表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/23

第七夜

自分のやっていることは、

中二病おつ、と言われることだと気づいたが、

まあいいか、と思うことにした。


ただ、中二病乙と呼ばれるほどの、

小説で伝える力があるかわからないが。

私が思い描いたことは、なにも伝わっていないかもしれない。

こんな夢を見た。


病室にいた。


老いた体は思うように動かなくなってきた。

千恵と菜摘は、私が遠くへ歩きに行くのをやめろというが、

まだ存命の父は、「なに、お前は若い。バリバリ歩け」という。


そうだ、私は若い。

そして、今より若いときはないのだ。

あるきたいなら今すぐ歩く。

それが心情だった。


歩きに行く場所は、もっぱら近所であったが、

そう考えていたのは私だけだったらしい。


家から4.5km離れたところで事故にあったときには驚かれた。

そんな遠くに行ってたのかと。



事故を起こしたのは、20代のもので、

いや、最近の若者は、とやりたくなったが、

考えてみたら、私も若者であった。


そうであるとすると、まだひよっこがしてしまったというところか。


う~ん。

表現に悩む。


そんなことはどうでも良かったことだが、

事故で足を失った。といったところだろうか。


車に吹き飛ばされた衝撃で、

バウンドし、その時に、脊椎がやられたらしい。


それを治すために手術をした。

しかし、その手術で医者がやらかした。

それで、どういうわけか足が縮んでしまった。


普通に歩けなくなってしまった。

バランスが保てない。


医療ミスということで、お金がおりた。

そのお金で、私はいらないと言ったのだが、

妻の菜摘は、車椅子を買った。


ただ、まだ退院できないというので、試乗はしていない。

息子の拓哉は忙しいことを理由に、来なかった。

千恵は、よく来ていた。


驚いたことに、父の義政がやってきた。

かなりの高齢であるし、この病院は、かなり遠いはずなのに、

自転車に乗ってココまで来たという。


自分もまだまだだ。

そう、まだ出し切っていないのだ、

出がらしではない、まだ若いのだ。


やってきた父の話を聞くと、そう思わずにいられなかった。

父の話は、活火山を見に阿蘇山まで言ったという。

夏になったら、南国に行って、美女と寝てくるという。

ただ、歳のせいでたたず、本当に一緒に眠るだけのようだが、


前世でどんなことをしたら、そんな生活が送れるのだろうか。

嵐が去ったベットの上は暇で、そんなことを考えるしかなかった。


いや、あれはなんにも変哲もない父だ。

やろうと思えば、自分だってできるだろう。

いや、本当にできるだろうか。


難しい。


だが生き生きとして、羨ましい。


私となにが違うのだろうか。

散歩をしていたのはいいのだが、

それでも自分がちっぽけに感じてしまう。


今より若いときはない。だから、今すぐやれ。


父の言葉だ。

そう、今より若いときはないのだ。


歩きたくなった。


ベットから起き上がって、

とりあえずナースコールをした。


なにかしたければ、やれという話だったからだ。

勝手に抜け出したなんて思われたくなかった。


男のナースさんがすぐにやって来て、

歩きたいことを話したら、

良い、と言った。


この病院は、患者の自主性を重んじるんですよ。

ただ、ナースがいないときは、一人で歩こうとしないでください。


ナースはベットに細工を施し、

立ちやすいようにしてくれた。


肩を借りながら、立ち上がると、

世界が変わって見えた。


やはり、ベットの上での世界は自分に狭すぎたのだ。



ナースさんの肩を借りて、歩いた。


自分にも、お父さんがいたんですけど、

こう、色々してやれなくて、

後悔しているんです。


それで、ナースやってるんです。

でも、やっぱり、男のナースってヘンですかね。


そんな事を言ってきた。

ふむ、それは、


こう返そうか。


ありがとう。

感謝するよ。


まぁ、私は、事故にでも会わなければ、

というケースが違う気がしたことは、言わないでおいた。


まぁ、今日を頑張って生きていこう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ