせようと白銀の稲妻を纏いながらリクトに攻撃を仕掛けようとし、そんなヒロムが戦うのならば見ているだけでは許されないと考えている彼に宿る精霊であるフレイたちは武器を構え加勢しようと走り出した。
諦めようとしない……いや、諦める事を知らず突き進む事しかないヒロムと彼に加勢しようと戦う意志が消えることなく動き続ける精霊を相手にするリクトは彼と彼女たちを相手にする中で募りに募ったものが爆発したのか先程までの余裕のある強者の風格を多少でも感じさせるような戦い方の面影のない乱暴で乱雑な攻撃を次から次にヒロムたちを倒すと次から次に放ち続け、リクトが放つ攻撃に対してヒロムはギリギリの距離で躱しながら間合いを詰めて攻撃を決めようとし、ヒロムの攻撃に対してリクトは闇を用いた防御で対応すると共に闇を爆ぜさせる事でヒロムを吹き飛ばして自身から突き放させて瞬時に立て直そうとした。
吹き飛ばされたヒロムも負けじと素早く着地すると着地した瞬間一切の間を置くこと無く地を蹴り走り出す事でもう一度リクトに迫ろうとし、リクトが立て直しを図りヒロムも再度の接近を試みようとする中でフレイたちはヒロムがリクトに接近するための援護としてリクトの妨害を狙って攻撃を放とうとするが、リクトはフレイたちが攻撃を放とうとするとそれを阻止するべくエネルギー弾を周囲に無差別に放ち手当り次第に周囲に着弾させてフレイたちの接近はもちろん攻撃への移行を妨げてみせた。
が、リクトがフレイたちの妨害に意識を向け行動を起こした事でヒロムは彼の無差別に放ったエネルギー弾の中を駆け抜けて接近に成功すると拳に白銀の稲妻を纏わせてリクトの顔に一撃を叩き込み、一撃を叩き込まれたリクトは仰け反ってしまうも無防備な姿を晒さまいと耐えると瞳を妖しく光らせながらヒロムを睨むと視認不可能な力でヒロムを攻撃して彼を再び吹き飛ばそうとした。
だが何度も吹き飛ばされるような事をヒロムは許さなかった。白銀の稲妻を両腕に強く纏わせながら腕を交差させるようにして防御の構えを取ると視認出来ない力を防ぎ止めてみせ、敵の攻撃を防ぎ止めたヒロムはその力の強さに抗い耐えるように力を高めながら押し返されてしまうが強く踏ん張り腕を強く振り払うと防ぎ止めた目に見えぬ力を弾き飛ばして突破してみせた。
「オマエ……!!」
「芸がねぇし品もねぇ……ギア・シリーズの原点ってのは力が強いだけの飾りなのか?え?」
「黙れ……!!死に損ないが偉そうに吼えるな!!」
「ならさっさと殺してみろよリクト!!オマエが言う死に損ないはこの程度じゃまだまだくたばらねぇぞ!!」
「オマエは……どうしてそんなにしぶといんだ!!」
「分かりきったことを聞くな……戦う理由が目の前に……今この場にあるからに決まってんだろ!!」
リクトの言葉に反論したヒロムは彼を倒すべく身に纏う白銀の稲妻の力を高めさせると駆け出し、ヒロムが駆け出すとリクトはヒロムを強く睨みながら全身に闇と妖しい光、そして炎や雷を纏うとヒロムを迎え撃とうと力を滾らせ高めようとした。
「オマエの戦う理由がここにあると言うならオマエ諸共それを潰す!!オマエの中のあらゆるものを否定し、オレはオレの成すべき変革を成し遂げる!!」
「オマエのそれは変革なんかじゃねぇ!!ただの身勝手で恩着せがましい我儘でしかねぇんだよ!!」
「黙れ!!オマエの戦う理由、それも偽善の上で無理やり見つけてるもんだろ!!偽善の行いを見せつけるためだけに苦しみを背負ってんだろ!!」
「偽善と思われても結構!!けど……オレが偽善の上で起こす行動で誰かの未来が守れるってんなら、オレはそれを受け入れ苦しみを背負う道を突き進む!!それで、オレの守りたいものが守れるなら喜んでそうしてやる!!」
ヒロムの行動を偽善と評し彼の攻撃を否定しようとするリクトの言葉にヒロムは偽善と言われても苦しみを背負うことになろうと構わないと返した上で守りたいものが守れるのなら迷いは無いと断言してみせた。
その時だった……
ヒロムは纏う白銀の稲妻が眩く強く輝くと白銀が新たな色を次々に得るかのように虹色へ変化し、そして……
「まさか……!?」