表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/165

ジーンの消火活動


 火事の現場は食料倉庫だった。普段は火の気もない、夜中であれば食料泥棒とネズミ以外は用事がない。衛兵の見回りも最低限だ。

しかし最近は何故か不審火が続いていた為今日の見回り当番だった衛兵のジーンは注意深く見ていた。特に何も見つからないが‥‥‥。見回り業務を終わらせて衛兵小屋に帰ろうとしていたところだった。

 途端、何かの違和感に気づく。ネズミか、イタチか?そんな事を考えながら進むと突然火の玉が発生した。

「わぁーーー!!!」

 ジーンはビビリだ。驚いた時の声はかなり遠くまで響く。ましてや静かな夜だ。すぐに声に気が付いた仲間たちが集まってくる。

 

 なんだこれは?

 衛兵達が困惑する。火の玉?火球?人魂?

形があるようなないようなモノが黒い靄のようなモノを中心に漂っている。

 そういえば聞いたことがある。黒い靄のようなモノが発生しているところからモンスターが現れたのを見た冒険者がいたと。

 普段行くバーにいた冒険者達から聞いたことあったのを思い出す。

 仲間の衛兵達が隊列を組み槍を構えるが火の玉は意に介す事もなく漂い続けている。

 腰を抜かしているジーンが槍を投げつける。

 投げた槍は靄の中心に落ち地面に突き刺さる。火の玉どもには当然当たるはずもなく火の玉の軌道が変わり壁にぶつかった、食料倉庫の。

 火がうつり燃え始める。この辺には井戸もない、池もない。

 どうしよう、火を消さなきゃ。動揺しているジーンは何故か自分の皮袋を投げつける。今度の異動先で使うかもと作った狼煙の素が入っていた為臭い煙が上がる、が当然だが火は消えない。

 しばらくジタバタしていると雨が降って来た。さっきまで晴れて星が見えていたはずなのに。雨はすぐに激しくなり痛みを感じるほどの勢いとなる。

『スコール』

熱帯雨林気候帯などで見られる激しい雨。

 

 気がつくと火の玉どもは消滅。靄も無くなっていた。食料倉庫は一部の壁と屋根が焦げた程度で軽く修繕する程度で済んだ。

 第一発見者のジーンは衛兵隊一同より皮袋をプレゼントされた。ジーンは終始苦笑いだった。

狼煙のろしは狼の糞を使っていたそうです。


誤字脱字有りましたらご報告お願いします。

ご感想ご評価お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ