第一夜
こんな夢を見た。
総理大臣に、テレパシーのようなものを届ける事ができるようになった。
なぜそうなったのかわからない。
そして、また、総理の方からの気持ちもなんとなくわかってしうのだった。
どうしてだろうか。
私は、高校で、現代社会というのを学び、
現状に、いらだちを感じ、政治経済を先行していった身だったが、
自分のなにもできなさに絶望し、
親すら泣かす、孤独のニートになった身だというのに、
どうして、本物の総理だとわかったかというと、
私が、このテレパシー能力?を手に入れて、
相手のコはどんな可愛い子かなと、美人の人を思い描きながら、
自分のことを話しまくっていたら、
総理は呆れて、もうやめてくれ、私は、総理だ。
すごく、忙しいんだ。本当に、今だけはやめてくれ。
て言ってきたからだ。
無論、すぐ信じることはできなかった。
声は、寡黙の美女に脳内再生されていたため、
まず、男だと信じることができなかったのだ。
おお、これはきいてるぞ、と思い、またしても何度も話しかけた。
今思うと、可愛そうなことをしたものだ。
何もかもに忙殺されていたのに、意味不明な拒否不可能の電波が
脳に放たれているのだ。
私は、女の子と付き合ったことはなかった。
だから、もし、相手が女の子だったとして、
こんな絶え間なく自分のことだけ喋っているのは、嫌われるということを、
失念していた。
結局はた迷惑な攻撃にこりたのか、
総理は証拠を見せる、だから、やめてくれ。
といって、
明日記者会見すること、そしてそこで、話す内容を伝えてきた。
紙にかけ。一字一句同じことを言う。だから総理と認めてくれ。
そして、話しかけないでくれ。
信じることにした。
紙に書いた内容は、味がなく、誰の言葉でも内容で面白くなかった。
その事を総理に言ったら、
そうするしかないことを言ってきた。
総理がかわいそうに思えた。
何だ、総理というのに、
日本のトップだというのに、なにに縛られていると言うんだ。
どうせなら、私が言いたいことでも言ってくれ。
そうなんども、言った。
総理は折れた。
何度も、不可避の精神攻撃を続けたかいがあったものだ。
それを言いはしないが、聞くだけ聞いてやる、と、
私は、権力を持ったらやりたいことを書き詰めたノートを持ち出して、
それを読み上げた。
読み終わったときには、
寝てしまったのか反応がなくなった。
聞いてなかったのだろうか。
急にアホらしくなった。
総理とつながるわけがないだろう。
そして、冷めた。
あいては、女性ではないことが確実であることに気づいてしまった。
明日、その記者会見だかを見て、終わりにしよう。
次の日、確かに、記者会見が開かれた。
言っている内容は、何か違った。
魂が、こもっている気がした。
途方も無いことを言っていた。
夢物語だった。
録画していたから、それを再生し直して、
総理が言っていたことを紙に書きつけた。
昨日紙に書いた内容と違っていた。
嘘じゃないか。
何だ。
私が言った内容が少し取り込まれていた。
何だ。
私のことなんか真に受けて。
ニートの戯言なんか聞いて、この国終わったな。
でも、胸に、熱いものが、駆け巡ったのを感じた。
総理もやるじゃないか。
そう思ったら、俄然やる気が出て、また、政治に没頭したくなった。
私は、今日を頑張って生きていきたいと思うようになった。